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現代ダンジョン奮闘記  作者: だっち
異世界の余波

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第154話 爺さん連れてきた

是非、ブックマークか評価を。

私にガソリンをください!!

それから5日ほどかけて、一行はカルネアへ戻った。

北へ進むときは気が張っていたせいか短く感じた道のりも、帰路では妙に長く感じる。


「……なんだかんだ、結構時間かかったな」

馬車の中でボーっと外の様子を眺めながら、直哉が言う。

「正味、1ヶ月くらいか」


陽平が頷く。

「移動だよね、やっぱり。

車とか使えれば、半分以下で済んだと思う」


「それなあ」

武虎が馬車を見やりながら、少し考え込む。

「さすがに、魔石使って車作って、それをこの世界で走らせるのはアウトだよな?」


「でしょうね」

真弓が即答する。

「そんなことしたら、噂が広がる。

まだ注目されるのは、困る……」


「それならさ、こっちの魔道具屋と協力して、こっち風の“車っぽい何か”を作るなら、アリじゃない?」

「それだ!」

直哉が勢いよく食いついた。


「魔石エンジンみたいなのを馬車に積むんだよ。

足回りを強化して、振動に耐えられるようにしてさ」


「……車もどき?」

「そうそう。

“馬車だけど馬いません”みたいな」


「それ、もう車だよね」

「いやいや、見た目はあくまで馬車なんだって」


武虎も乗ってきた。

「速度は欲しいな。

正直、ここまで移動で疲れるのが想定外だった」


「そうね」

真弓が少し首を傾げる。

「せっかくファンタジー世界。

飛空艇、空飛ぶ絨毯、そのほうが“ぽい”」


「……むむむ」

直哉が唸る。

「確かに、それは捨てがたい」


「確か、空飛ぶ系の荷車、なかったっけ。

あれの派生でいけば、自然じゃない?」

陽平が思い出すように言う。


「まあ、兎にも角にも、乗り心地は改善されたし。

後はスピードだな」


「ファンタジー作家とかに設定考えてもらって、その通りに開発すれば、なんかすごいの出来そうだよな」

「よし。帰ったら田所さんに相談だな」


「おいおい、儂がいることを忘れんでくれよ。

というか、儂を連れ帰るのが主目的じゃろうて」


「あ、すみません、つい話が」

直哉が頭を下げる。


「まあええがの。

それに、馬車の速度を上げるという話、なかなか楽しそうじゃ」

モルデガルドは目を細めた。

「で、仮にその“車”とやらが出来たら、カルネアからラグナまで、どのくらいで着くんじゃ?」


「えーっと……」

直哉が記憶を辿る。

「確か、距離は200キロない感じだったよね?」

(『はい。

ラグナからカルネアまでは、186.8キロでした』)


「道が悪いこと考えても……5時間くらいだと思います」


「5時間?」

老人の目が見開かれる。

「4日かかっていた距離が、5時間ぞえ?」

「多分、そんなもんです」


モルデガルドは楽しそうに笑った。

「……ほほお。

(んし)らの国は、つくづく不思議じゃのう。

ますます行くのが楽しみになってきたわい」


* * *


「ただいまー。

田所さん、連れてきましたよ」


ラグナのJPギルド。

慣れた声で直哉が呼びかける。


「お帰りなさい」

奥から出てきた田所が、視線を隣に移す。

「……その方が?」


「モルデガルドじゃ」

老人は軽く頭を下げた。

「道中、この若者たちから、いろいろと話は聞いておる」


田所は一瞬だけ直哉を見る。

「……神谷さん、どこまで話しました?」


「ここだと、さすがに……」


「わかりました」

田所は小さく頷いた。

「帰ってきたばかりで申し訳ありませんが、会議室へ行きましょう」


* * *


会議室に移動し、扉が閉まる。

直哉は改めて、これまでの経緯と、モルデガルドの能力について説明した。


「なるほど……」

田所が資料を見ながら頷く。


「地球で保護することを条件に、能力の協力を……」

「はい」

直哉は少し不安になりながら聞いた。

「勝手に話を進めすぎちゃいましたか?」


「いえ、大丈夫だと思います」

田所は即答した。


「日本の身分証も、上と調整すれば発行は可能でしょう。

多少行動制限は入りますが、“研究者の保護”という形にすれば、現行制度でも対応できます」

「よかった」


直哉は続ける。

「細かい条件は詰めていませんが、新しい知識が得られて、かつ他人からの干渉が少ない場所なら、定期的に能力を使ってもいい、と言ってもらえました」

「それは素晴らしいですね」

田所は老人の方を見る。


「モルデガルドさん。

認識に相違はありませんか?」

「そうじゃの」

モルデガルドは腕を組んだ。


「まあ、2回目以降については、お前たちが提供できる環境次第じゃが……

道中の話を聞く限り、その価値はありそうじゃと思っとる」

「ありがとうございます」

田所は安心したような表情を見せる。


「では、神谷さん。

早速ですが、転移をお願いできますか」

「はい」


「転移後に、正式な能力使用と契約を結びましょう」

「うむ」


モルデガルドはにやりと笑った。

「ぐふふふ……楽しみじゃい」

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