作戦開始!!
姫が、お腹空いたし、今後の作戦の説明があるからね、ご飯食べながら説明してもいい?っと言われたので
隊服に着替えて炊き出しが出されている場所に向かうと
地面を揺らすようなドスンドスンっとした振動が地面から伝わってくる?なんだろう?
足元を見てから、正面を見ると、地面を揺らしている存在が走ってくるのがわかる、あれ?なんで鎧着てるんだろう?
「しんぱいしたんだよぉ!!」目に涙をいっぱい貯めながら走り寄ってきて、勢いよく私を持ち上げる
「きゃぁ、女将さん!どうしてここに?あと、どうして、現役のころの鎧着てるの?」勢いよく持ち上げられたと思ったらガッツリとハグされる。ハグされているけれど、力加減が絶妙で鎧に当たっているのに痛くない。
一通り満足したのか、ハグから解放されると隊服の袖をそっと捲くったり顔を見て号泣されてしまった。
うん、悲しませると思ってたから出来れば、会いたくなかったんだけどなぁ、てっきり、非難していると思っていたから街にはいないと思ってた、旦那さんとゆったりと過ごしているのかなーくらいで考えてた。
「ううう、あんたをこんな目にした糞猿をぶち殺してミンチにして死体をアンタの前に見せてやりたかったのにそれすら出来ない不甲斐なくてごめんよぉぉ」
女将は私の手のひらを自信の頬に当てながらポロポロと大粒の涙を流している、
ああ、女将は引退しているのに、無理をしてでも、私の仇を取ろうとしてくれたんだ、嬉しいけれど、貴女はもう非戦闘員の街の人じゃないの、無理して怪我でもしたら私も悲しいから無理しないで。
女将のやさしさに私もつられて涙を流してしまった。二人で抱きしめあいながらオーイオイオイと泣いている。
団長と女将の美しき友情を遠目で眺めていると
「ぉ、ここに居たのか」ベテランさんが声をかけてくるってことは
「必要な物の手配は全部終わったぞ、後は、程なくして全部、転送陣の前に用意されるであるぞ」
やっぱり手際がいい!部下への適切な指示出しは私よりも早いし的確だから、ベテランさんを捕まえれたのは運が良かった。段取り名人さすがだね。
視線を二人に向けると、どうやら落ち着いてきたみたいで、団長と女将も泣き止んだみたい、それじゃ
「ご飯食べにいこー」二人の肩をトントンと叩くと、二人ともグシグシと涙を腕で拭った後、うんっと可愛く返事する、何処となく似てるんだよねーこの二人可愛いよね~
二人の間に入って、左手に団長、右手に女将と手を繋いで腕を振って歩き始め、ご機嫌に鼻歌を歌う。
そのしぐさに二人は笑いながら付いてきてくれた。
ベテランさんもついてくるのかと後ろを振り返ったら、手配した物を運んだりと準備を手伝ってあげている。仕事熱心で素晴らしい!
三人で、ご飯を食べながら、今後の作戦を説明すると、団長や、女将から敵に対しての質問や、作戦内容の異議申し立てが多かった。
本当にその作戦で大丈夫なのかと、不安そうにしている。
直接、対峙したからわかるのだろう、敵の異質性、私も今回ばかりはちょっと、理不尽すぎると思うくらい完璧にコチラ側を想定した敵だと思ってるよ。
ただ、此方を完膚なきまでに潰すのならこの好機を逃すわけがない、私ならアイツに注目させている間に、手薄となったこの街を全戦力を持って物量で圧殺しに行くもの。
こちら側が敵の巣と思われる大穴を見つけているのだから、人間たちの巣である街だって敵側が把握してるはずだからね。
それが無い時点で、今回のはアクシデントに近い気がする、敵もまさか、あそこで会敵するとは思ってなかったんじゃないのかな?
普通に考えてつい最近、露見した地点にまだ人がいるなんて思わないもの、相手は獣で低脳だから戦略何て考えていないのが普通じゃないのかって?
