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25/843

幕間 祝勝会

加筆修正完了!


誤字脱字の見逃しあれば教えてくださいませ~><;


後、後書きにネタバレなどが含まれてる設定資料とかも残していこうかと思っていますので

初見さんは見ないようにしてくれますと嬉しいです!


…なんか、倍にまで文字数が膨れ上がってしまいました。

削りすぎだよねぇっと反省しています。

テンポよくする為に会話を削ろうと必死になっていたものでして

鏡に映し出された姿はどう見ても




女性だった




下のアレはついているけれど…それ以外は完全に女性だった。


胸がお尻が…一段階はアップしている!?

どういう事!?こういうことをする人物っていうか、これが出来るのは一人しかいない!

姫様の方へと向きを変えると


「へっへー!ちょっと盛った!」

自慢気に胸をはってるけど!許可なく!?

ちょっとってレベルじゃなくない?


此方の意志なんて置き去りにしたというのに、得意げに鼻を上に向けている…

更衣室にいた他の女性たちが私の体を見てキャーキャーっと、すごーいっと、黄色い歓声をあげながらマジマジっと私の胸をお尻を見てくる。


私の目指す先に近づいたという部分はひとまず置いといて、周囲の人達、その声も納得してしまう…

もう一度、鏡を見ると、そこに映し出された姿を見て胸が…目頭が熱くなる。

鏡に映った自分の姿が信じられない、何度も何度も色んな姿勢を取ってしまう…

こんな自然にバストアップできるなんて、上だけじゃない、後ろも…お尻の形も凄く綺麗…

自分だってわかっているのに鏡の中の自分に見惚れていると

「美しいですわぁ、皮膚もプルプルっで瑞々しくていいですわねぇ~」

っと呟いている人が近くにいると「ちょっと失礼」っと、一言だけ許可を求め、胸やお尻を触わってくる。あの、まだ許可してないんだけど?


誰かが触り始めると、触っても良いのだと判断されたのか、他の女性達も許可なく体を触ってくる…あの、許可、してない…


「「うっそ!これすごーい!やだぁ、触っても何か詰め物をしたような感じがしない!?凄くナチュラルに!本物としか思えないですわー、お尻も同じですわよー」」

褒めてくれるのはうれ、しい、のかな?その…

ぁ、あの、揉みしだかないでいただけます?ちょっと恥ずかしいよぉ…


何も言えず何も抵抗できず、好奇な手達に、されるがままでいると、唐突に解放された。

何事かと、呆気に取られていると、私の体を好き勝手触り倒した人たちは答えを求めるように姫様へと走り寄り姫様を囲み質問の槍を怒涛の嵐の様にと、投げかけ始める。


圧倒される熱量に姫様も困惑しているのではないかと人との間に生まれた僅かな、隙間から様子を伺うと…私の心配なんて欠片も無く、得意げに語っている様子が見えた。

あんな状況でも親切丁寧に美意識がめちゃくちゃ高いご令嬢の質問に一つ一つ丁寧に答えている…


姫様の凄さを目の当たりにしたとしても、私の関心は其方に意識を持っていかれない。

今もなお、手招きでもされているみたいに鏡から意識を逸らすことが出来ない。


そんな彼女らを横目で見送ってから…

ようやっと解放された私は…鏡の前から動くことが出来なかった。

ずっと鏡に映し出されている私が求めていた…本当の自分に見惚れてしまったから。


だって、鏡の中にいる自分が、幼い頃から、ずっと憧れていた女性像そのものだったから。

見惚れないという選択肢が無いの。


鏡の中にいる私が…夢描いていた本当の自分のイメージ通りだったから…


どんな時でもどんな場所でもふと視界に入ってきて決して頭から離れない…こびりついてしまっていた男の体、実は、それが…悪い夢で、瞼を閉じた時にだけ見えた女の子の姿が瞳を開けばそこにある。

何度も何度も夢描いていた姿、幻の姿…それが実は本当の姿で、今まで見ていたのは悪い夢だったんだって、そう思わせてくれるくらい…鏡の中にいる私が自然体で理想の姿をしていた


その姿を見れば見る程、感情が、奥底に押し込めていた感情が涙となって溢れ出てくる


今までの偽りだった自分の姿ではなく、心の中だけにあった鮮明に宿っているイメージ、今この瞬間も見え続けている姿が…やっと、私がイメージする姿とイコールとなって繋がった…


何度、見返しても、すっと心に染みてきてしっくりとくる。

今まで、鏡が嫌いだった、反射するモノ全てが嫌いだった。

でも、今は違う、反射するもの全てに親近感がわきあがってくる、今まで感じたことが無いほどの愛おしさを感じることができる。


幼い頃から抱えていた劣等感や、馴染めない心、過去にあった失恋の感情が溢れてきて、大波となって全身から発露する


自然とその場で泣き崩れてしまう。

いい大人になったにも関わらず大粒の涙を流して嗚咽を漏らしてしまった…

その場にいる女性全員が集まってくれて、醜かった私を抱きしめてくれる。


よかったねと、やっと正直になれるんだよ、おめでとうっと、みんながいろんな言葉を投げかけてくれる、それがまた嬉しくて涙がより一層溢れてしまい、どうやってもとめることができなかった。


一緒に抱きしめてくれたみんなも私につられてなのか、皆泣いていた、メイドちゃんも姫様も一緒に涙を流していた。


ぁぁ、なんだ、私の心と体の事ってみんなにバレバレだったんだ、ばれないように隠してたつもりだったんだけどなぁ…


だってさ?体は男なのに、心は女性だなんてさ、気持ち悪いと思わない?

