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最前線  作者: TF


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アフターストーリー 1

「お母さん助けて!!」

愛するスピカの声に目を覚まし、意識を覚醒させ、視界から入ってくる情報を頭にねじ込んで直ぐに状況を把握し行動する

「アンタはもう!いい加減子離れしろっての!!」

息子の叫び声とほぼ同時、瞬発的に!即座に!自由勝手に使われている体を自分の支配下へと奪い返すよう!

今も苦しそうに胸の中へと抱きしめられているスピカを体から気合で離すと、スピカが大きく息を吸い込み吐き出している、ついでに腕から脈を測ってみるが特に問題は無いと判断し、馬鹿のせいで乱れてしまっている上半身の服装を綺麗に整えていると

「はぁ、助かりました、いえ、助かったよ母さん」

溜息から始まる言葉に幾ばくかの申し訳ない気持ちが込み上げてくる。

解放されたことに安堵している心優しい最愛の息子であるスピカの表情が物語っていて、ついつい、呆れた感情と小さな怒りが込み上げてくる、それはもう、身内の不祥事っというやるせない感情として。

「いいのよ!ったく!あの馬鹿は!スピカを何時までも赤ん坊扱いして困ったもんよ!」

7歳になった息子に対して未だに乳を飲ませようとする子離れできないもう一人の私に向けて文句を言うと

「まぁまぁ、そう言わないで母さん、僕はお母様のそういうところも好きです、ただ」

心優しい息子はもう一人の私に対して非常に甘く、怒らないでっと、甘やかすような要らぬ気遣いをしてくるが、流石のスピカも、もういい加減、赤ちゃん扱いは勘弁し欲しいとやんわりと、願いを伝えようとしてくる。

この状況がもう何度目かも忘れてしまいそうになっている私の監督不行き届きっという後ろめたさが頬を叩いてくる。


その要求はごもっともよね!何度だって!しっかりと伝えてやるわよ!

「もうおっぱいを飲む年齢じゃないってのを、わかって欲しいってことよね?はぁ、っだそうよ?聞いてるのでしょ?」

内にいるもう一人の私に話しかけてみても…返事が返ってこない!!どころか!!気配を消してる!!あいつはもう!!反省する気ゼロね!!

どうしてやろうかと拳を握り締めていると

「何時ものようにって感じですね、返事は返ってこなさそうですね、おっと、こないか、僕としてはお母様の心情も理解しているから」

心優しいスピカはこんな状況に何度もなっていたとしても、優しく微笑んでくれる。

それがあいつを助長させているのよ!困ったものよね!


まぁ、でも、お母さんとしては、アイツが子離れしなくても何時だって困った顔で受け止めてくれている、心優しく育ってくれたっていうのがね、お母さんはそれだけでも嬉しいのだけど…ちょっと、ね、それを外でもしてるってのが心配なのよね、そう、だれかれ構わず愛嬌を振りまきすぎな気がするのよねぇ~、ユキさん以上にね。


…ユキさんは奥手というか自分から突っ込んでいかないから、周りもそれを見てユキさんに猛アピールしない!といった歯止めがきいていたりしたのよ。

そんな奥手な彼女を困らせないように皆が気を付けてくれていたけれど、スピカの場合は自ら突っ込んでいき愛嬌を振りまいているのよね。


女生とのトラブルが起きそうな予感しかしないのよ。


母としてここは厳しく言うべきよね。

「ダメよ!そういうのはきちんとしないと!スピカも!あの馬鹿を甘やかさないでしっかりと拒否しなさい!貴方がもっと大きくなって!この街を取りまとめる存在になったとしても!貴方が誰かを好きになって伴侶を迎えたとしても!こいつは同じように抱き着いて!おっぱいを飲ませようとするわよ!!」

自分で言っておきながら情けないのよね、私が止めろよってことだけど!こいつの頑固さは筋金入りなのよ!何度衝突したことか!

「ははは、いやー、ないない、お母様もそこまで、僕がもっと大きくなったらそんなことしないよ」

困った顔で笑ってるけどね!あるのよ!こいつは!!

「そんなことあるわよ!まったく、知らないわよ?今のうちに子離れさせておかないと、あの馬鹿は私の言うことなんてね、ひとっつも!!聞かないのよ?」

何度目かも覚えていない忠告を自分で言っていて更に情けなく感じてしまうと

「そんなことないよ、お母様は母さんの事をしっかりと尊重してる」

何時もの流れに慣れているのか優しく笑いながら服を着替えようと上着を脱ぎ始めるので、タンスから着替えを取り出して渡すと

「ありがとう」

綺麗な笑顔でしっかりとお礼が言える素直な人に育ってくれた事には胸を張ってものいいかしら?

