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最前線  作者: TF


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5/843

医療チームの団長として

加筆修正完了!


誤字脱字の見逃しあれば教えてくださいませ~><;


後、後書きにネタバレなどが含まれてる設定資料とかも残していこうかと思っていますので

初見さんは見ないようにしてくれますと嬉しいです!




心地良い風と外から響き渡る新兵達が自己の鍛錬を行う掛け声に目が覚めていく。


寝起きで頭が冴え渡っていないのを感じる、寝ぼけている脳みそを覚醒させる為に、冷蔵庫から冷えた水が入ったコップを取り出し、キンキンに冷えた水の中に、カフェインを濃縮した液体をいれ、マドラーでかき混ぜ溶かしこむ


満遍なく混ざった頃合いで一気に胃の中へと放り込む。

キンキンに冷えた液体が胃の中にダイブするように流し込まれダイレクトな冷たさに眠っていた体を刺激してくれる。その強烈な冷たさ、その刺激によって体が目を覚ます。


そう!冷たい水が胃に入ることで!胃に血が集結し、胃の中の内容物を加速的に吸収させ、カフェインを急速に吸収し!全身を駆け巡って!カフェインで脳みそをぶん殴る!!


結果!私の体と脳が目覚める!!カッ!!と目をかっぴらく!!

医療の父から教わった、どうしても疲れで眠たくて起きれない時にしろっと教わった方法で目を覚まさせる。

理由は単純、疲労がまだ体に残っているのだろう。


皆様は、こんな目覚める方法は~長生きしたいのなら!おススメはできないかなぁ…

まぁ、長生きするつもりでも、長生きできるとも思ってはいないので私は一向にかまわない!


ふぅぅっと軽く深呼吸し、カフェインの影響でバクバクと心臓の音が激しく脈打っている、その鼓動の強さは脳まで届きそうなほど…自分でやっておきながら荒れて暴れるような心臓を深呼吸を繰り返し落ち着かせていく。


暴れる心臓も完全に落ち着きを取り戻した、強引に目を覚まさせたとき特有の自律神経の乱れも落ち着いてきている。ふわふわとした感覚もなく、脈も平常ラインに落ち着いたので、今日の予定を確認する。


本日の予定としては、表向きは休暇だ、休暇なのだが…

やる事が多すぎる、だから、もっと寝ていたいけれど頑張っておきました。


数日前の学生やらかし事件に、ベテランさんの大腿部粉砕骨折においての術後のケア、その後に運び込まれた左頭蓋骨損傷、及び、左眼球破損の再生術式などなど…医療班の団長としてやらないといけないお仕事がいっぱい。

休暇って何?っという言葉を飲み込む、私以上に休暇が無い人がいるのを身近で知っているから。


その一人として姫様が…あ!ぁーそういえば姫様から、お手紙もらってたなぁ・・・・やだなぁ・・・絶対に良い知らせじゃない予感がするんだよなぁ・・・こういう良くない出来事って続くイメージ。


え~っと、覚えている限りだと、姫様のスケジュールは~、まだ、他の国に出向いていて、近年この街で生まれた新技術を売り込みに出かけているはず?

忙しそうに毎日方々へと営業に出ているのに、一体全体、何用の手紙なのだろうか?

予想通りなら、お急ぎの内容だと思う、っというか、そうじゃなかったら手紙なんて出すはずないしなぁ。


手紙を開封し中身を空けると、手紙ではなく術式が込められた紙が一枚入っているだけだった、この時点で9割は予想通りだと直感が告げている今日の休みは、無くなったのだと。


嫌な予感がぷんぷんする…

恋文や、他愛もないやり取りであれば、この術式を刻んだ姫様お手製の術譜を送らない!!

長文を圧縮出来て尚且つ脳に映像付きでダイレクトに伝える為の術式が込められた紙。


起動したくない、起動したくない起動したくない起動したくないきどうしたくないいいいいいい!!!

これ以上仕事が増える事へ躊躇ってしまうが、ここで逃げてしまうと、この手紙の中身を知らないことに対してどれだけの嫌がらせをしてくるのか!想像したくない!