私はね、たぶん、ううん、確実に
アイツらに司令塔がいると常々、思っているから
今までの動きとかから、そう推測される内容が多かった、今回のと、海向こうの事件、どんどんときな臭くなってくるこの感覚、実家にいた戦術士の人がたまに、一緒に遊びを通して学ぶ戦術指南って言うので遊んでくれたりしてたけど、その、今の攻められている感覚が、じわりじわりと追いつめられている様な嫌な感覚に近いもの。
一つの出来事から連鎖的に何かが動き始めているんじゃないかってくらい的確に何か意思を持って動き出している感覚、じわじわと攻められている感覚。
なのに、こんな混沌とした状況で次の一手を出してこないって言うのも怖い、こいつでこちらの目を引き付けて置いて裏で何かをしていると勘ぐってしまう。
だから、こんなザコに時間なんてかけてらんないのよね、作戦は単純明快で犠牲も出ないと思ってるから、悪くないと思うけどなー
この程度のザコくらい瞬殺できるくらいの道具をもっともっと作って、誰でも扱えれる様に練度も高めたいし、一台しかない物ばっかりだから、ある程度の数も増やさないと、今回ので有用性をもっとみんなに認知してもらえると嬉しいかなってくらいのイベントだと私は思ってたら、まさか、団長が単独で突っ込んで、どえらい目にあってるなんて思わないじゃん?
それの影響でみんなの殺意がテンコ盛りじゃん?
そりゃ、こんな単純な作戦でいいのか?ってなるよねー、もっと複雑に練って絡めてもドンドン使って、
完膚なきまでに殴殺したいのはわかるけど!あんなザコに構ってられないの!今日中に終わらせるからねー!
ご飯も食べ終えて二人に作戦内容を伝え終えて、二人とも危ないから城壁で遠見の術式使って見守っててね!私?現場にいくのかって?いかないよ~最終確認したら私も遠見の術で見守るから先にまっててね♪ウィンクすると二人とも心配そうに城壁の偵察台がある方へ向かっていく。
女将に至ってはこの剛腕を使う場所があるだろうと、鎧を着こんで何時でも出撃出来るように待機していたみたいで本当に私の出番内の?っと、心配そうにこっちを見てくれるけど、女将は非戦闘員!引退した人でしょ!現場は現役のチームに任せなさい!
作戦手順も全部ベテランさんに教えてあるし、道具の使い方も全部ティーチャーに教えてあるし、たぶん、問題ないよ?サクっと終わるから見てなさい!
転移陣で全ての準備が整ったベテランさんと、先ほどまで現場指揮を担当されていたティーチャーに作戦内容の確認と各道具の使い方、攻める手順、最終的にどの状態持っていくのかを伝える。
多少の手順違いや手順が狂っても大丈夫なように、この薬品がどのような作用があって、この道具がこういう役割を持っていて、っと更に詳しく内容を説明するとベテランさんもティーチャーも内容が理に適っているのがドンドンと理解し、これなら勝てる!いけるぞ!っと二人で声を出し合っていた。
二人の目が輝き、早く試したいと浮足立ってるので、深呼吸させて手順を確認してから突撃サインを出した
そこからはもう、電光石火のごとく!相手に気取られないように素早く迅速に展開されていく。
まず、敵が一人の敵に固執するのであれば、腕を捥ぎ取ったベテランさんを警戒するはずっということで
ベテランさんが相手の前に陣取り、相手をする、敵も腕を奪ったベテランさんが出てきたので咆哮し怒りをあらわにして襲い掛かる。所詮は獣、挑発に直ぐ乗る。ちょろいちょろい♪ここまできっちりとデータを揃えてくれたベテランさんたちの功績があるからこそ、すんなりと挑発が決まるんだけどね!
第一段階成功
ベテランさんには、槌に杭が追加された特殊工具を渡してある、槌の打ち付ける部分に杭がくっつているような見た目の特殊工具。
槌を叩きつけると叩きつけた個所に杭が撃ち込まれるように出来ており、打ち込んだら自動で次の杭が装填される仕組みになっていて、直ぐに次の杭が打ち込めるようになっている。
本来の使用用途として作ったのが、橋や、家等の大きな建築物を作る際の基礎とかを作ったりする時様に作った工具をちょっと改良したやつ。
杭を何処に打つのかって?どてっぱら?頭?ノンノン、杭は本来何のためにあるの?固定する為だよね?