可笑しいと思わない?皆はそんな事無く、ありのままで私を受け入れてくれていたんだ。


知らなかった、気が付かなかったなぁ…

認めてくれたのも、嬉しくて、うれしくて、私もみんなと一緒に女性として生きてもいいんだよって伝わってきて



うれしくて うれしくて なみだが かんじょうが とまらないよぉ



私の感情が全員と繋がってしまったかのように、更衣室が女性達の鳴き声で埋め尽くされて行った。


この場にいる、全員の感情が落ち着いた頃に、ゆっくりと少しずつ、優しい笑顔で離れていく女性達…


彼女達を見送って、私も、皆の後について行こうと立ち上がったのはいいけれど、このまま外に出るわけにもいかず。

どの辺りに服を用意していたっけ?っと、辺りを見渡してみるが…見当たらない。

ロッカーとかも開けてみるが…見当たらない。

隊服が置いてある場所を見てみるが…見当たらない。


私の服が無い…


あれ?何処にやったのだろうかと…思い返す…術前の記憶…そういえば、全部洗濯籠に…ほうりこんだ?


さぁっと血の気が引くのが解る、自室にいかないと服がない?…


ちらっと姫を見ると「・・・・」早く着替えなよっという感じで首を傾げてこっちを見ている…


助けを乞うべきか?それとも術着で私室まで戻るか?…

想像した瞬間、一歩たりともあの術着で外に出たくないと心が叫んでしまった。


ぇ、なに?この…自分が女性だよって自覚できるレベルの体になった瞬間に降り注ぐ強制イベント?こんな裸同然の服で、自室にまで取りに行くイベント?だったら姫に頼ったらどうなのって?


想像する必要なんてない!あの姫様だよ!?


どんな服を持ってくるのか想像が出来る!!

選択肢が無い事をいいことに!とんでもねぇのを持ってくるよ!わかる!姫ならやる!!


っぐぅ、ぅぅぅぅ…せめて下着!肌着だけでも欲しい!!それさえあれば、術着でもそこまで気にならない!!術着の下が裸ってのが一番困るぅ!!


だってぇ、その、お胸のぽっちがより一層、そのぉ、強調されちゃってるんですぅ…

こ、これは恥ずかしい…世の女性が気を付けている理由がわかったよぉ…


胸辺りを気にしている様子をみて此方の事情を姫が理解したのか

「ぁ!そっかショーツ!忘れてた!普段してないからないよね!えっとね、サイズちょっと合わないかもしれないけどこれつかって」

待ってましたと部屋の片隅に待機していたメイドちゃんが前に出て袋を姫様に差し出す。

それを受け取った姫様が私に袋を渡そうと腕を伸ばしてくれるので、それを何かされる前にすかさず、手に掴む…っていうか、用意していただとぉ!?って、そう、だよね。こうなるのはわかってたよね。それにしても…


嫌な予感がしつつも、用意してくれたことに感謝しないのは違うので

「ぁ、ありがとう」

お礼の言葉を述べると笑顔を浮かべたまま軽く会釈をされてしまう。

その用意周到さに驚きがあるけれど、それ以上に、嫌な予感もする。。。


際どい下着じゃないよね?

っという不安が顔に出ているのがばれたのか笑顔が徐々に、ニマニマと邪悪な笑みへと変わっているような気がする。


恐る恐る袋の中を見てみると…予想は裏切られてしまった。

中身はとっても可愛い見た目だった。

色は白色と水色かな?水色のラインが横に入っていて、左右の端に小さなフリルが付いてて、真ん中に青いリボンがある!ゆるふわなショーツだった。


憧れていた女の子女の子している下着にちょっと感極まりそうだった、奥にもう一枚入ってて、出してみると同じデザインのパンティーが入っていた、上下お揃いのデザイン、なんて、なんて!最高すぎるぅ!


こんな可愛いの着ちゃっていいのかな?ってそわそわしていると「いいんだよ」っと笑顔で応えてくれる。


下着を履いて、鏡の前に立つと、鏡には可愛い下着を着た女性が立っていた、その姿を見て、また泣きそうになる。


「ほらほら、感極まってばかりいないで、他にもイベントが待ってるんだから早く服着なって」

ほれほれっと手をパンパンっと叩いてせかされるので、意を決して術着を着ると直ぐに姫は服が無いと察したようで深く追求せずに

「いこっか」

にっこりと腕を組んで歩き始める、まって!服取りに部屋にいきたいんだけど!


「だーめ!みんな待ってるんだからね?」

っぐ、私の言いたいことが言わなくても伝わっているのがわかる!…ん?みんながまっている・・・だと?・・・・

その言葉に先とは違う大きな嫌な予感が押し寄せてくる…


その嫌な予感に抵抗したかったが、困ったことに、まだまだ、麻酔が体内に残っているのか、完全に力が入らない…そんな私では、姫の力には負けてしまう。抗う余力が残っていない!


一応、軽く抵抗もしてみたが…抵抗虚しくみんながいると思われる場所へと連行されていく…

自分の力では如何にか出来ないのであれば!助けを乞うだけ!!


現場に到着する前に誰か、この状況で助けてくれる誰かは!?


姫様に腕を組まれた状態で周囲を探してみるが…唯一部屋に残っていた女性はメイドちゃんだけ…つまり、敵さいど…あれ?これ、詰んでる?


もしかしたら味方かも!っとメイドちゃんに視線を向けるとにっこりとした笑顔の後、姫様は右に、メイドちゃんは左と、両サイドから腕を組まれて完全に抵抗することが不可能だと囲まれてしまう…ああ、これはもう無理だと悟ってしまった・・・・


ずるずると、足を引きずられながらふと、思ってしまった。


っていうか、貰ったショーツサイズがぴったりなんだけど?…

あれ?サイズが合わないかもって言ってなかったっけ?・・・・

もしかしなくても・・・どの辺りまでサイズアップするのか、その全て…計画通りなのか?・・・・これは、いつから、計画されていたの?・・・・


この先起きる出来事、全てが、姫の手のひらの上なんじゃないかとたまに思うときがあるけれど、今回もなの?コレもなの?私のサイズがどうなるのか、全て決まっていたって事?

っていうことは、まだ何か大きな逃げれることができないイベントが待ってる可能性がたかいってこと!?