「どっせい!」気合を込める為に普段使わない雑な言葉を叫びながら術譜を発動させる起動術式を頭突きの様に当て起動する。


脳にダイレクトに流れ込んでくる様々な情報…

その情報をさらっとまとめると、世界各国で観測された異変の数々、それらを迅速に、幹部達を集めて会議開き議題に出し話し合うように、とのこと。


頭の中がまだ混乱しているのか、情報を整理しきれていないのか、内容を咀嚼し続けてしまう。

って、思っていた内容と違って拍子抜けではあるが、これはこれで一大事だよね!?


休暇が完全に潰れ、会議を開くために幹部達が何処にいるのか彼らのスケジュールを思い出す。


…緊急会議かぁ、学生のやらかしなんてどうでも良いレベルの内容、そんな会議を姫様抜きでするの?

まぁ緊急とはいえだね、まずは人命優先がここでのルールだからね。

この術式が施された紙を各部隊のトップに回してもらうのは当然として、私としては、ある程度先に、医療班に今後の怪我人や病人が溢れてしまう可能性があるから、それらに向けて対策を練っていてもらうようにと、うん、手配しておこう。


ぁぁやだやだ、私が医療班の団長だからっといってさ、医療チームの長にこんな面倒な事を真っ先に知らせるのやめて欲しい、私は誰かを導き引っ張っていくカリスマなんて持ち合わせていないのに

姫様は、こんなやさぐれた団長に何を求めているのか、考えたくもないよ、ぁぁやだやだ。


とりあえず、医療班の手配は直ぐに終わるとして、前で戦ってる人たちに警戒してもらうのを伝えるとなると、誰が一番、アクションが速いかな?

人命第一で考えると…うん、ティーチャーよりも、アクションの早いベテランさんを捕まえるのがベストかな?

その道中に他の部隊に所属する人が居たら、この手紙を渡してって感じかなー

私服から隊服に着替えて、ベテランさんが居る可能性が高い研究塔か、新人教育の為に模擬戦をする為の、、、ん?いや待て、ベテランさんも休暇だよね?

まさか、あんな大怪我しといて、行ってないよね?・・・いや、まさか、いやでも、ありえるよね?

まさかねーっと思いながら休暇だというのに隊服を着て外に出る…




「?おじーなら今日は見てないよ?」「ベテランさんですか?お見掛けしておりませんが?」「・・・」

無言で乙女部隊に囲まれていても動じることなく隣町に行くバスの方を指を刺して教えてくれる。


・・・わぁ、さすが、ベテランさんだなぁ、あれほどの大怪我した後だというのに、どうしてそこまで?

可能性としては、生存本能からくる興奮作用かなぁ?


ほら、雄って怪我したり、病気して死の危険を感じたりすると本能的に子孫を残そうとするって言うからそれかなぁ?

もしくは、現場に戻る際にアドレナリン分泌促進剤でも飲んでたのかもしれないなぁ・・・


いや、そんなもの全て関係なく彼ならナチュラルに向かってそうだなぁ…

向こうで問題なく元気にはっそぉしてるのであれば、ケアの必要性は無いだろう、帰ってきて見掛けた時にでも、その後はどういった感じだったのか怪我した後のデータとしてご意見でもいただくとしましょうか。


彼を探している道中で無言モテ男が乙女部隊に囲まれて忙しそうにしていたけれど、お構いなしに姫様からの熱烈な映像付きのラブレターも渡した(無言で押し付けた)

ベテランさんは外にいるみたいだし、次行くべき場所は医療班の方かな?

「あ!団長!あれ?今日って非番、ですよね?」

非番なのに隊服を着ていることにやや困惑した我が医療班の者が声をかけてくる

「非番なのは間違っていないよ、非番でもね、仕事はあるのさ、そんな可哀そうな私に、何か用?」

彼の疑問も、最もである、ここでのルールとして、休みの時は全力で休め!が基本、どこの部隊の隊長でも休むときはしっかりと休む!