そう、杭を敵の足に打ち付ける!ぇ?足の甲にもアイツの毛があって、杭が通らない?ふふふ、それは見てのお楽しみ♪
特殊工具は腰に身に着けさせて、得意武器と盾で適当に敵の注意を引き付ける。
猿がベテランさんに夢中になって気を取られている間に次の作戦の準備が完了する。
準備が完了次第、ベテランさんに合図を送り、ベテランさんも所定の位置まである程度、敵を誘導する。
誘導が完了次第、手持ちの投げナイフを相手に向かって一定間隔で投げる。
敵はこんな状況でも飛び道具を警戒している、ベテランさんを相手ながらの飛び道具には、苛立ちを感じているようでどこに意識を向ければいいのか注意が散乱していく。
そうすると、何処かで絶対に、ベテランさんへの警戒が、意識が低下する!低下したとベテランさんが判断した瞬間に、ベテランさんの後方で待機している人にフィンガーサインを送る。
それを見た、後方で待機していた弓兵部隊その1が、弓矢で、ある薬品をたっぷりと入れた水風船を敵の上空に飛ばしまくる、一つと言わず何個も同時に、
当然、その水風船を当てる為にも、猿の動きを封じる為に、ベテランさんがちょくちょく挑発し、ベテランさんの動きを助ける+相手をその場から動かせなくなるように、手投げナイフを投げまくってもらう。
敵は当然、上空に何かが来ているとわかっているのかチラっと視線を上に向けるが、視線が上を向いた瞬間にベテランさんが攻撃を加えるので、上空を通過する物体を叩き落とす余裕なんて無くなるわけで、まぁ、叩き落としてもらっても一向に構わないんだけどね!中の液体が猿にかかれば問題ないからね!
その水風船が敵の付近に来た時に他の弓兵、または、術を発動させて、水風船を敵の真上で割ってもらう。
流石、優秀な部隊、的確に敵の真上で薬品入りの水風船をどんどんと割っていく、結果!上空から降り注ぐ特殊な薬品!匂いも香料いれて、それが一体なんなのかわからなくしております♪ちなみに猿が好きそうな桃の香料を強めにブレンドしております♪
それが、猿に全身びっしょりとかかる、頭からつま先まで完璧に液体に浸す。
敵がそれが何の液体なのか理解する前に、ベテランさんが敵の足に向かって特殊工具を使って足の甲を貫くように打ち付けてもらう
貫通するのかって?
するさ、前実験はとうに終えている、優秀な解析班が居るのだから、当然でしょう?腕一本分のサンプルがあるんだよ?余裕だよ。
一つ目の杭が敵の足の甲を貫き、杭によって片足が地面に固定される。
敵が痛みによって叫んでいる瞬間に!瞬時にもう片方の足も杭で貫き固定する。
固定が完了したら少し下がって相手の動きに注視する!
作戦の第二段階完了!
第三段階に移行する!
更なる痛みで叫んでいる間に、複数の騎士で周りを囲むと、第二の弓兵が持っている特殊な弓矢、二人同時に放つことで矢と矢の間に鉄で出来た紐を繋げており、その鎖の様に強固な紐を相手にぶつけるように放ち、矢が地面に刺さる様にうってもらう、それを四方八方から放ち、猿を鉄で出来た紐で両腕、両足、胴体と雁字搦めにしていく、
さらに!紐が敵から外れにくくするために!固定力を高める為にU字型の杭を使って矢ごと地面に打ち込み、紐が敵から外れにくくする。
第三段階完了!
第四段階に移行する!