この先にどの様な目に合うのかわからずパニックを起こしかけていると

唐突にメイドちゃんに、かつらをかぶせられてしまった。

如何です?っと手鏡を向けられ、かつらの加減を確認させられるので、ついチェックしてしまう。

…火傷を負う前と同じ髪型で毛質も色もそっくりなウィッグだった

…用意周到すぎじゃない?これじゃ、何処からどう見ても私ってわかるよね?

…別人です作戦は通用しない

…過去にやった、よその国の淑女です~という言い訳ができない!!


逃げ場がない…


どうやって逃げようかと、どうやって誤魔化そうかと、どうやって別人のふりをすればいいいのか、考えていると、そのままずるずると連れていかれる。


何も策が思い浮かばないので、抵抗する気も、もう起きない…なる様になれっだ!!


病棟から外へと通じるドアを開けると同時に出迎えてくれた音が腹の底へと響き渡る。

その大きな声は、とてもとても大きくて…この街全部、ううん、死の大地にも響き渡るかの如くだった…お腹の底が、ううん、全身の隅から隅まで響き渡ってしまうくらいの音量が出迎えてくれた。


「おかえりなさーーーーーい!!」


ドアの外には医療班だけじゃなく、騎士の人達、戦士の人達、それだけじゃない、街の…この街にいる、みんなが揃って出迎えてくれた。


主要メンバーが勢ぞろいしている状況を見て姫様が大きな声で


「ただいまー!みんなの団長が完全復活したよーーーー!!」


両手を上げてイェェェェェェイイイっと声を上げると、目の前にいるみんなも同じようにイエエエエエエエエイっと叫んでジャンプした。


その声は天高く轟き、全員が着地すると病棟も揺れて、ううん、この大地全てが震えてしまったように感じてしまった。っていうか、皆で一斉にジャンプすればそりゃ大地も震えるよね!?何人集まってるの!?見渡す限り人しかいない!?


全員が飛んで着地し広がっていった大きな音の波が落ち着くと、姫が音声を拡大+広域に広がる術式を使って空に向かって叫んだ。


「それじゃお待ちかねのーーーー!!!祝勝会の始まりだぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」


大きな声だというのに、集まった皆が、姫様の開始宣言よりも超えようと、この場に居る全員がウオオオオオオオオオオオオオっと雄たけびを上げた


私もつい、その熱気にあてられたのか、その反応につられて、両手を上げてウオオオオオオっと叫びながら大きく体を弓なりにそってジャンプしてしまった。


大きくジャンプすると、メイドちゃんが私を指さしているのが見えた。

彼女が何を指さしているのかわからなかったのでどうしたんだろう?と飛び上がった状態で考えていると、彼女の慌てふためく顔が近づいてくる?

何を焦って?こっちに走ってくるのだろうか?彼女が指を刺しているのはどこだろうかと、彼女が指先を下へと動かすので視線を向けてみると


どうし・・た・・ぁ・・・あ”!?


術着は開けやすい…直ぐにでも脱がせれるようにと作られているのを忘れていた。

着地と同時に、はらりと紐がほどけ、術着が床に落ちた…それすなわち、私の服装は下着のみとなる…


大勢の目の前で、私は下着姿のみっというみっともない姿をさらしてしまった…

でも!安心して欲しい!私の裸はみ、みんな、見慣れている、はず!

だ、だって、こ、この体になる、前の私は、大浴場の男性のお風呂場にも入っていた。

お風呂場とかで、裸のみで、服を着ないでウロウロしてたりしていた、だから、別に、べつに…い、今更、ははは裸、な、な何て見られてもなんてことない!って、思った…けど…駄目だった。


女性の体に近づいたからこそわかってしまった、男性が女性をどういう感情で見ているのか意識してしまった。


目の前にいる男たちの目尻が下がり、鼻の下が伸び、目線の先が私の胸に集中しているのがわかる・・・・わかってしまう!!

全員から執拗に見られているとわかった瞬間、顔が熱を帯びていくのが解かる。

今の私の顔はきっと真っ赤に染まっているのだろう…

顔が炎で焼かれているのかと錯覚するくらい熱くなってしまうと…


「ひぃ!?きゃぁぁぁぁぁぁっぁぁ!!???」


自然と、甲高い声で乙女の様に叫び、直ぐに、両の腕をクロスさせ胸を隠す様にし、足を内へと閉じ、誰にも体を見せまいと小さく丸くなるようにしゃがみ込む。

慌ててメイドちゃんが布をかけてくれたけど、頭の中が真っ白になり、心臓の音だけしか聞こえてこなくなってしまった…

そう、心臓の音がバックバックっと自分のものとは思えないくらい激しく鼓動している…

心臓の音だけではなく、異常なのは顔もそう!顔から火が出そうなくらい熱を感じる!っていうか、熱い!!


頬の熱を感じると同時に湧き上がってくる羞恥心。

今まで感じたことのない恥ずかしいと言う感情が頭の中を埋め尽くしていく。


は、恥ずかしい!!!これが、羞恥心なの!?


男の人ってみんなあんな感じで女の人を見ていたの!?

女の人はどうやってあの視線に耐えてるの?どうやったら耐えられるの!?


被せられた布の中で湧き上がり押し寄せてくる恥ずかしいという感情に震えていると、心臓の音よりも大きな音が伝わってくる。

聞こえてくる声?え?男性たちが雄叫びを聞こえてくる!?