下手に疲れや心労を残してしまうと命に関わる。


なので、休みの時に仕事の話を基本的にしないのがここのルールでもある。


しかし、医療班はそうもいかない事が多いのも実状!

急患は何時だっているものだから!なのもあるのだけど、医療班も常に人手は足りていない。

特にある分野において出来る人が少ないのもあるし、技術の継承も常に行っているのだけれども、医療班だって絶対に安全ではない。

前回の様な突発的な事件といいますか、出来事と言いますか、そういうので危険に晒されることなんて少なくない、安心安全な場所で戦士を癒しているわけではない。


そもそも、セーフティエリアに引き籠るだけが医療班の仕事ではない、作戦によっては、兵士達と一緒に、前線で行動しその場で医療を行うこともある。


不衛生な現場で出来ることは主に応急手当ばかりとなってしまうが、後退できないような場所であれば、そうならざるを得ない、応急手当のみしか出来ないのも必然となるわけなんだけど、人型や毒持ち等と対峙するとき、こればかりは傍に医療班がいた方がいい時の方がいい、私は必須だと思ってる。


解毒なんて、どの毒なのか特定して適切な処置をしないと肝臓が真っ先に死ぬ、肝臓の培養は時間がかかるし、肝臓の交換は地味に難しいから、対処できる人が限られている。

そうなる前に、適切な解毒を施すのが後に響かない。毒を持つ敵も意外と多いからほんっと厄介極まれり。


「ってことで、予定としてですけど…って、だ、団長?話きいています?」

おっと、いかんいかん、つい連鎖反応でいらぬ事まで考え出してしまっていたようだ

「もちろん、聞いていたとも、左眼復元術式に参加すれば良いのであろう?」

「はい!お願いしますね!それでは!」っと、元気な返事を残して隊員は走りさっていった。

私、非番なんだけど…まぁ、それが出来るのは私とNo2と…姫様くらいしか出来ないからしょうがないけどさぁ、もっと頑張って覚えてよ?って思っちゃうのはいけないこと?


そう頑張って私達も皆の技術力を向上させ私達が居なくても問題ない様にと努力は続けている。

ある時代に比べたら医療班の技術力もどんどんと向上していっているのは間違いないと思う。

過去であれば目玉が飛び出てしまったら、義眼でもはめとけって感じで、もう一度、視えるようにするなんて出来なかった。


今の技術だと、目の細胞を培養し、ゼロからの復元、もしくは損傷個所のみの復元、組織がしっかりと機能しているのを確認後、神経と血管を繋げて急速に回復させれば、後は簡単な機能回復運動などのケアを施せば問題なく機能が復帰する。

怪我をしてから短い期間であればあるほど、回復の見込みが早いという結果も出ている、この街は外傷とか新たな治療方法を試す場所としては最適解かもしれない。


なのでこの街では滅多なことが無い限り戦士や騎士と言った兵士達を引退させるようなことはしない。

損傷の激しい状態であれば、死の大地で応急処置を施して、命を繋いだあと、早急に、街へと帰し後は私達が全力を尽くすだけ。


つい先日の様な出来事と思うが、もう復元が終わっている辺り、技術力の向上が凄まじいと思う。

技術力向上によって、お陰様で?兵士達の死亡率も大きく低下している。

尚且つ、過去であれば、現役でいれる年齢なんて高くても25歳だったのに、今では普通に30代後半でも現役で長く戦えるようになりました。

技術が向上することによって良い相乗効果を生み未来へと繋がっている。でも、人手どの部署も足りてない。

人手が足りないのなら引退させなければいい、ベテランさんの様に豊富な経験を持つものが増えることによって、現場の突発的な出来事でも難なく対処できるようにもなってきている。幹部としてそういった報告書を手に取るのは嬉しい限り。誰も死なないで欲しいからね。


医療班の技術力向上によって私達は奇跡を願わなくてもよくなる。

伝承に残されている、どんな怪我をも、たちどころに治せる神の如き癒しの聖者、そんな人物の降臨なんぞに頼ることはない、頼らなくてもいい、そう、頼ってはいけない。


医療の技術が向上すれば奇跡なんて必要ない。

現実的に誰でも治すことが出来るようになってきている。


ただ一人の人物に期待する、そんなことが無いのが良い!