猿が抜け出そうと、もがいた瞬間に四方に待機させていた騎士を突撃させ手に持った槍で敵を貫いてもらう出来れば魔力タンクがある可能性が高い腹部を狙って欲しい。
魔力タンクが損傷すれば、魔力による回復が出来なくなるので作戦がより早く終わるから。
槍はささるのか?愚問だね、先ほどのベテランさんが杭を打ち付けていたのを見ていなかったのかい?刺さるさ、突撃槍兵には筋力瞬間増強の術式も+してあげているからね
刺さらない道理がないよ。
身動き取れない目標に向かって槍兵は突撃していく、結果、今までにないくらいの痛みによる叫びが辺り一面に広がっていく、猿タイプの嫌な所は五月蠅いところだね。
再生?出来るものならしてみなよ、杭と槍が食い込んでいる状態で使えば当然、体に食い込んだままで、くっついたまま回復しちゃうよ?より一層抜けにくくなるからね?所詮は猿よ!杭を外して、体を貫かいた槍を外してから再生させないと意味が無いさ!だが!両腕、両足、体幹を封じられたこの状態で何ができようか!?できるわけがない!更にお前が術式を使って魔法を使っているのを見たことが無い、そして貴様の切り札は回復タイプ!お前にいったい、何の選択肢が残されているのかな?
あるわけないだろ!馬鹿め!
第四段階完了!
最終フェイズに移行します!!!
わかってるよ、これくらいじゃ、死なないだろう?傷口を再生できなくてもそれくらいじゃ、殺しきれないよね?なら、ご自慢の魔力タンクを空っぽにしてから首を落とせばいいのさ!
火炎放射器部隊!前へ!!油部隊!全力で相手に投下!
油の入った瓶を徹底的に相手に投げる、パリンパリンと猿に向かって投げていき、次々と燃えやすい油がべっちょりと体にへばりついていく。
炎が利かない?それって術式を使って魔術での炎でしょ?それってさ、魔術濃度が足らなくてレジストされるからでしょ?魔力以外の燃える要素で攻めればいいじゃん?当たらない?動きが速いのなら動きを封じればいいじゃん?ほれ固定したよ?当て放題だよ?ほらね、簡単でしょ?
更に!普段は農薬や水などを散布する為の魔道具の中に本来は水や農薬を入れるタンクにの中に油をセット!さらに油を倍プッシュ!猿にダイレクトにかけて貰う、そりゃもうどっぱどっぱよ!その工具は次に使うときに一旦全部、解体して油が通った部分をきっちりと洗浄して整備しなおして返却になるけれどね!どんなものでも使いようによっては輝くのさ。
次に!可燃性のガスを勢いよく噴射しそのガスに火をつけて、遠距離の敵に向かって火を放つことが出来る火炎放射器を油まみれの敵に向かって業火の炎のごとく!終わる事の無い永遠の炎に包まれてもらうのさ!!!
火炎放射器から放たれる炎によって、油がドンドンと連鎖的に引火し、それはもう凄い勢いで火柱が打ちあがる。ちょっと臭いキャンプファイヤーの出来上がりだった。
ここからの流れは以下の流れになります。
敵が炎によって燃やされるダメージを回復する為に魔力タンクからリソースを使って生きようと回復する
↓
組織や細胞が再生される、細胞がくっつく際に打ち込んだ杭や槍がより深くめり込む。より一層身動きが取れなくなる。
↓
ひたすら、油を敵に向けてぶつけまくって火がなくならないようにする+敵が酸素で動いているのであれば、酸欠も狙える二段階構えとなる。
↓
敵が回復する、ループの完成
これを永遠と!相手が死ぬまで繰り返すだけ!
それだけじゃないぜ?名の為に鉄製の武器を選んだと思ってんだい?
熱せられた敵の動きを封じる為に雁字搦めにした鉄線が、更に相手に食い込んでいき鉄線の熱によって皮膚を裂く!さらに!炎に焼かれた肉は脆くなり鉄線がより一層食い込みやすくなる!いつかは胴体や腕などを切り裂くだろう。
熱せらえた鉄の槍がいつかはグズグズになった敵の肉を貫き貫通するだろう
全身穴だらけ、胴体までバラバラになってまで再生できるのかな?っていうか炎のダメージを耐えきれるほど魔力タンクは持つのかな?こっちの油はまだまだあるよ?念のために街中の油をあつめてもらったからねぇ
完勝とはこれと知れ!くたばりやがれ糞猿がぁ!団長と同じ目にあって悔いて死ね!!杭だらけだけにな!!!作戦完了です!!
