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現代ダンジョン奮闘記  作者: だっち
断章 異世界からの侵略

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243/270

第199話 残り1秒

是非、ブックマークか評価を。

私にガソリンをください!!

触手が四方から迫る。

左から伸びた一本を本体が叩き折ると、その隙を突くように右側から2本の触手が躍り出る。

しかし、待っていたかのように分身が踏み込み、触手をまとめて吹き飛ばした。


さらに天井からは無数の血槍が降り注ぐ。

だが直哉たちは止まらない。


片方が攻撃を引き受ければ、もう片方が死角へ回る。

血塊が迫れば分身が跳び込み、真正面からバットを叩きつける。


ドガァッ!!


砕けた血塊の破片を、本体が追撃で消し飛ばした。

まるで長年連携を続けてきたコンビのようだった。


「右だ!」

「任せろ!」


本体が低く滑り込み、分身がその頭上を跳び越える。

上下からの同時攻撃が交差し、2人のバットが巨大な血槍へ同時に叩き込まれた。


ドガァン!!


血槍が真ん中から砕け散る。


残り20秒。


* * *


「くはははは!!

増えたところで変わらぬわ!!」


館全体が怒鳴るように震えた。

壁が大きく裂け、天井が開き、その奥から無数の触手が陽平たちへ降り注ぐ。


しかし届かない。

左から迫る触手を本体が吹き飛ばし、右から伸びた触手を分身が叩き潰す。


その包囲をすり抜けた1本だけが陽平へ迫るが、真弓の砕陣弾が横から飛来し、根元ごと撃ち抜いた。


「今ので終わりと思うなよ!!」


ダンッダンッ!!


魔弾が広間を駆け回る。

触手が千切れ、血塊が爆ぜ、その合間を縫って陽平たちはさらに前進した。


「あと少しだ!」

武虎が叫ぶ。


「わかってる!!」

陽平の難陀が唸りを上げる。


ギュイイイイインッ!!


高速回転する刃が血の海を削り取りながら、強引に道を押し広げていく。


残り15秒。


* * *


直哉と分身が左右へ散る。

片方が噴き上がる血流を叩き潰し、もう片方が行く手を遮る触手を砕き続けた。


血槍が飛んでくる。

分身がそれを弾くと本体が打ち返し、そのまま壁へ突き刺した。


「行くぞ、俺!」

「おう、合わせろよ、俺!」


2人は同時に踏み込む。

左右から挟み込むように飛び込み、巨大な触手へ同時にバットを叩き込んだ。


ドゴォォォン!!


衝撃で触手が真ん中から吹き飛ぶ。

館全体が悲鳴のような唸り声を上げた。


「ひゃっほーーー!!」

分身が笑う。


「ナイスだ!」

本体も笑い返した。


残り10秒。


* * *


しかし魔素は確実に削られていた。

分身の輪郭がわずかに揺らぎ、直哉の額を汗が伝う。

それでも手は止めない。

触手を叩き折り、血槍を砕き、血塊を消し飛ばしていく。


だが洋館からの攻撃は減らない。

むしろ時間が迫るほど、館そのものが焦ったように攻勢を強めていた。


「陽平!! トラ!! まだか!?」

直哉が叫ぶ。


「もうちょっと!!」

陽平が吼える。

難陀は悲鳴のような音を立てながら、どんどん奥に侵入する。


「見えてきたぜ!!」

武虎の声が重なった。


残り8秒。


* * *


館が狂ったように暴れ始める。


触手が伸びる、血塊が飛ぶ、血流が噴き出し血槍が降り注ぐ。

あらゆる攻撃が陽平たちを止めるためだけに集中していた。


「通すかよ!!」

直哉が打つ。

分身も打つ。

2本のバットが縦横無尽に暴れ回り、そこへ真弓の砕陣弾と魔弾が次々と重なった。


血塊が爆ぜ、触手が千切れ、血槍が砕ける。

それでも処理しきれないほどの攻撃が押し寄せる。


残り5秒。


グワンと分身の輪郭が大きく揺らいだ。

直哉が歯を食いしばる。

「くそっ……! もう持たねぇぞ!!」


その時だった。

前方から武虎の咆哮が響く。

「見えたァァァァッ!!!」


血の海の最奥。

心臓のような器官が不気味な鼓動を繰り返している。


ドクン、ドクン、ドクン。


館そのものの核。


「トラさん!!」

陽平が絶叫する。


ギュイイイイインッ!!


陽平が最後の力を振り絞った。

血の海が左右へ押し退けられ、一本の道が最奥まで一直線に伸びる。


武虎が飛ぶ。

右腕に黒い魔素が集まり、巨大な鉤爪へと変わっていく。

断裂猛襲(ブレイクアサルト) 喰爪の相(がしょうのそう)


残り3秒、直哉が最後の触手を叩き潰す。

残り2秒、分身が崩れ始める。


武虎は全身の魔素を喰爪の相(がしょうのそう)へ集中する。

右腕の鉤爪が黒く輝く。


残り1秒。


「オオオオオオオオオオオッ!!!!」


裂帛の気合と共に、武虎が心臓へ飛び込んだ。

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