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最前線  作者: TF


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Fine 音は終わりを告げる 15

『それで正解だよ僕の姫様』

彼の声が聞こえてくると同時に腰から下の感覚が戻ってくる。

労いの言葉をかけてあげたいけれども今は先の事が気になる!


どうだった!?

『君の恩師の願い、僅かだけれど汲み上げてきたよ』

やっぱり!先生は鎖と共に有る!!


『戦況が戦況、手早く簡潔に言うよ』

鎖は君を封じるために鎖という策を講じたわけじゃない。

敵に君は脅威ではあるが動きを封じてしまえば怖くないと策を与えた。


その真の目的は、彼は鎖の特性を生かして君を守る為だった。


いや、正確には僕だ、僕という存在が何処にあるのか、彼は知るために夜の策を講じ、僕が何処にいるのか突き止めた。

そして、僕が君の中にいるのだと確信したからこそ、鎖という名のルの力『繋ぎ止めたい聖女の願い』を使って僕が君の体から離れて行かないようにしてくれている。

彼は僕たちの内情を全て把握している、恐らくだけど、彼ってさ悪魔信仰を続けていたんじゃないかな?

生前の内に彼と繋がり彼から知恵を分け与えてもらっていた、愛する人の魂と再度出会うとかそういう甘言に乗ったんじゃない?

深くは僕も知らないけれど、彼の入れ知恵で僕ともう一人の僕の魂が妹の体へとねじ込まれた。

でも、それは来る最悪の決戦に向けての計略だった、待ち構えている非業の未来に向けての策だと教えてくれたよ。


一歩間違えれば人類は滅ぶかもしれないけれど、彼は僕達を希望として選び選定してくれた。


彼が僕たちが君と出会うかもしれないという希望を密かに抱きずっと…暗闇の中、獣の向こう側にいるやつに自身の計略を悟られないようにしてくれたんだ。


『僕が彼から託されたのはこれが限界、君と彼を引き合わせれたら良かったんだけど、それは叶いそうもなかった』

ううん!それだけ分かれば十分!!

鎖を断ち切らなかったのが正解だってわかった!!

先生が…私達を見捨てないで耐えてくれているのも解った。

それだけで、それだけで十分



希望になる!!



なら、後は、私が…どうにかして敵の魔道具を壊すかだけ!!!

『希望は見えたかい?僕に何かできることはある?』

このまま敵からの攻撃に備えていて欲しいのと、体の制御お願い!

私はこの鎖の隙間から敵に狙いを定めて何時でも魔道具を壊せれるようにする!

『魔力は…聞くだけ無意味だってね。僕の姫様の覚悟、わかってるよ』

うん…ごめんね。私の未来は

『僕達だって君と同じ、死んでしまった存在、共に…ずっと傍にいる』

ありがとう…妖精の旦那様は優しいね、にへへ。

先生の想い、願いも受け取りました。

先生は…私に教鞭をふるってくれている時から、この様な未来が来るのを予見していたのですね。

自身の手を私に教え伝えたのも、自分が卑怯な手を容赦なく使うっというのを叩きこむ為に。


意識を術式へと向ける。

鎖があるから打てない?目標を補足できない?そんなの…私と旦那様が力を合わせたら出来る!

鎖そのものが罠でないとわかったのなら!やりようはあるってね!

鎖に触れ思考を流し込むと鎖がうねるように動いてくれる

「いちち」

その動きが私を苦しめるものだと苦痛の声を出してそう見えるように演技する。

これによって、鎖が私に強く巻き付こうとしているのだと敵には見えるだろう

味方も不安を感じるかもしれないけれど、私を知ってる人たちだったら私がその程度の痛みなら問題なく耐えるってのを、知っている!此方を気にすることは無い!はず!


鎖がうねるように動いてくれたおかげで!

私の体の位置がずれ、敵を視界に収めることが出来た!!!


後は、敵に向けてどの術式を打ち込むのかってこと!

ほーりーばーすとが一番確実なのは確かだよね、この距離なら感づかれるまもなく光の速さで魔道具を壊すことが出来る!