あの眩しき姿を見た野郎どもは歓喜の雄たけびをあげ続けていた。

それはもう、先ほどの祝勝会を開始する合図よりも、雄の本能が揺さぶられ叫ぶ。

天にも届く様な雄叫びが、留まることを知らないのか、大きく更に!もっともっと大きな声で雄叫びが連鎖するように倍増するように膨れ上がっていく


そんな流れを止めようとしたのか、火に油でも注ごうというのか

「これを見たみんなはどうおもうーーー!?」

姫が間髪入れず拡声音波で叫んだ。

それに呼応して野郎どもが叫び返す


「最高でーーーーーーーーす!!!」

熱は更に膨張する、人々の熱気は冷えることを知らない

現場は、更にさらに、盛り上がり、ヒートアップしていく


「団長はーーーーー!?」姫が叫ぶと


「可愛い!!!」野郎共も一緒に叫ぶ。


「性別はーー!!」姫が叫ぶと


「誰よりも女の子ーーーーー!!!」野郎どもの喉が裂ける様な雄叫びが響き渡る


この場にいる全員が心を一つとして

「「Yeeeeeeeyahhaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa」」

姫と野獣どもが叫ぶ…


被せられた布の中、渦中の人物だけは顔を真っ赤にして震えていた。



でこれ、なんの儀式なのかな!?かな!?

こ、こんなわからせかたは、な、ないんじゃないのぉ!?恥ずかしさで死にそうだよぉ…


現場の熱に困惑し続けていると、布の上から背中を叩かれてしまい全身が跳ねてしまう。

情けない姿をしている団長に医療班の皆が優しい声が掛けてくれる。

どうやら、医療班の女性陣が慌てて隊服をもって駆けつけてきてくれたみたい!

女性陣に守られながら、病棟の中へと連れていってもらい、小部屋の中へと案内され、そこには、待望の隊服が用意してあった!!


ただ、未だ、先の状況のせいで恥ずかしさがピークに達しているせいなのか、体が上手い事、動かすことが出来ず、何もせずただただ、頬の熱が冷めるのを待ち続けるように立ち尽くしてしまう。

ただ、ただ、じっと立っていると、何も動かない動けない私なんてお構いなしに、連れてきてくれた皆が手慣れた手つきで着替えさせてくれた。


そんな頼りになる皆が、服を着せてくれながら教えてくれた。

ずっと、ずっと長い間、私の心が女性であるとカミングアウトしてくれるのを待っているのだと、教えてくれた。


全ての部隊の人達が見守っていたと…


そして、今回の流れの何処かで、わからせてやる!って姫様が仰っていたのも教えてくれた。

その一言でつい殺気を姫様に向けてしまうと


「たぶん、姫様もこんな形でカミングアウトさせるつもりは無かったと…私達は思いたいのですけれど、その、何処までが姫様のご計画の内なのかは、私達では計り知れませんから、何とも言えないです、けど…きっと、姫様もこんな辱しめを受けさせたいとは思ってないと、思います、からね?」っと、優しくフォローしてくれる。

ひとりだけじゃなく、多くの方が同じような事を投げつけてくれる。


こんな事態になったとしても、皆は姫の事を信頼しているのか、必死に、姫様をフォローしている。


その姿を見てついつい向けてしまった殺気を抑え込む。


うん、わかってるよ!みなまで言うないうな!

私だってわかっています!姫様がその、こういうのに…悪気が無い事くらい。


姫様が、こんな女性の尊厳を守らないようなことしないから、たぶんアクシデントに便乗したんだと思う、思いたい!

迂闊に場の空気に流されて、はだけやすい術着で、派手な動きしちゃった私にも非がある。

姫様も私がそんな事をするなんて予想はしてないはず!


「だけれど!後で姫様のお尻を軽く抓っておく!それくらいはさせてね!」

お仕置き宣言をすると


「姫のお尻ちぎっちゃだめよ?」っと、優しい声が聞こえ

振り返るといつの間にかNo2も起きてきたのか冗談を言いながら近づいてくる。

そんな彼女に

「千切らないですよー私ってそんなに力強くないですから」

冗談ですっと付け加えると、小さな溜息を吐かれてしまった?なんで?

そんな小さな溜息を吐いた先輩は、眠そうに欠伸をして外の様子を見ている。


あの騒ぎだもんね、起きない方がおかしいよね。

皆を助けるために頑張り続けてきた功労者を労ってあげたいけれど、外の様子を見終わったのか、眠そうにしながら近くのベンチに座るので、声をかけるのを躊躇ってしまう。


眠そうにしているNo2から視線を外し、動こうとすると…体が動かしづらい?

何だろう?麻酔がまだ残ってる?いや、そんなわけは?


違和感を感じ、体を捻ったりして動かしてみる…

皆に持ってきてもらった隊服を着てから、違和感を感じる。


隊服は、基本的に動きを邪魔しない作りになっている。

そう出来ているはずなのに、違和感がある…それが何を意味するのか…

機能重視の為、関節の動きを邪魔しないようにと、サイズが大きめに作られているっということ。


…ねぇ、隊服って結構ゆったりとした服装だよね?

…なんか窮屈に感じるけど、サイズって…Mサイズ?いつもと変わらない?


………っということは、ゆったりとした服でもちょっと窮屈に感じる=普段着、私が普段、着ているお気に入りの服、体のラインが出るピッチリとしたタイトな服が多い…


つまり、今の私の体型だと…はいらない?…


ぇ?お気に入りの服…着れなくなった可能性が浮上してきてない?…

ま、まさか…ね?…


お気に入りの服が切れなくなってしまったという心のざわめきを忘れようと、ずれたウィッグを正してみても…困ったことに頭の片隅から離れることがない、今もなお、思考の何処かで顔を出してくるお気に入りの服の数々…

この大騒ぎが終わってから…


その後に待ち受ける不安を考えないように意識を逸らそうとしていると、微かに聞こえていたNo2の小さなイビキが止まったので大丈夫だろうかと、視線を向けると眠そうに目をこすりながら私の上下をゆっくりと見てから腕を掴まれ引っ張られてしまう。

「ほら、いくわよー、私の目を覚ましに」「はーい!」

No2が何処かに向かおうと提案すると私の為に動いてくれた皆が綺麗な返事をした後、病棟のドアを仲良く潜っていく、その間、私はずっとNo2に腕を引っ張られ続けていくのだが…


手を引っ張ってくれている間も、あの服、着れたかな?あの服、どうだったかな?