そういう人物が過去には居た!けれども、殆どが我儘な政治に利用されたり、碌なのが居なかったと過去の歴史書には記載されていたからね。


些細な怪我で生涯を捨ててしまう、そんな心構えで体を張れない、初見の敵と面向かって戦う事なんで出来ない。

医学に携わる者たちの練度を積み上げることによって、結果的に兵士達が安心して前線に出れるというものだ。

死の恐怖、怪我の恐怖、その後の悲惨な人生により二の足を踏み、本来の力を発揮できなくて死にゆく若者…

実際問題、勇気さえあれば、人は意外と大胆に動けるものである。


身が凍るような感覚は主に、恐怖や、怪我をした悲惨な未来を想像してしまい脳神経が震えて動けなくなる、

フィアーによる死亡は昔から大きな問題として対処に取り組まれてきた、それらを薬を用いて克服しようとした結果、大きな弊害を生んでしまった忌むべき結果も過去にはある。


我々は、眼前にいる低脳共ではない!知識ある者だ!過去の失敗を忘れずに、更なる技術の向上を人類に発展を!その志を忘れてはいけない。


うんうんっと、昔の人は良い言葉を残したモノだと褒めていると気が付けば病棟の中にいた。

そんな事を考えていると、重症患者に術式を施すための特別な医療室の前に到着する。


この部屋に入る為には特殊な手順が必要である。

専用の部屋に入る為に、まずは、部屋の前にある全身の不浄を特殊な術式を施した陣の上に乗り起動させ不浄を祓う。

陣が描いてある先にある、小部屋に入り専用の服に着替え、その後に、ドアの前にある、全身の不浄を祓う陣があるのでもう一度、身を清める。


これを行わないと一番大事な部屋が汚染されてしまうので、この掟を破った物は、関連する施設全ての不浄を祓うという、地獄の様な苦行が待っている。


さてっと、この度、執刀する内容は、外れてしまった左目の血管と神経を接続、左目復元術となる。

それを行うのは、神経接続再生術式を初めて行う医療チーム上位にいるNo3が執刀します。

私はNo3のサポートを担当します。ってことね…あれ?No2は、あ、そっか、外勤務だったっけ?

団長として皆のスケジュールをしっかりと把握しておかないといけないなぁっと反省しNo3と目を合わせお互い一言も話さず準備を続けていく


患者に呼吸器をつけ、新鮮な空気が送り込まれているのを確認した後、特殊な液体を貯めた水槽に患者を入れる。

この液体そのものが回復を促進し再生を促す特殊な液体でできており、また、この液体には他にも特殊な性質を持っていて、特殊な術式を用いることで真価を発揮する。


施術を行う術者はこの液体の中に手などを入れ術式を発動すると、この液体に意識を溶かすことが出来る。

その為、見えない角度も見ることが出来るので視野を広げることもできる。


それだけではない、この術式に干渉することにより、水中に力場を発生させることも出来る、その力場を自由自在に扱えば、水中にあるものを掴むことも出来るし、押し出したり、引き出したりと自在に扱えることも出来る。

液体に触れなくても特殊な陣がある、その上から己の意識を水槽の中へと溶け込まして水中の中を自由に動かすことが出来ればこの特殊な術式を扱いきれるものとして一人前と認めることが出来る。


では、準備も万端、No3も集中力を高めている。

復元する臓器、特殊な容器に入った左目を液体の中へと入れる、頭蓋骨は既に再生済みなので、今回は目のみとする


液体に人差し指をつけて水中に浮いている左目を患者の左目があった空洞へと力場を使い、丁寧に傷つけないように運び終えるとNo3は目を閉じ意識をより深く集中させているのが伝わってくる。

私も彼が帰ってこない人、同調&同化現象が起きないように彼を何時でも引っ張り出せる命綱としての役目もある補助用の陣へと移動する。

意識を集中させて液体とのリンクを強固にすることで、自身の意識を…自我を…より一層深く!溶け込ませることが出来る!