猿が焼ける臭いが辺り一面に広がると、当然その匂いにつられてやってくる野獣どもを駆逐しながら敵が完全に動かなくなるかバラバラになるまでひたすら待つことに。
凡そ30分ほど経った辺りから猿はピクリとも動かなくなってボロボロと肉片が崩れ落ちては焼け消えていく。
その様子を見たベテランさんが油の投下をやめさせた、火炎放射器は火が弱くなった時に使うぐらいで最初の着火以外は殆ど使わなかった。
火も弱まり、黒焦げの炭状態の猿がゴロンと大地に転がり、念の為に首を落とそうと刃を振り下ろすと、ザグっといとも簡単に切れてしまった、感触で言えば焼き過ぎて黒焦げになったパンといった感じだった。
その後、一応念のために頭を槌で砕いてみるとバサっとした砂山に向かってハンマーを振り下ろしたような音と共に猿の頭は粉々に砕け散った。
最後の方は、早く死ねよだっるっという感じで只々、じーっと見守るだけのあっけない勝利で幕を閉じた。
ベテランさんもこんなにあっさりと山場も無く、淡々と終わるとは思っておらず、本当に勝利したの?っという感覚だったが、自分が勝どきを上げないと終わらないと判断し
手に持っている得物…特殊工具だと様にならないので、適当に落ちてた槍を持って、勝どきの雄たけびを上げると、その場にいる全員が大きな声で歓喜の声を上げた。
もちろん、遠見の術式で見ていた人達も一斉に歓喜の声を上げ、その声を聴いた街の人達も終わったのだと悟り、歓喜の声を上げ
辺り一面が喜びの声であふれていた。
当然、病棟にも声が響き渡っていたので看護師や医療スタッフも大きな声は出せなかったが各々が喜びをかみしめ、
その声を聴いた現状動けない要治療の患者たちも涙を流し喜びをかみしめていた。
終わったのだ、あの悪夢ともいえる大惨事を招いた諸悪の根源を打ち滅ぼして。長い長い千日手になる覚悟だった戦いが終わったのだ。
敵を倒した後の後片付けを忘れずにしていく、結構な量の火や油を使ったので燃え広がらないように砂をかけたり、水をまいたりと後処理をし、
敵の燃え残った死骸を研究塔に持ち帰ったり、一応、多少は残ったからね、残った部分はしっかりと研究して解析して応用できる物があれば人類の英知へと昇華し有効活用させてもらわないとね。
敵が使っていた得物の解析も進めて、どれくらいの人数の魔力が必要で、どのくらいの規模の爆裂を着弾させることが出来るのか実験もしたいし!