上は…上も?ぇ?下は?なんで下も?ぇ?何処がどう、サイズが合わないの?


ずっと、避けようとしても思考が避けさせてくれなかった…


先輩がこうやって気を利かせてくれているのに、後輩である私は気の利いたことも言えず

ただただ、自分の部屋にある服のことばかり…不安を感じていた。





─ 少しだけ時間は戻り、団長が着替えている間の出来事。


さて、団長が病棟で着替えている間に、祝勝会を開始しよう。


この熱気で団長が着替えて戻ってくるのを待たせてしまったら冷めてしまう。

宴にとって大事なのは熱!圧倒的な心の感情!膨張していく熱が冷えてしまうともう一度盛り上げるのに、更なる熱が必要!あれ以上の熱なんて作れないってーの、ってね。


腕を上げて会場のある方へと大きく腕ごと進行方向を示し

「こっちだよー」っと移動の合図を出すと全員が意図に気が付いてくれるので興奮した人達を引き連れて、祝勝会の会場へと誘導していく。


会場に到着すると全員が各々好きな場所へと移動していき、会場に用意されている豪華な料理やお酒の前にして目が輝いていた。


祝勝会場には、様々な料理人たちによって用意された創意工夫が施された料理を準備してもらった。

立食パーティーを予定していたので、会場から少し離れた場所にはベンチなどを用意してあるっていうか、皆が手伝いに来てくれて用意してくれた屋台?的なのが多く集まっている炊き出しエリア?それを、そのまま使わせてもらった。


各々が好きな様に好きなものを選んで食べてもらう!いわゆる一つの、ビュッフェスタイルって形!


無論!皆の目をより一層輝かせるために!お酒も相当な種類を用意してもらいました!

お酒好きでも納得の選りすぐりのラインナップにしてもらっております。


目の前にあるご馳走を前に彼らが今か今かと待ち望んでいるので、さらっと祝勝会の開始も宣言してから、私は用意してある席へ移動し、のんびりと椅子に座り視線を大衆へと下ろす。


まるで支配者のような特等席で皆が楽しそうにしているのを眺める。


うむ、これはこれで有意義かな。

王都からも呼び寄せた貴族御用達の料理人、その料理人が推薦する高級食材もふんだんにご用意しております。

お酒だって並大抵のお酒じゃないぜ?隣町で開発していた珠玉のお酒たち…それをこの大人数へと大盤振る舞い!っへ、ちょっとした下町の経営者だったら経営が傾くぜ!


こんな大きな規模の祝勝会の費用は誰が持つのかって?

今回は私の私財から出す予定だから!これくらいどってこたぁないって!まっかせて!


結構な値段になるけど大丈夫かって?

別に?何日でも開催できるくらい余裕がありましてよ!

私の私財の量から見て、全くもって痛くない、寧ろドンドン使って経済を回したい、く・ら・い・さ!


それにさ、悲しい出来事の後はさ、少しでも明るい話題が欲しいじゃないの。

暗いままでさ、死者に想いを…気持ちが引っ張られ過ぎるのは良くない、死は死を呼ぶ。


その為に、明るい話題として団長の帰還+さらに綺麗になって帰ってきたよー!って話題を提供しようとしたんだけど…あんなアクシデントになるとは思ってなかった!にしし!

後~ついでに、可能であれば、団長がみんなに向けてさ、自分の事をカミングアウトしてくれ…させようとは思っていたけれど、肌見せであそこまで盛り上がるとは思ってもいなかったから、つい、便乗して誘導しちゃった!てへぺろぃ☆彡


自分のしたことを噛み締めるために先の光景や流れを思い出すと、少々背中が寒くなった様な気がして小さく震えてしまう。

うん…怒りが収まるまで団長に近寄らないでいるのが賢明なんだよね、確実に手が飛んでくるのが予想できる、お尻がまた真っ赤になっちゃう…


後で絶対に痛い目に合うのはわかっている、それも覚悟の上だ!ぜ!


そりゃぁさ、お尻が真っ赤になるのはいやだけど!!

それ以上の恥ずかしさを味わった団長の女性としての顔を拝めるチャンスでもあったので!

それを拝むことが出来たので!私としては!

団長に叩かれても一向に構わない!しっかりと責任をとるさ!ふひひ


うんうん、眼福でしたっと頷きながらのんびりと椅子に座っていると、色んな野郎どもが私にお礼を述べに来る。お前たちの為にしたんじゃないぞっと言いたいけれど、それは言わない。


お礼の内容を聞いて、思う事がある、君達は彼女の美貌に気圧され過ぎていて行動出来ないチキンか?ってね…


団長という美しき存在!彼女は自身の美貌を理解していない!この街にいる全員が彼女の美貌に憧れているのだと!自身は一人の麗しきご令嬢なのだと、自覚させていただきありがとうございます!だのさー…普段から遠巻きに見てないで本人に一言でも綺麗ですねって言ったことないだろ?言えよ…


チキン共が感想を述べていく、その中で、一つ、後でとっちめようと思っていた馬鹿がわざわざ近寄ってきたのが見えた。

相手に気が付いていないと思わせないといけないので表情が読まれないように心の仮面をかぶる。


最高の青春の一枚をありがとうございます!先の光景を一生の思い出としてメモリーさせていただきます!だの~…「ん?先の光景?その記憶は消せ今すぐ」

団長の事を常に性的な目で見ている変態を追い払うと、目的としていた馬鹿が近寄ってくる。


あちらで、カメラで隠し撮りしてたやつがいたけど、とっちめておきましたよ!だの…

「あ”?写真撮った奴いるの?」

得意げな顔をするので泳がせる。


「それはよくやった褒めて遣わす!っで、データは当然、消したんだろうな?なぜ沈黙する?おい?こら?逃げようとするな。

隠し撮りをしたやつを注意したことを私に教えて時間を稼ぐつもりか?

私がそいつらを追及している間に現物をコピーして増やそうなんて考えてないだろうな?