その結果、液体その物を自身の目や、体と同じようにすることができ、自身の肉体にある視覚からでは見れない角度からでも映像を見ることが出来るのでより正確に神経や血管などの見えにくい臓器を結び合わせることが出来る。


これがあるからこそ、目の視神経と血管を脳みそとしっかりとつなぎ合わせる事が出来る。

この術式が誕生する前は不可能だった。


切れた組織を再生させ、脳神経との接続がしっかりと働いているのか、私程の術者となればその確認も行うことが出来る。


そう、この術式を扱うのは非常に難しい。

自分が人ではなく違う生き物へと変貌する感覚にも慣れないといけないし、その状態でも人としての自我を崩壊させることなく目的を達成させないといけない。

自我を保てなくなると、この術式に溺れてしまい、自身の意識が液体の中へと完全に溶け込んでしまい、この液体に浸かっている患者と自我が同化してしまう現象も過去には発生している。


なので、非情に画期的で今まで治せれなかった患者を治すことが出来る反面、非常に危険な方法でもある。

そうならないために、サポートする人が必須なのである。


意識が溶け込む前に引き返させる安全紐、命綱としてサポートする人がこの術式を執刀する場合、絶対的に必須条件としてある。独りでは絶対にやらない!っと、取り決めてある。


この術を、行う場合は絶対に第三者と共に行う。

出来れば、自分よりも格上の相手が居るのが一番で、その理由が、この状態に慣れているのでいざとなれば術式の主導権をメインを担当している人物から奪い、見失いつつある自我を自身の体へと誘導してあげ、止まってしまった再生術を代わりに行うことが出来る、だからこそ、自分よりも格上の技術者にサポートをして貰うのが前提となっている。っていっても、No3よりも格上ってなると、私とNo2しかいない、姫様は…No3のサポートお願いっていっても絶対に引き受けてくれないだろうね。


その為、まだまだ練習中な方、慣れていない方は、先輩や師匠と一緒に施術の連中を行いましょう。


私もこの術式をパーフェクトにマスターするのに相当な年月が必要だったもの。

誰だよ、こんな悪魔的な術式を生み出したのは!ってね、だってさー、会得するのに、自我が何度も、何度も、何度も!!この液体に溶けて消え去りそうな感覚に持っていかれて虚ろになりかけたからね。あの感覚は二度とごめん。


っとと、いけないいけない、簡単な術式だからって意識が逸れちゃってた、えっと、No3の術式はっと…

意識を水槽の中へとダイブさせ、彼の執刀状況を確認する。


見てる限り、神経の接続も問題ない、血管もしっかりと繋がっていて、左目の機能が回復しているのもわかる、無意識にだけれど、患者が眼球にくっついている眼球を動かす筋肉をぴくぴくと動かしたり、瞳孔が収縮したりと無意識に動かそうとしているのが伝わってくる。


どうして、そこまでわかるのかって?種明かしはこれさ、私の足元にある特殊な陣があるでしょ。

これは、執刀している人と精神を同調させる術式が描かれていて、これで私と彼は感覚を共有できるようにもなっている、だからこそ、彼の自我が溶けていないかの判断が出来るのさ。

勿論、この陣から強引にメインとサブを切り替える事も出来る、いざとなれば私が絶対にNo3を帰らぬ人にはさせないし、水槽の中にいる人物も助けて見せる。


馴れてくるとね、この状態で眼を開くと、ぉぉ、ふしぎなかんかく。

私程になれてくると両目を空けれるけど、おすすめはしない気持ち悪くなって吐くからね。

目から得られる視覚の情報と、水槽の中から水槽の外にいる私を見ることが出来る。


この術式によって第三者の視点というか、なんていうのだろうか?

例えようのない、不思議な感覚で見ることが出来、なおかつ、少しでも意識すれば彼の思考も感じ取れる。

やろうと思えば彼の心ものぞくことが出来る、けど、それをしてはいけない、同調現象が発生する恐れがあるから。

そう、心と心が繋がっているようで繋がっていないような不思議な感覚。この感覚が残っている限り、彼の意志は明確にあり、自我も崩壊していないサインでもある。


「術式終わります!!」


彼の意識が水中から消えたと同時に大きな声が聞こえる、ここで声を出さないと自我が飲まれたと見なして強制介入が私を除いた第三者から行われる。

無事帰ってこれて良かったよ、これで、君もNo2と実力が拮抗したことになるんじゃないのかな?

