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最前線  作者: TF


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アフターストーリー 16

忙しい日々を駆け回っていた、ある日、急にスピカが丸薬を数多く欲しがるようになったのよね~。

その時になってようやく気が付いたのよ、あの不味い丸薬を大量に欲しがるか?ってね…


あの姫ちゃんを育てたからこそ!直感が働いたのよね!この子もまた私達の理外の外じゃないの?ってね…

直ぐに家族会議を開いて紅茶と焼き菓子を用意してスピカと向き合ったのよね。


スピカからどうして、あの不味い丸薬が欲しいのか理由を聞くと、海を渡った先で多くの困窮した人たちを見つけたから彼らに何か食べ物を分け与えれないかってね…予想外過ぎる驚愕の理由をその時、初めて知ったのよね。


そもそも、当時の私は、普段のスピカが何をしているのか、ある程度は親として把握していた、でも、実のところはつもりでいたってことなのよね。

昼間は、ルーチェちゃん達と遊んでいるのだと思っていたのよ。

それにね、他の部署からも、スピカくんに色々と手伝ってもらっているって声を掛けてもらっていたから…

そうなのよ、道端と火でスピカが仕事を手伝って人達に会った時に、お礼を言われることが多かったから…

例えば

ストックさんのとこで手伝いもしていたり

騎士の部の人達が武器や道具のメンテナンスをしているのを手伝っていたり

研究塔の荷物運びを手伝っていたりと

スピカなりに皆の役に立とうと頑張っているのね偉いのねって、思い返しては嬉しさで込み上げてくる感情をハンカチで拭っていたのよ。

多くの目撃情報や、多くの方からの感謝の言葉によって、私が仕事に追われている間のスピカが何をしているのか、ある程度、把握できている、そんな風に思っていたのよ。


だから、スピカは、毎日を穏やかに安全に、皆の笑顔に囲まれてすくすくと健やかに日々を過ごしているのだと。

まさか、海を飛び越えていたなんて知らなかったのよ。


事実を本人の口からきいてから、スピカを普通の子供っというカテゴリーから外し、この子もまた姫ちゃんと同じカテゴリーに属しているのだと切り替えたわ。


目の前に居るのが小さな子供と考えず、姫ちゃんと同じように考え真剣に彼の話に耳を傾ける必要がある。

夜は出来る限り家族会議をするようにしたのよね。


会議を行いスピカが困っている内容を簡単にまとめると

色んな場所に移動していたら貧している人達が多くいて、話を聞いてみた。

その多くが、食べるものが無くて動けなくなっているのが原因っぽい。

そんな人達が動けるようにするには食べ物がいる、でも、自分ではどうしようもできないので、持っていた丸薬を渡したら喜んでくれた、これなら、あげても街の人達は困らないから何とかして分け与えたい。

って、ことなのよね。


野生の生き物を狩猟するのはどうなのかって疑問が湧いたけれど、たぶん、狩猟する力も無くなっている可能性があるのと…白き獣達に滅ぼされてしまったのだったら恐怖心で獣に近づけないってこともある。

何とか草木実っている果実で食いつなごうにも限界がある、野に自生している野草も知識が無ければ、毒を手に取ることもある。

それらを経験していないわけが無い、安住の地を求めて彷徨っている時点で今まで歩いてきた中で生きていけそうな環境が無かったのでしょうね。


救助に出向くとなると…絶対条件として海を渡らないといけないのよね?

海を渡った経験が皆無の私達が海を超えれるのかしら?無理ね。

そもそも、救助に出向くとなるとかなりの人数が居る。

その人数を連れて不慣れな海を渡り数多くの人を助ける、つまりは、移動する人達+困窮している人達に必要な食料。


ええ、どう考えても無理なのよ。


運ぶ方法がないのならスピカが運ぶっという方法も考えたわね、でもね、一人では大量の食事を運ぶことが出来ない、かといって、スピカのように空を飛んでいくなんて芸当、誰も出来ない。

スピカの動きに付いていける人がいないのよ。


困窮している人達を救うこと自体が…

現実的じゃなかったのよ。


それでも助けたいというスピカの意思を…母として私も出来る限り協力はしたい。

二人で考えた結果、なるべく多くの人に生きる力を宿してもらいたいっていうスピカの願いを叶えるとなるとね、私も同じ意見に辿り着いてしまうわけなのよね。


結果、栄養素的にも問題なく、保存も効く、持ち運びも簡単、そして、この街には迷惑はかからない、寧ろ、材料が余っている、破棄するのは勿体ないし、畑にはまだまだ成長途中の丸薬の材料がある。

だったらもうね、これを大量に作って木箱に詰め込んて運んだ方が効率は良いってことになっちゃうのよね。


勿論、スピカに現地で必要なものをメモしてもらって何往復してもらったわよ?

食べ物だけじゃ救える命に限りがあるもの


当然、困ったことなんてねお決まりになってくるスピカではどうしようもない状況…

怪我人や病人へとね、いきついてしまうわけよ。


怪我人や病人に関しては…今も想像すると腰が抜けちゃいそうだけど運んでもらったのよ私をね!