おい?データは消す様に!い・ま・す・ぐ・に!二度は言わないよ?


…返事がないなぁ、戦乙女全員から嫌われたくないよねぇ?全てを敵にまわしたくないよね?これは比喩ではない警告だ、私ならそれが可能にできる、理解しているよね?」


圧を込めて上目遣いで睨み上げると、現行犯から強奪…もとい、持っていたカメラを観念したのか献上するようにと、すっと差し出してくるのを受け取る。


「うむ、苦しゅうない。褒美を遣わそう」

傍にいるメイドちゃんを手招きすると近くにいたメイドちゃんは全てを察してくれていた。

対価報酬としてメイドちゃんからいくらかの現金を受け取り、愛用しているカメラを渡してくれた人物がその場から離れていく、そう”現行犯のやつ”がね…そこまでは自白しなかったか


この私が!だれがどの動きをしていたのか、見ていないと思っているのかなー?

君が、カメラで隠し撮りをしていた張本人だと知っているよー?

罪を擦り付けるのはよくないよねー?


離れて行くカメラ好きの背中が小さくなるまで監視を続ける。

うん、道中で変な動きも無し。


ふぅ、やれやれ、本人も隠し撮りするつもりはなかったのだと信じたいよ。

普段から、カメラで色んな場所や人物の写真を撮ってるのがさ、趣味みたいな人だから。

記念に撮ろうとしたらまさか開けるなんて思わないじゃん?ってことだろうね。


あ、でも、団長があの服装を着ていたら開けるかもっておも、思うか狙ってた?

…故意じゃないよね?わざとじゃないって、思いたいんだけど、なんだろう?何かさ、引っかかるんだよね…なんか色々と思い当たる節が?不安が?拭い切れないなぁ、何か見落としてそうな気がする。まぁいいか。


現行犯だってわかっていてお金を渡すのですかぁ?っとメイドちゃんが不機嫌そうな声で質問してくる。

流石にね~、カメラは後で返すけど写真のデータを保存する道具ってのはさ、使い捨てが多いからね、意外とたっかいんだこれ。

だからさ、多少はお金を包ませてあげないと、素直に言う事を聞かないからねー。

これくらいのはした金なんて気にしないさ!だが!お前は前科がありそうな気がして仕方がないので!要注意人物として戦乙女達に通達させるからね?


メイドちゃんに念のために全ての写真を現像してもらうように手配し、中身を全てチェックするようにと指示を出しておいた。

メイドちゃんが離れて行くと次から次へと挨拶に人が押し寄せてくる…


彼らの挨拶を受け止めている間、視線をさりげなく泳がせて周囲の状況をチェックし続ける。

ちょっとした問題を手早く解決したのはいいけれどさ、頭を抱えてしまいたくなる。


まったく、油断ならない野郎どもだよね!まったく!理性を捨て過ぎじゃね?

ってかさー私だからこそ、ちゃんと温和に落としどころもしっかりとしてあげれるけどさー、一部の狂信的なファンに先の盗撮行為が見つかったら生きて帰ってこれないよー?

まったく、欲望に従い過ぎだよねー男子ってさ!!


ほれ、あっちを見て見なよ、私に一言挨拶を残して去って行った熱狂的なっというか愛に狂ってるNo3なんて未だに放心状態だよ?手に持ってるスープが入った器をフォークで飲もうとして、何度も何度もフォークがスープと口を行き来してるよ?

そんなことしても口の中に入るのは一滴くらいじゃない?何も掬えてないからね?何も口の中にはいってないからね?もにゅもにゅと口を動かしたり噛んだりしてる仕草しているけど、口の中には何もはいってないからね?


ほげーっと魂抜けちゃってんじゃん、記憶を消せっていったのに、守るどころか反芻してんでしょ、困ったやつだよね。

そして、そんな呆けてしまっている彼を誰も助けようとしない辺り…うん、そっとしておこう。


他にも彼のような人がいるのだろうかと会場を見回してみると、溜息をついてしまいそうになる。

熱狂的で狂信的な恋の奴隷達は彼以外にも多くいて、未だに天を仰いだり、そそくさと背中を丸めながら自室へと戻って行こうと歩く者もいれば、地面に突っ伏して祈りを捧げたりしている人物もいる。


この光景を見ても、団長は何も思わない辺り…ほんっと、罪深い人だよね!

ほんっと、さー、こんなにも熱狂的なファンがいるのに、自覚してないなんてどんだけ?

なんで、気が付かなかったんだろう?鈍感ってさ、酷い罪作りだと思わない?

熱狂的なファンが産まれた瞬間を最初見た時はさ、分かっててやってる人なんじゃないかなって、思ったよ?


うわぁ、この人、男に媚びる人かぁってさちょっと思っちゃったりもしたんだよね。

そしたらまぁ、後々、こいつは完全に天然だってわかったときは、思考が追いつかなかったよ。

生粋の女性だったら、もっともっと破壊的な罪を作っていたのでは?ってね、思ったりもしたさ。

でもね、冷静に分析すると、逆にだよね?生粋の女性として生きてきたらこうはならなかった気がする。

ただ美しいだけの女性だったらここ迄のファンを生み出していないってね、賢い私は分析してんだよね。

色々とややこしい事情があって複雑な背景が絡んで絡みまくったからこそ、ここまでの熱狂的で狂信的なファンが生まれたんだってね。理解したんだよね。


そもそもさー、団長ってさ、ある程度は、察しが良いしさ、頭の回転も速くて、パニックを起こすときは起こすけど、基本的にしっかりと状況判断も出来る人物。

医療班の団長として隊員たちがどう動いているのか周りの動きとかも良く見えている。

そんなスペックの高い団長がさー自分に熱狂的なファンがいることに気が付かないわけないもんね、って思ったりもしたんだけど、ん~…

そうなんだよね、彼女ってさ、複雑な事情があるからこそ、気が付かないふりをしていたのか、韜晦(とうかい)が凄いのかってさ、結局のところ、会って間もない時は、わかんなかったんだよね。


