77.斎王代殺人未遂事件
「いつ?」「今日の午後1時。」
「「「ええええええええええ!!」」」
========== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。
船越栄二・・・東山署副署長。チエを「お嬢」と呼んでいる。
茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。
小雪(嵐山小雪)・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。
白鳥純一郎・・・チエの許嫁。京都府警勤務の巡査。実は、大前田警視正の息子。母の旧姓を名乗っている。
弓矢哲夫・・・京都府警捜査四課刑事。警部。ひげ面で有名。
中町巡査・・・茂原の交代要員だったが、そのまま勤務している巡査。
楠田巡査・・・チエの相棒。
大前田警視正・・・京都府警本部長。白鳥の父。
船越紅葉・・・副署長の娘。巡査。結婚していたが、離婚して復職。
遊佐圭祐・・・チエの幼なじみ。大学同級生。CATV『きょうとのテレビ』課長。
熱田順子・・・劇団の劇団員。小雪の中学の時の同級生。
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午後1時。東山署。会議室。
芸者ネットワークのホットラインが鳴った。
副署長の船越が電話に出た。
「斎王さんが襲われるそうです。」と、副署長は署長とチエに伝えた。
「いつ?」「今日の午後1時。」
「「「ええええええええええ!!」」」
皆が驚いている所に、内線が鳴った。
京都府警からだ。
紅葉が取って、署長に回した。
「何やて?チエ。情報が後手に回った。烏丸二条で、去年の葵祭の斎王代の繭元姫子さんが襲われた。今、二条署で事情を聞いている。」
チエは、茂原、中町、楠田を引き連れ、跳びだした。
午後2時。二条署。小会議室。
署長の案内で、チエは、繭元と面会した。
「ああ、先輩。『あんたが斎王か』って聞かれて『へえ』って答えたら、カミソリで顔を切りつけられたんです。」と、ガーゼを抑えながら繭元はチエに向かって泣きながら訴えた。」
「ウチは絶対、許さん。犯人捕まえたるからな。人相風体覚えてる?」
「そり込み入れて、ヤンキーやな、て感じで。雷の模様入ったパーカー着てました。」
「チエちゃん、今、モンタージュ作ってるさかいな。管轄なんか気にせんでええ。はよ捕まえたって。」
「はい。」
チエは父親のこともあり、『暴れん坊小町』というあだ名が広まったこともあり、どこの署長とも親しい。
パトカーに戻ったチエは茂原達に、「カミソリ持ったヤンキーらしい。顔傷つけやがって。」と言った。
「お嬢、手配は済んでますから、どこかで捕まるかも知れませんな。」と茂原が言うと、「そや。」と、チエは、どこかに電話をした。
そして、楠田に「『きょうとのテレビ』に行って。遊佐君が待ってる。」と言った。
午後2時。河原町三条。ビジネスビル近代。『きょうとのテレビ』。
遊佐は、打ち合せ室を用意していた。
「去年の葵祭のV。チエちゃんが警備していた時。編集前。
外国人が襲おうとしている所を、チエが助けている。
その映像の1カットに、雷の模様が入ったパーカーを来た青年と外国人が映っている。
「単独犯行や無かったんか。お嬢が捕まえたから逃げたんや。」と、茂原が言った。
「このパーカー野郎が、今回のホンボシですね。」と中町が行った。
チエは、遊佐に府警にVTRを提出するように頼んで、ついでに偽情報を流させた。
そして、
午後3時。東山署。会議室。
「『斎王さん集合』っていう偽番組の情報を府内のホテル。ビジネスホテル・旅館にある優先チャンネルに流させます。流れるのは、午後5時です。」
「『夏の虫』は飛んで来てくれるかな?」と神代署長は笑った。
午後6時。ビジネスビル近代。『きょうとのテレビ』。
『斎王さん集合』という、偽の番組が始まった。
出演している斎王は、勿論偽物だ。
京都に戻って来た、チエの小学校の同級生熱田順子の劇団と、懇意にしている劇団の女優達だ。
ヤンキーの青年達が、雪崩込んで来た。
斎王の一人が、すっくと立って、横の斎王が紐を引っ張ると、その斎王は、衣装を瞬時に脱いだ。順子に協力させた、チエだった。
チエは、素手で彼らを倒した。
10人のヤンキー達が倒れるまで、僅か5分だった。
弓矢達が入ってきた。
「警視、やはり、外国人マフィアが反社と組んでました。こいつらは、反社の下っ端で、マフィアは『人身売買』する予定でした。」
午後7時。取り調べ室外。
反社・マフィアの方は弓矢に任せて、チエはヤンキー達を取り調べしていた。
表には出せないような嗚咽が流れていたが、治まった。
チエが出てくると、茂原と中町がオムツを持って入った。
「チエちゃんのプライドが許す訳ないわなあ。」と、たこ焼きをチエに差し出し、小雪と白鳥とチエはたこ焼きを頬張った。
「ビジネスホテルのVを見て、これは行ける、って思ったらしい。」と、白鳥が言った。
「斎王も花魁も変らんらしい、ガイジンには。」
午後9時。神代家。
「斎王も花魁も、高級コールガール扱いか。無茶苦茶やな。」
「斎王が何故かかと落としやブレーンバスター出来る、って言うから、必須科目やって言ってやった。」
「必須って・・・出来るのはチエだけやろ?」
「そうかな?」
「そうかな・・・絶句やな。」
―完―
※本物の「斎王」さんは、歌舞伎の『引き抜き』や、プロレス技は出来ません。




