Fine 音は終わりを告げる 14
敵が増えてきている、なら、溢れかえるよりも前に敵の魔道具を壊すべき、何だけど!敵の魔道具の周りには強固な守りが居てる、生半可な術式だと彼が盾となって威力を減らされ魔道具を壊せれないっていう最悪の結果になりかねない。
ああいう魔道具ってさ、敵から得た魔道具を何度も解体して研究してるからわかってる。
耐久力が私達が作る魔道具とは段違い!鉄よりも確実に硬度を持っている!
それを易々と貫き壊すほどの出力ってなると…選択肢は一つしかない。
今の私に使えるかどうかはわからないけれど、ほーりーばーすとを使う、しかない。
仮に限界出力でほーりーばーすとを打てたとすると、限界出力で打てば私の腕も蒸発する、でも、腕を魔力へと昇華すれば無駄にはならないから、その辺りは気にしない!切り札の一つが使えなくなる恐れもあるけれど、■■■くんならきっと使いこなしてくれる。
腕を犠牲にすれば戦士長もろともぶち抜くって力業!これが最も可能性が高い気がする!
でも、それをするには大前提をどうにかしないといけない。
まずは鎖をどうにかしないと狙いを定めれない。
鎖に縛られている状況じゃ外す可能性の方がたかい!
無駄打ち何て出来るほど余裕があるわけじゃない!二度もチャンス何てあるわけがない!
一発勝負!失敗は絶対に許されない!
つっても、私の…残り僅かな臓器を魔力へと昇華したとしても最大出力まで足りるかどうかわからないんだよね。
わからないけれども、現状では、それ以外の策が無い。
決断を下すしかないの?
鎖を切るっと言う決断を…
私という駒を犠牲にして最後の戦いを託すっという決断を…
本当に鎖を切ってしまってもいいのだろうか?
そもそも、これが、本当に私の動きを封じるためだけの鎖なのだろうか?
これを読み間違えただけで終わる。
意志が伝わってきたのは、何か意味が有るのではないのだろうか?
安易に鎖を切ってはいけないという意味が有るのではなかろうか?
この辺りがずっと引っかかってる!何もヒントがない!踏ん切りがつかない!!
用意されているであろう答えに辿り着けない!!
どうして私を鎖で封じたのか先生の意図を探る!何度でも!見落としが無いように!
…もどかしい、無限の魔力さえあれば思考超加速で澱みなんて全部掬い上げて完膚なきまでに計算し尽くすのに!今はそれが出来ない。今もこうやって悩んでる間に戦局が変化していく!!
私の事を良く知っている先生なら…
甘い私なら鎖の中に同胞の…私を助けてくれた歴代の聖女の一人であるその魂が鎖に内包されているとわかったら?私はどう動くと先生は読む?
直ぐに鎖を切ったりはしない、先生だったらそう推察してくる
っていうか、なんで封じてるの?そもそも封じてるにしては手ぬるい、この鎖だったら指先どころか苦悶の表情で痛み付けれるくらいもっと強く締め付けることができるんだけど?
どうしてそれをしないのだろうか?
前提が違ってる?私を封じたいっというよりも留まらせたい?要らぬことをさせない為?
前提が私を封じるのではなく鎖で絞殺すっていう敵意満載じゃなかった、その時点で手ぬるい。
先生なら殲滅するだけで考えるなら即座に重要な人物をどのような手段を用いても殺すよ?
鎖が持つ力だけで私の喉元を締め付けて殺す事だって安易にできる!
私はこの鎖の強さを知っているから、断言できる。
どうして、それをしないのだろうか?締め付けてて多少は苦しいけれど、指先とか動かせれる箇所はある。手ぬるい縛り…私の動きを封じているだけ?…どうして?
絶対に何かしらの理由がある、相手が魔力が足りないとかそんな生温い理由なわけがない。
だったら危険だけど…探る必要がある、私には、魂の同調っという術がある。
ここで私の意識が飛ぶのは避けたい、でも、これを頼むと言うことは愛する旦那様を危険に晒してしまう!
葛藤していると
『僕の出番ってことだね』
状況を理解している愛する旦那が前に出てこないわけがない、私はズルい女だよね。
かなり危険だけど、お願いしたい。鎖と意識を繋げれる?
『やってみる』
危険だからと言って!全て任せるわけにもいかないよね!意識を二つ持って行けば何かあれば助け合える!意識が飛ばない程度に私も魂の同調を
『それは、やめた方が良い、敵の攻撃は今も続いている。今、この瞬間も継続して僕の魂へと干渉しようとしている、防げているのも君の中にあった術式を使わせてもらっているからだよ。破邪のルの力を応用してね、それのおかげで何とか防いでいるけれど、本家本元の出力が出せていないからなのかな、防ぐので精一杯なんだ。この術式を維持し続けないと僕の魂が引き抜かれてしまう、だからね、ある程度でいいから、維持して欲しい。君なら出来るよね?僕の愛する人だもの』
術式を維持するための術者が必要ってことだね、OK任せて!