そろそろ一団を任せても良いと思えるよ。


良き人材がすくすくと育って私は嬉しくて今にも泣きだしそうだよ。

子供いないけど、親の気持ちってこんな感じなんだろうなぁ。今度女将かベテランさんに聞いてみよぅ。


意識を水槽から抜け出させ、自分の体へと戻し、手を握ったりと体が問題なく動くのか確かめながら成長している彼に向けて心の底からの祝福で満たしていると、No3が突然、気を付けの姿勢で勢いよく手を挙げると

「団長!申し上げます!」どうしたのかなと思った瞬間「吐きそうです!!!」素早くNo3の首根っこを掴むと同時に、外に出るドアの方へ視線を向けると、察した団員が既にドアを開けており、外にはバケツが準備されていた、更には受け止める為の人員がスタンバイしてる。


完璧すぎる連携動作に笑みがこぼれる、人と人は志が同じであればあるほど繋がれるんだ。


笑みを浮かべながら、遠慮せずにぶん投げようと全身に力を込め


「ここでは絶対に吐くなよ!吐くなら外で吐きな!!!」


医療チームの皆が一度は言われたセリフと共にドアの方へ投げ飛ばされNo3がメインを担当する執刀術式は閉幕となった。





残ったみんなで特殊な術式を行う部屋の片づけをしていくのだけど、慣れたもので、てきぱきと片づけられていく。

この部屋の四方はガラスに覆われていて見学が自由…ではないか、ちゃんと申請を出さないといけない、だって、患者が女性の場合もあるからね。

先の患者は眼球だけなので衣服をまとっているので基本的に自由に入って良いことになっている。

そんなわけで、医療チームの上位陣がしっかりと先ほどの術式を見学していて終わった後は片づけをしながら色んな質問をしてくる、勿論、団長としてその質問に受け答えしながら片づけを行っていく。


患者も術式が終わってから程なくして目を覚ましたので、目に違和感がないか、しっかりと見えているのかの検査も終える。

念のために、今日一日は医療チームの一人と共に過ごしてもらってしっかりと完治しているのを確認して全て良好と判断したら、医療チームとしての彼に対する施術は終わりとする。


怪我の原因や対策などは兵士皆さんで考えてね♪二度と同じへまはしないでいただこうかな♪っと念を押して返すのがお決まりだ。


片付けも診察も難なく終わったとしても、皆の質問攻めが終わらないので、ご飯を食べながら説明することにしようと提案すると、一斉にお腹の音が鳴り響いたので、皆で食堂に向かうことに。


医療チームの集団で食堂の近くにいくと、見慣れた顔、無言モテ男が食堂前通路で誰かを待っているご様子だ…

まぁ私だろうなぁ、用事があるとすれば、会議の件だろうね。


「終わったようだね、では、付いてきていただいてもよろしいかね?」


無言モテ男って悪態をついてしまいたくなる彼は、軍法会議等の司会や進行役を良く担当している騎士の部まとめ役、あだ名はティーチャー。


彼は非常に優秀で、私の行動パターンだけではなく、主要な人物、ほぼ全ての行動原理や、パターンを覚えているのか、筒抜け過ぎていて、驚きを通り越して戦慄するときがある。

そこが彼の持ち味だからねぇ、ベテランさんが向かった場所を無言で教えてくれたのも何を隠そう、彼なのだ。

このもて男め。


っそ、そんな彼が待っているということは会議が行われるということだよね、会議の前に、ご飯くらい食べさせてくれてもいいじゃないか、こちとら神経すり減らしてきたとこなんだぞ?

という恨みを込めた視線を送ってみると「・・・・」すっと、無言でサンドウィッチが乗っているお皿を渡してくる。


しかもだ!私の好きな卵焼きとハムとチーズが挟んだやつと、チーズと玉ねぎとレタスが挟まれているやつ!