小さなスピカに抱き着く様にお姫様抱っこをして貰って、運んでもらったのよね…

まさか、空を飛ぶ日がくるなんて想像もしたことが無かったわね、夜の海ってね、真っ暗でとっても怖いのよ?

そうよ?なるべく深夜に!皆に心配かけないようにね、二人だけで頑張ったのよ。


怪我人に関しては回復の陣もあるし、聖女様の歌もあるから、問題無かったわね。

勿論、これに関してもこっそりとバレないように術を使ったわよ?

怪我人は良いのよ!問題は病人の方よ。

大変だったわね~事前にどんな症状があるのか聞いていたから薬と一緒に運んでもらったからある程度は対処できたけれど…土地が違えば病気も違う物なのね、知らない病気が多くて多くて

中々、治らない人は、最終的に症状をメモして血液とかを持って帰って病棟の全員と相談し研究し共に治療薬を作ったのよね。


事情を説明したら仕事が無くなって患者の数も減って、やる気がめきめきと目に見えて萎えていた病棟の皆が目を輝かせて取り組んでくれたのよね。今でもあの熱気を思い出せるわね。


その一連の流れがあったからこそ、この街には多種多様な人達がすんでいるのよね。

スピカの献身的な支えによって救われた多くの人達がこの街に移住するきっかけにもなったのよね。


助けた彼らが私達の街へと向かう道中に、希望を記した紙として私達のことを書いた紙を道中に残してくれたり、瓶の中に紙をいれて海に流したりと、私達の事を広めながらこの街へと向かってきてくれた影響もあってか、色んな大陸を飛び回っているときに初めて出会う人がスピカの事を知っていたりと驚かされたこともあるのよね。


スピカという救世主が世界中を飛び回っている、生きる場所を求め彷徨う多くの方に希望を与えてくれた


私達もまさか、そんな問題が起きているなんて知りもしなかった…

あの時の私達は、死の大地を完全に取り戻す為に奮闘し続けてきた。

長い年月をかけてあの死の大地を人の手から取り戻したことにより死の獣共から脅威に解放された、けれど、気候の変動による作物の生産量の低下による長い目で見る食料難に陥るという問題や、王都での問題…


そんな問題が少しずつ片付いて、少しくらいゆっくりと落ち着けそうねって気を抜いてスピカとゆっくりと穏やかな日々を過ごしたいわぁって願望を抱き始めた途端よ…

まさか、こんな日が来るなんて思ってもいなかったわね~。


普通は、流れ着いた民を助けるために王が私達に依頼っていうのが王道の流れじゃないのかしら?

お伽噺のような流れとはいかないモノなのね、まさか、スピカからこんな相談をされるとは想像もしたことなかったわね。

何処にでもあるような街、畑を耕し、子供達と遊び、子供達と学び、ゆっくりと穏やかな日々を過ごして成長していくであろう片田舎の少年…そんな人物が起こす物語じゃないわよ…


あの子はね、年齢の割に成長が早すぎるのよ体も心も…


姫ちゃんはこれすらも見越していたのかしら?

だとしたら、あの子を託そうとしたのも頷けるわね。

私で無ければ無理よ、相談されても困惑するだけってレベルの難題が多すぎるのよ。


「ふぅ、下準備はできたわね」


何度も何度も作ってきた丸薬

頭で考えなくても体が覚えているのか

こう言う作業をしている間は何時だって色んな事を考えてしまう。


これもまた、姫ちゃんと過ごした日々の成果ね、あの子が要求するモノに応えるには並大抵の努力じゃすまされなかったのよね…ほんっと「おかげで成長できました、肩こりが辛い日々ね」どれだけ鍛えられたことか…


肩を叩き、腰を叩き、苦笑しながらも作業を続けていく。







手を洗って作業で凝り固まった肩を叩き成果物の出来に満足する。

「取り合えず完成したわね」

念のために味見用に作っておいた一口サイズを口の中に放り込み後悔する

「美味しくないわねぇ…」

それもこれも、姫ちゃんのせいよ!あの子の頑張りのせいで食が豊かになりすぎてしまったのよ、舌が肥えるってこういう事なのね、もうこれを食べたいなんて微塵も思わないわね。


不味くてもね、栄養価だけはとても高い!拳大の丸薬を食べれば戦士だって三日三晩は…言い過ぎね、一日中、動き回っても問題ない!はずよ。


口直しとして冷蔵庫に常備保管されているコーヒーを取り出して口の中に流し込む

「この苦みが癖になるのかしら?」

未だにコーヒーの苦みと酸味の虜になれない私を、きっと先輩は呆れている頃ね。


彼が残した物は今も受け継がれている。

彼が生きた証なのか、彼という存在を忘れない為なのか、自分達を厳しく律するためなのか…

病棟にはコーヒーを淹れる魔道具や豆が常に用意されている。

当然、淹れたコーヒーを保管するための容器や冷蔵庫も完備している。



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