仲良くなって長い事、一緒にいてようやくわかったんだよね。


団長はさ、自分が男だから、男性から好きになってもらえないって…思い込んでるのかもしれない。

男性だけじゃなくてさ女性にも、何年も頑張っているのに、友達が出来ていないのも、自分の心が女性で体が男性だから、女性達は気持ち悪がっているいるんじゃないかってね…

良くない感情が気持ちを加速させてしまっていた。


まぁ、その原因の一つとして、周りの人達も彼女の事を崇めすぎなのもよくなかった。

意味も無く話しかけるのは不敬だって思ってる節があるから、それも良くなかったんだろうね。高嶺の花として君臨するような性分じゃないからね団長は。

例えるのなら彼女は誰にでも寄り添って欲しい、見て欲しい、何処にでもいる何処にでも咲く、一輪の野の花って性分かな?


様々な食い違い、噛みあわなかっただけで、周りがもっと勇気を出して踏み込んでくれたら彼女の心はストレスで潰れるような事は無かった。

かといって、ティーチャーみたいに、罪づくりな踏み込み方をする人が増えたら増えたらで面倒だけどね!…人付き合いって難しいね。


そんな事を考えていると長い永いいつ終わるのだろうかと感じていた、野郎どもからの感謝の挨拶が終わった。

はぁ、やっと解放されるなぁって思っていると、大きな足音が近づいてくる。

視線を音に向けると、のっしのっしとお酒とお肉を持った女将がやってくるのが見えた。


料理とお酒を持ってきてくれた女将に手を振って挨拶をすると、近くに置いてあったテーブルの上に盛ってきた料理を乗せて軽々と持ち上げてテーブルごと近くまで歩いてくる。

テーブルが置かれると椅子の上に豪快に座って軽い挨拶をした後、あの一連の流れについて思うところがあるみたいでお叱りを受けてしまった。


どうやら女将も、先ほどの事件を見ていたようで、団長の変化には、喜びがあるけれど、女性の肌を公の場で晒すんじゃないのっとお叱りを受けてしまった。

むぅ、私だってそんなつもりは無かったんだけどなぁ…私としても反省はしてるのでそのお言葉を胸に刻みます。


次からはもうちょっと用意周到に準備を怠らないようにしよう。

そう、私はいつだって一手遅いから。


反省しているのが伝わったのか、許してくれたのか女将の持ってきたお肉が口の前に運ばれるので、甘えるように、あ~んって口を開いて食べさせてもらっていると、隊服を着た団長がNo2と一緒に会場へと顔を出してくれた。


団長は、先ほどの事件をまだ引きずっているのかNo2の袖を掴み、後ろに隠れながら恐る恐るっというよりも恥ずかしそうにやってくる。


その甘えてくる仕草にNo2は物凄くご満悦のご様子だった。

顔がもうデレッデレだった。目尻も下がって、頬が緩みっぱなしだ。


そのNo2の姿を見た女将も、そりゃそうなるよねっと事情を知っているのか納得しているご様子だった。


取り合えず、私としては昔なじみの顔がそろったことだし!

今日の主役を椅子に座らせて、皆でもてなしてあげよう!っと至れり尽くせりで団長を持て成してあげた。


誰が何と言おうと、今回の功労者はダントツで団長だものね!

本人はそんな自覚はなくてさ、色々と失敗したって思ってそうだけどね!

団長ってさー困ったことに、意外と自己肯定感が低いからね!ったく、この妹は!


この場にいる全員が、団長が一番、頑張ったと思ってるよ…

もっと、自分がしてきたことの成果や結果に胸を張ってさ、唯我独尊のように踏ん反り返って誇ってもいいのに。っま、本来の言葉の意味ではないけどね。でも、彼女はその言葉にピッタリな気がするよ。


至れり尽くせりで持て成されている団長を遠目で眺めていると

色んな人が挨拶にやってくる。

医療班のみんなや、騎士や戦士に所属する戦乙女達、それだけじゃない医療班とはあまり関りの無い隠蔽部隊に研究塔のメンツ、技術班も挨拶に来てくれた。


普段から女性達とあまり深く関わろうとしなかった団長と話がしたかった女性陣も多い。

この場が良い機会となって、色んな質問が飛び交っていた…内容が少々、他にも無いのかって思ったけど、女性達からするとまずはそこが切り口ってことなんだろうね。


肌の手入れの仕方とかさ、髪の手入れの仕方とかさ、プロポーションを維持する秘訣を教えて欲しいとかさ、女性としての悩みばかりを相談されていた。

これをきっかけに親睦を深めて友達が増えてくれると嬉しいよね。


彼女達の質問攻めに耳を傾けているとつい、頷いてしまう。


ってかね!その質問内容に関してはね、そうだよねーって頷きたくなる!

私だって、初めて会ったときはなんて綺麗な肌!髪!妖艶で艶やかな人なんだ!?って感じちゃったもん。

そりゃ、目の前に美の化身がいたら、女性として気になるよね!

仲良くなってから、私もたっぷりと教えてもらってさ、いざやろうと思ったんだけど、あ、これは無理だ、スンゴイメンドクサイって思って殆ど実践できてないけどね!ふひひ。

さぁ、その助言を聞いてお前たちも、私と同じ思いを抱くがいい!!


っま、私にはメイドちゃんという頼りになるアシスタントがいるので彼女に頼むし~。

いざって時になったら、メイドちゃん以外にも頼りになる人がいるからいいんだけどね!本家本元の美への執着心が凄い人がいるからっさ!


彼女達の乙女トークに耳を傾けながら飲むお酒が五臓六腑どころか、心にも染み込んできそう。嗚呼、酒が美味い!美味なり!