くそぉ、こういう先読みが得意なのがはらたつぅぅ、けれど、感謝と好みを知っていて理解してくれているという!喜びが勝るぅぅぅぅ。ぅぅ、だからモテるんだろうなぁ、敵が多いなぁ。


少しむすっとしながら「・・・・ありがとう」感謝の言葉を伝えると、眼鏡をくいっと上げる。

照れ隠しするときのいつもの癖だ、分かりやすい奴め。


団員にごめんねっと一言伝えてから、サンドウィッチを頬張りながら会議室へと向かっていく。


一つのサンドウィッチを食べ終えると同時に、すっと牛乳の入ったコップも差し出される、気遣いの神様か何かなのかね?君は・・・

同期に、こんな事をさせるのは気が引ける部分もあれば、胸がキュンと締め付けられる感覚もある。


サンドウィッチと牛乳のコンボが好きなのを覚えてくれているのが、これまた嬉しいわけで。


会議室に到着するころにはお腹もいっぱいで満足だし、同期の至れり尽くせりに、心も満たされている自分がいるのが解る、いつか倍返しでおもてなししてやるからな!首洗ってまってろよ?

という思いで睨みつけると、口の右端をくっと持ち上げてふっと笑みを零した後、会議室に入っていく


見透かされてる気がして仕方がない、あいつさぁ心を読む能力高すぎない?…あいつに惚れている奴が多いのが納得だよちきしょぉもて男めぇ、、、




・・・・そういえば、アイツの手によって晴れて結ばれ結婚した人が多いと伝え聞いたことがある


まさか、アイツの二つ名、ティーチャーとは恋の伝道師という意味も含まれているのか!?恐るべしもて力!!

でも、本人から浮いた話は聞いたことがないんだよねぇ、思い人が居るのは知っているけれど、まだ、諦め切れていないのかね?諦めてくれないかなぁ…


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追記:

完結してから、一度、見直して修正するところとか、読みにくい所があれば修正してます。

当時の目標が完結優先で、急ぎ足で書いていたので見直していなかったのです。

完結後に見直し訂正する予定でしたので!

ゆっくりと修正して行こうと思います。




─※ 完結まで読んでから見てね ※─


設定資料

今回行った術式が浸透水式っと呼ばれる術式です。

これがあるからこそ、この物語は進み続けることが出来、色んな伏線を置いていくことが出来ました。


医療班 NO3

普通に変態

死の街に到着し、団長を見た瞬間

「運命はここにある」っと心の底から感じてしまい団長と共にいることを目指すのだと心を硬く決めた人物。


本来は騎士の部に所属する予定だった武家の坊やだけど、己が運命を捻じ曲げんと医療班転属を志願した、己の欲求に素直な人物

なので、ある程度、戦えれるし、ある程度頑丈なので、色んな人が彼の扱いが雑になっています。

っというか、数々の珍行によって医療班全体からやや嫌悪感を抱かれている。

だとしても、彼はそんな事を気にせず運命を掴もうと邁進する(結構、空回りしている)


嫌悪感を抱かれている内容

男女関係なく意識してしまう団長に歩み寄ろうとする害虫としても認識されているからなのと

団長に普通の人なら卒倒するくらいの気持ちの悪い行動をとるからっという理由がある。

なお、団長は魂があれなので、今一つその行動がどういう意味なのか理解していない時がある。


彼も、最後の最後には医療班の団長というポジションに上り詰め

多くの方から信頼される名医となり、生涯を独身として生きる決意を固め街の為に尽力してくれている

スピカに対しては何も感情を抱かず、大変な運命を背負った少年として見ている


なお、どうして団長を運命なのかと感じたのは

姫様が歩んだデッドEndルートの影響が彼にも僅かに影響を及ぼしていたから。

彼の理想とする騎士像をユウキが示したため、魂に強く刻まれたのが、団長の姿を見て歪んでしま、いや、もとからそうだった。

彼は男性も女性も愛し愛せるタイプである。

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