今回は失う者もかなりいたけれど、得る物も多かった。
犠牲者たちをみんなで一人一人挨拶を済ませて、弔っていく。
多くの新人を失い、多くの隠蔽部隊の人を失った。これによって隠蔽部隊の隊長は大きなお叱りを受け、隊長の座を下ろされ、再度隊員からやり直せっという通達で終わった。
余談だが、この事件を引き起こしたと本人たちは罪の意識に蝕まれ、たぶん、街から去って実家に引きこもるんじゃないかと思っていたが、ある包帯ぐるぐる巻きのお姉さんに励まされたと本人達は語り、死んでいった友達の分まで骨を埋める覚悟でこの街で騎士となり守っていくと心に決めたそうだ。
そしていつか、立派になったらそのお姉さんに告白するんだと活き込んでいたそうだ、、、誰だろうね~?そんな優しい包帯ぐるぐる巻きのお姉さんってひとー?見つかるといいねー♪
因みに、いったい何の薬品をかけて、アイツの毛を無効化したんだい?っと質問されたので、アイツの腕から採取した毛を出して、酸性の濃度がやや高めの掃除用洗剤に浸すと指で摘まんでちょいっと引っ張ったらぷつっと切れた。
それを見た女将が唖然としていた、そんな簡単に切れるのかい?っと
浸透させちゃえば意外と楽だよっと伝えるとがくっと膝から落ちて、あたしの剛力でさえ切れなかったのにとつぶやいていたので
もう一つ種明かし
毛をもう一本取り出して、毛に魔力を通し、女将に鋏を渡して切ってみてって言うと女将は一本ぐらいなんてなめてんのかい?っと鋏を受け取り切ろうとするが
切れない
毛はピンっと立ったまま一向に切れる様子がない、女将もかなり力を入れているが切れそうにない
どうなってんだいこりゃぁ?っと目を真ん丸にして不思議そうにしている、次は、毛に通した魔力を抜いてから、先ほどと同じように切ってみてと言うと
ぇぇ?どうせ切れないに決まってるじゃないかっといい鋏に力を入れるとあっさりと切れてしまった。
驚きを隠せない女将に、この毛ってね、魔力を通すと硬くなって、束ねると毛と毛の間に魔力の溜まりが出来てね、それが衝撃を吸収するクッションになるの。
ぁ!だから!女将もどうやら敵の防御力の高さがどうして実現できたのか理解したようだった
そう、魔力タンク型だから出来る常時、結界レベルでの鉄壁運用だ。
しかもだ、少量の魔力で鋼よりも硬質になり、使用した魔力が抜けていく際に毛と毛の間に溜まり衝撃を緩和する衝撃吸収材へと再利用するっという徹底的なエコサイクル使用。
相手の魔力が尽きるまで攻撃したとしたら本気で千日以上かかったと逆算できてしまうほどである。
この毛を、培養液で増やすこと出来て魔力タンクをどうにかできれば、私達でも同じ防御力を手に入れ最強の鎧が完成するのだけど、残念ながら、獣たちから採取した物って培養出来た試がないから、机上の空論ってことになりそう。
やれやれってポーズをとると、女将も期待したんだけどねぇっと同じように残念そうにしている。
なので、現状で敵から得れたのは
・少量の魔力を通せばめちゃくちゃ硬くなる毛皮
・爆裂魔法を放つことが出来る私達では作り出せないオーバーテクノロジー満載の杖
・胴体の部分が残っていたので、魔力をどのようにあそこまでチャージできたのか解析できれば今以上の魔力タンクが作れる可能性が高くなる新方式の魔石
ってところかなー?意外と戦果がないのが悔しいが、人型を倒しても得られるものなんて昔からほとんどなかったし、いいさ。
今は、大切な人を守れたことだけでも良しとするべきだよね♪亡くなった命は大切じゃないのかって?貴方はこの世全ての命を優劣なく扱える人?私は無理♪
糞みたいな害しか与えない人間なんて要らないって言えるよ。
でもね、今回亡くなった人はそうじゃないから、凄く悲しいよ、もちろん、決まってるじゃない。みんなの顔も思い出せるし、思い出もあるよ!!
亡くなってしまった事実はかわらない!生き返らせる方法なんて無い!だったら!この教訓を生かして、次につなげるのが私達の役目!!泣いてる、泣いてない!これは心の汗!汗なの!
非情にならないといけない部分も必要だってわかってる、わかってるよ…私は進むと決めたんだ!もう失いたくないって、進むと決めたんだ。
全てを失わずに終えれるとは思っていない、死を受け止め次に進む原動力に変える!守りたい人達がいるから。その人達だけでも、絶対に守って見せる…
出来る事ならだれ一人として犠牲者を出したくないに決まってるじゃないか…ちくしょぅ、ちくしょう!ちくしょう!!!
こうして、脅威の人型との戦いは終わりを告げた、この事件で前に向かって進もうと思えるほどの心を持った者だけが今後もこの街で生きていけるだろう
こんなにも、いつどこで人が死ぬかわからない街、死が軽い街、それこそが人類の壁、最前線の街…
数多くの死を持って支えられてきた、そしてこれからも…
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