絶対に無理しないでね?何かあれば直ぐに
『うん、こっちも任せて!それじゃ行ってくるよ』
彼の言葉が遠のいた瞬間、彼から引き継いだ術式を維持する様に展開するのと同時に今まで感じていた体の感覚が消える…
腰から下の感覚が一気に無くなっちゃった…
そっか、感覚までもが彼らに繋げてもらっていたんだ。
幸いなのか、今は鎖に絡められているから腹筋などで体を支える必要もない
癪な話だけど、今は鎖にもたれ掛からせてもらおう
出来る事なら、妖精の目を使って周囲を観察したかったけれど
今はルの術式を維持するしかない。
幸いにして、今使ってるのは純正なルの力じゃない、ルの力をベースとして今代の私が独自に開発した破邪の術式
内容として単純
分類分けするなら、レジスト系統の術式
特定の術式に対して魔力の波長を重ね相手の魔力の波に対してピンをうち、敵から送られてくる魔力の波長に割り込む様に此方の術式を浸透させ、術式の波長を乱して正常な作用をさせない、ジャマー的な術式
魔術は規則正しい方程式がある、魔術独特の秩序や流れを阻害することが出来れば、完全に打ち消す事も出来るし、勿論、発動させないこともできる。
ただ、今回のは常に垂れながらされていて圧倒的な質量が故に敵の魔道具まで此方の術式を浸透させることは出来ない。大河の流れに逆らう様に水鉄砲を撃ったところで一瞬で飲み込まれて流されるのと一緒。
そもそも、完全に解析と分析が出来ていないから波長を合わせるのも難しい、出来るのはある程度の邪魔をするだけ
つまるところ
敵の魔道具の効果が私に向かってくるのを少しだけ邪魔してるって程度
本家本元の破邪の力だったら完全に守り切ることもできるのだろうけれど
今の私じゃ、これが精いっぱい。
維持するのが精いっぱいだけだけど…
思考力には僅かだけど余裕がある、余裕があるのなら、攻勢に出る!
愛する旦那に託された術式を維持しながら
敵が私の内へと向けている魔力の波長を分析解析を開始する
何も魔道具を物理的に破壊するだけっていう選択肢、それしかないってのがそもそも間違い!
完全に解析分析しちゃえば、敵の魔道具の効果を弱めることだって出来る!
そうすれば、死者の数も減るし、動きも鈍る!
あの戦士長であれば!魂だけの存在だろうとしても!敵の魔道具から抗い抜け出すことだってできるかもしれない!
そうじゃん!いけないいけない!
思考能力が戦士みたいになってた!
私は私じゃん!私は誰?そう!私は術者!
誰よりも術式を愛し!
誰よりも術式を理解し!
誰よりも…誰よりも、目的の為に何年も費やしてきた!!
人は私を天才と評価する
でも
世間の評価と本質は違う!
私の本質は天才なんて呼ばれるような人じゃない。
人生を何度も何度も術式に捧げ繰り返しただけ
他のひとよりも長く研究することが出来ただけ!!
研究時間が人よりも多くあっただけの凡人!
凡人である私が何代も重ねて得た知識をここで活かさないでどうするんだってぇの!!!
飛ばされてくる魔力の波長を掌握するために解析する!
確実性を出すのであれば測定する魔道具が欲しい所だけど
既に愛する旦那様がある程度、分析してくれているから、そこを足掛かりにして…
破邪の術式を通して敵の魔力に此方の魔力をぶつけて魔力の波長を乱しつつ!!
魔道具の波長を捕らえて…とら…えて…捉える!
意識を深く深く、研究している時のような感覚で魔力を操作し自身に向かってくる魔力の波長を捕らえ、どの様な術式が用いられているのか波長を捕らえては分解し解析を試みる。
術式の系統は…見覚えがある。死の大地で見つかる魔道具の系統かな?
あいつ等が使う独自の魔術理論…うん、何となくだけど、わかってきた。
何年も何年も…敵の魔道具を分析解体し続けてきたノウハウが活きてる!!!
後は…より深く、よりふかく、より、ふかく…術式を暴く…
魔力の波長を乱しつつ此方から介入していく。
感覚で言えば、同調、そう、誰かの魔力を重ねるあの感覚
過去に…魔道具へと同調し、魔道具に込められた意志を掴み取ったあの感覚…
無限の魔力と繋がっていなくても、これくらいなら…何とかなりそう!!
魔力波を飛ばし、相手から伝わってくる魔力の波へと意識を重ねていく
不思議と、怖いという感情が湧いてこない
不思議と、何かに守られてるような感覚がする
どうしてだろうか?
熱さも冷たさも感じない鎖が…暖かく感じる…
まるで…わたしを…まもってくれている?…