でも、敵が想定していない虚を突く一撃は、一度しか使えれない

避けられたり、何かしらのアクシデントで届かなかったら詰む


現状だと、うん、虚を突くのはいけそうだとおもうけど、問題がある、隙間が無い

戦士長と死者、それに近衛騎士達が戦い続けているから隙間なんてない!んだけどぉ…ないこともないんだけどぉ、その隙間が僅か!ほんっと一瞬すぎる!彼らの動きを把握し予測演算すれば当てれないことも無い!


遠い場所から針の糸を通すように撃たないといけない


その為に何が必要なのか、時をも止めるかの如く時を超越した演算処理が必要。

『使うしかない』

うん、その後にどれ程の影響が出るのか予測なんて出来ない、未来なんてわからない。

アレを使ったら最後、どんな反動が来るのか…


一番可能性が高いのが…私の心臓が止まるかもしれないってこと。


それに関しては近くに団長が居るから即座に処方してくれると信じてる。

そう、心臓を強引に動かす危険な薬物は持ってきてる。

ただ…それを用いたとしても心臓が何処まで動いてくれるのか、過去の私の経験だけでみるなら持って半日ってところじゃないかな?


うん、半日でもいいから動けば何とかなる、よね?

だったら、ここ、ここだよね!

ここが使いどころ…ここが…私の命を使う場所


後は…ボスの前に到着する直前にでも薬を投与して貰えば

切り札は使える…


私の命は…ここで幕を下ろす。

後は、うん…愛する旦那と団長が私を最後の場所まで連れて行ってくれる。

死霊使い?ふん、あんなやつ、魔道具さえ無かったら信頼する彼らなら、あんな雑魚、直ぐにでもやっつけてくれる。


使おう…



思考超加速!!!

【ダメだよ】

瞳を閉じて思考超加速の術式を発動させようとした瞬間

聞き覚えの無い声なのに、どうしてか私は彼女の音を知っていた

彼女の音に誘われる様に瞳から涙があふれ、頬を伝っていく。


【お願い光の精霊様、私を守り続けてくれた光の精霊様、最後のお願いを聞いて欲しい】

頭の中に響き渡るその声は慈愛に満ち溢れ誰もが安堵し心を委ねたくなるほどに


清らかだった


【ありがとう、太陽の騎士、私の騎士様、彼から託された奇跡、ずっと、守ってくれてありがとう】

心の奥底が震えこの声に祈りを捧げてしまう、自然と頭を垂れてしまう。

【癒しの聖女が願います、光の精霊様、太陽の騎士から託されたその願いをもって不浄を焼き払ってください】

神々しく光り輝く幻に…彼女に縋ろうと手を伸ばしてしまいたくなってしまう。

腕を伸ばそうと、奇跡に触れようと力を込めると鎖が緩み手を前へと伸ばすことができ


鎖から解き放たれた瞬間、開けた視界に映し出される直視する子が出来ないほどの眩い光が世界を包み込み、眩く輝く光が…


一筋の輝きが天へと伸びていくのが見えた。

それはほんの一瞬、瞬きほどの刹那、細い細い、光が大地から天へと向かって駆け抜けていった

見覚えのある輝く…


【ありがとう光の精霊様、永きにわたりこの大地に埋め込まれた力に翻弄され続けてきた悲しき運命を背負われた私達を見守り支えてくださり、心から感謝の言葉を捧げます】

天へと駆け抜けていった光は…

私が最も得意とした術式


ほーりーばーすとの光だった


光が天へと駆け抜けて消えると、私の中にあった何かが消えていくのを感じる。

中にあった、ううん、違う、ずっと、ずっと傍にあった、感覚が消えた…もう感じることが無い。


【光の精霊様は光の王、太陽の騎士へと帰って行っただけ。いずれまた何処かでお会いすることでしょう。の精霊様が手を貸してくれなくてもここからは】


【私達が繋ぐ、希望を!!】


大勢の声が頭の中に響き渡ると鎖が消え体が自由となり

「あ、れ?」

起きてからずっと感じる事の無かった内から湧き上がる感覚

体内を巡り続ける感覚


魔力が体の内側から溢れ出てくる感覚!!でもこれって、ありえるの?だってこの、かんかく、お母さん?お母さんの魔力?お母さんの心を感じる。でも、お母さんはここにいないのに?そもそも、お母さんは聖女としての運命を背負わされていない。


ああ、そっか…そんな事も出来るんだ。叔母様。

それが叔母様の聖女としてのお力なのですね。


椅子から立ち上がり

「死ね!!!」


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