乙女トークに団長が楽しそうに花を咲かせていると、ふと、視界の端で見えた人物が近づいてくるのが見えた。


おんやぁ?乙女の集団の向こう側からティーチャーがこっちに向かって歩いてくるねぇ、何かこう、決意めいたものを感じるねぇ


ちらりと乙女トークをしていた集団たちの顔ぶれを見るとお目当ての女性が誰かわかってしまう。

ははぁん、そういうことねぇっとティーチャーの思惑を察する。

だって背中に隠している花束でわかるよねぇー?

彼もまた、勇気を示すときってことか…



彼の勇気を邪魔する気はない、近寄ってくる異様な雰囲気を纏ったイケメンが乙女の集団の中へと堂々と入っていく。

その雰囲気を察した乙女たちが色めき立ちながら道を譲っていく

ある人物へと向かって伸びていく彼専用の花道…周囲の人達も彼の想いを知っていたって事。

その光景はまるで、使用人たちがお辞儀をして王子様が王妃様を迎えに行く、そう感じさせてしまう程に、煌びやかな光景だった。


王子様が足を進め、モーゼのように分けられ多くの女性が見守るように作られた花道を歩き、目的である女性の前に到着する。


彼の耳は少しばかり熱を帯びているのか赤く染まり、心臓の高鳴りを抑えようとしているのかずっと、片腕を心臓にあてていた。

その仕草ですら気品があると感じさせてくれる人物が、女性の前で、さっと優雅に華麗に、片膝をつき…花束を突き出した

そして、この流れがどうなるのか誰しもが彼の言葉に耳を傾ける。

「結婚してください!!」

普段大人しい彼からは想像がつかない様な大きく迫力がる告白に圧倒されたのか多くの女性達の声を奪い静かになる。

彼の想いを一心に向けられた女性は…誰しもが言うまでもない、彼女の返事は決まっている。

「はい、喜んで」

わかり切っていた答えだった。

二人は陰で付き合っているのをみんな知っていたからね、一人を除いて…


この一連の流れを…その人生を大きく変えていく告白を見た団長がずっと私の腕を握りしめていた。

ううん、色んな感情に耐え切れなくなったのか、すっと私の腕に顔を押し付け始める。

うん、泣きなさい、お姉ちゃんの腕で良かったら存分に泣きなさい。

こっちに来て初めての恋だったものね、失恋するのを重々承知で、陰ながら恋していたんだもんね。


ティーチャーと研究塔の主である長が二人で抱きしめあっている光景を後目に失恋で心を痛めてしまった団長の腕を引いて誰にも気づかれないように、音を消し気配を消し、一緒にそっとその場から離れていく。


新しい祝い事が生まれた、全員が見守っていた一つの恋が愛へと産声をあげたのだ。

会場には新たな熱が注ぎこまれたドンドンとヒートアップしていく…

そんな最中、私達はその熱を背に浴びながら少し遠くの静かな場所に移動していく…

誰もいない場所、熱を感じない場所で歩くと、我慢していたのが限界を超えたのか、ここなら泣いてもいいと箍を外したのか…

声にならない声で泣きじゃくった…

そんな団長が落ち着くまで、私が出来る事なんて、これしか知らない…

彼女が落ち着くまで優しく優しく抱きしめ続けてあげた。


長い長い片思いに決着がついたんだもの、感情を爆発させたいよね。

次の恋へと進む為には感情の清算が必要ってね…


ただ、残念なことに私の頭は、彼女の心配よりも…先の事を考えようとしていた。

団長を慰めながら、ここ最近の事を思い返していた。

ここ数日は色んな事が起こり過ぎて流石の私もキャパシティーを超えそうだ。


今日は、本当に色んな事が起きたなぁ…

祝い事もあれば、前に進む出来事もあって、新たな未来への祝い事もあって、停滞していた想いに終止符がうたれて、一人の女性が色々な経験を一度に済ませちゃった。

そりゃ、感情がね、情緒がね、不安定になっちゃうよね。

まったく、タイミングが良いのか悪いのか、何かが進むときは色々と同時に起こることが多いよね…

きっと、さ、みんな、次に進むための切っ掛けを欲しがってるんだよね。

次に、ね…


こうやってさ、人の気持ちは、何処かで前進していく。

立ち止まることを許さないように、進んでいく、時計の針と一緒。



私も前に進めているのかな?

お母様…私の針はあと、どれくらい持ちそうですか?…教えて欲しいな…


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追記:

完結してから、一度、見直して修正するところとか、読みにくい所があれば修正してます。

当時の目標が完結優先で、急ぎ足で書いていたので見直していなかったのです。

完結後に見直し訂正する予定でしたので!

ゆっくりと修正して行こうと思います。




─※ 完結まで読んでから見てね ※─ 

─※ ネタバレ注意 ※─ 


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今までの偽りだった自分の姿ではなく、心の中だけにあった鮮明に宿っているイメージ、今この瞬間も見え続けている姿が…やっと、私がイメージする姿とイコールとなって繋がった…


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このフレーズも伏線だったりします。

自分の中にある明確記憶、魂を加工される前の地球で生きてきた少女としての記憶です。


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つまり、今の私の体型だと…はいらない?…


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このフレーズも伏線だったりします。

実は、団長の体は内側からコントロールしないと父親と同じように大柄なゴリゴリのマッチョへと成長してしまう才能を秘めています。


今回も、全力で筋肉を行使したので、太ももが急速的に膨れ上がり三角巾が膨張したせいもあって、普段着ていた比較的大きめに作られていても団長からするとややピッタリと体のラインが出てしまうサイズ、それがMサイズなので、成長してしまった筋肉のせいで少々、動きづらくなっています。

尚、Lサイズだとブカブカでそれはそれで動きにくいなっと団長は感じていたりもしていました。


団長の体、そのホルモンバランスを調整しているのは彼らで

この今の姿を見て、団長がストレスで心の制御が狂うという出来事が無くなるのだと彼らは表から出る頻度を減らそうと考えてくれています。

また、裏設定として団長は女性ホルモンと男性ホルモンのバランスがアンバランスなため、更年期障害っという裏テーマも含まれていたりします。





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