これを、外でもだれかれ構わずしてるってのが、っぐ、良い事なのよ?とても素晴らしい事なのだけれど、一部でちょっと何時問題が起きてもおかしくない団体が産まれてるのよ…スピカの貞操が不安になるほどに

心の中で溜息を吐き捨て

「今日は何処に行くのかしら?救世主様は?」

ついついご自慢の息子を自慢する様にたいそうな名前で呼んでしまう。

たいそうな名前で呼んだとしても笑顔で受け止めてくれる。

「今日は…何処に向かおうかな?あっちの方角はいったし…ん~、取り合えず南下して赤道直下って言われてる場所に行ってみようかな?」

着替えながら聞かされる予定に何時も通り困惑してしまう。


赤道直下?…スピカは私の知らない言葉をいっぱい知っている

最初は何処でそんな知識を得たのかと…思ったりもしたけれど


スピカを訪ねて他の大陸から来た人達、その人達と交流している時に教えてもらったのでしょう。

この子は姫ちゃんと一緒で好奇心が豊かなのよね。アレも知りたいこれも知りたいって色んな人に色んな質問をしているのよ。


「そう、気を付けていくのよ、ご飯は食べていくの?」

「もちろんだよ!母さん!先に下りてるよ」

着替えをその辺に脱ぎ捨て着替え終わるとご飯が待ちきれないのか部屋を出ていくと、軽快なリズムで階段を下りていく音が聞こえてくる。


脱ぎ散らかしたパジャマを手に取り廊下に置いてある洗濯籠に放り込む

ついでに、床に落ちている靴下とか、タオルとかも拾い上げて洗濯籠に放り込む

この動作についつい、昔の事を思い出してしまい笑みが零れてしまう。

「…姫ちゃんといい、うちの子らは片づけが苦手なのかしら?たまに見ると散らかり放題なのよね」

『貴女こそ甘やかしてるからじゃないの?前みたいに一緒の部屋で過ごせばいいのに』

もう一人の私から棘のある言葉をいただき、直ぐに反論しようとしたが気配が消えてしまう

「言い逃げは卑怯じゃない?あの子だってそろそろ独り立ちしていく年齢なのにって…もう、貴女こそ甘やかしすぎなのよ」

ったく、こまったやつねっと小さく愚痴をこぼしながらあの馬鹿のせいで乱れてしまったシーツを整え、床に落ちてる枕を拾い上げベッドに放り投げる、これで大体は片付いたかしら?

確認の為にベッド周りを見て、変なところに挟まっていたり、ベッドの下に落ちている靴下などを見つけては片づけていく


ついでに、掃除機をかけて部屋を綺麗にしてから洗濯籠を抱えながら階段を下りると


勢いよくご飯を食べているスピカの笑顔があり、豪快に食べ続けるスピカの前に料理を次々と並べている可愛らしい女の子と目が合う。

何時も家事炊事を手伝ってくれているお隣さんに感謝の気持ちを伝える。

「今日もありがとうねルーチェちゃん」

「いえ!街の統括者の手伝いが出来るのなら喜んで!っていうのが建前で、私も料理を覚えたいの」

お隣さんのドルチェちゃんがまだまだ小さいのに色々と手伝いをしてくれる。

感謝の念が絶えないのよね~お母さんと違って礼儀正しいし。

彼女は、お母さんと違ってお淑やかで何処か…そうね、雰囲気は何方かと言えばお婆様に似ているわね、旦那さんにも…似ているのかしら?彼とはそこまで親しくなかったから私生活とかよく知らないのよね。


料理を作って運んでくれている小さな女の子はドルチェちゃん。

皆からはドルチェだと呼びにくいからルーとか、ルーチェっと呼ばれていることが多い。

私も彼女の事をルーチェと呼んでいたり、場によってはドルチェさんと呼んでいたりする。


ご機嫌に料理を作っている可愛らしい給仕が新しい料理を運ぶと空っぽになっている器を見て

「おかわりいる?」

指を刺すとパスタを口いっぱいに放り込み頬を膨らませているスピカが噛みながら考え込み飲み込んでから

「ん?…ダイジョウブ」

遠慮してなのか小さな声で虚勢を張っている、本当はお代りが欲しいのに断っちゃって。

まったく、遠慮しないでたくさん食べればいいのに。

「遠慮しないの!スピカがいるからこそ!この街は平和なの!貴方がいるからこそ多くの人が救われたの!いっぱい食べて!」

そして、何時もの流れになるのよね~ルーチェちゃんとしてもいっぱい食べてくれる方が嬉しいのよね。

少しだけお姉さんのルーチェちゃんの押しの強さにスピカはいつも負けてしまうのよね、遠慮なんてしないで素直になればいいのに。

っま、スピカの気持ちもわかるわよ?この街にやってくる多くの人が飢えに飢えててよく食べるから、街の備蓄に影響が出ているってのを知ってるのよね。

「ん…んー…」

スピカったら、困った顔で此方を見てくる、助けを求めているのか意見を求めているのか。

こういう時のスピカは何処かお父さん…シヨウさんに似ているのよね、私に詰め寄られているとき、あの時の彼みたいに困った顔をしている

仕方ないわね、助け舟を出してあげましょう。


「お腹が空いているのなら食べたら良いじゃないの、スピカとしては今日の予定を考えると食べ過ぎると辛いっとか、そういうのに影響が出てしまうから食べる量を減らしたいっていう理由があるのなら、しっかりと伝えないと用意してくれた相手に失礼よ?私達の間に遠慮なんてしなくてもいいのよ?それにね、貴方一人が食事量を減らしたところで何も変わらないからね?この街で口減らしなんて私が絶対にさせないから安心しなさい」

お父さんの血筋なのからね、ユキさんも口下手だったわね、そんなスピカに助け舟を出すと、スープの器をそっとルーチェちゃんに渡すと


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