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最前線  作者: TF


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22/843

燃える闘う魂!革命の戦士がここにリングIN!!

加筆修正完了!


誤字脱字の見逃しあれば教えてくださいませ~><;


後、後書きにネタバレなどが含まれてる設定資料とかも残していこうかと思っていますので

初見さんは見ないようにしてくれますと嬉しいです!


糞ったれな猿の眼前に、今一度、復活する伝説と謡われしコンビ!最強のタッグ!


この二人の背中を見て、戦士になる事を憧れ猛者へと至った者も多いだろう


力こそすべて、力さえあれば全てを捻じ伏せる事が出来る、究極の肉体美


技こそすべて、全ての接近戦に用いられる武器を完全に巧みに扱い全てを翻弄する、洗練された動きは周りをも魅了してしまう程の美


完成された肉体に、完熟された技量、その二つが揃うとき全てが終わると言わしめた伝説の二人組

数多くの戦果を上げ、数多くの武勇伝を残し、倒した敵の数は数え切れず、二人だけで倒した二足歩行の数も歴代TOP


この二人を育て上げた師匠も感無量!言う事無し!この大地に戦の神がいるとすれば最強は誰かと指さすはこの二人!!



究極完全!褒める言葉がこれ以上、見つからない!伝説のタッグが今ここに!!!!



語り継がれていた歴戦の猛者の中でも群を抜いて活躍して来た二人が肩を並べて現場に現れるのであれば、兵士諸君、全員が目を輝かせ絶叫した!二度と見ることが叶わないと思っていた伝説の戦士が戦に帰ってきた悦び!


過去に、この二人が戦う姿を見たものは、また、あの伝説が見れるのかという期待感!

この二人の闘争を見たことが無い、若い世代たちからすれば、先輩達から耳に胼胝(タコ)ができてしまうと錯覚を起こしてしまう程…何度も伝え聞いたおとぎ話、そんな二人がこの死の大地と言うリングに降臨したのだ!

戦士であれば、この二人が戦場にいること自体が奇跡!熱狂せずにはいられない!


後方から凄い熱狂の声が聞こえてくることにティーチャーは振り向きたい一心であったが、戦場で目を背けるわけにはいかず、内心焦っていた。

聞こえてくる音に、気になるフレーズが山ほどあったからである。


焦りを感じさせずに、指揮をするが、敵の前で戦っている騎士達も後ろからの熱を感じ取っているのか、浮足立っている。


一人の騎士が浮足立っているのが敵にも伝わったのか、危険な一撃がその騎士に降りかかろうとした瞬間

「させないよ!!!」

大きな声と共に、大きな物体が上空を飛んでいき、猿に向かって真っすぐ飛んでいく、その塊がなんなのか?答えは一つ



「どおりゃぁ!!」


ガンっと重く重い鈍いて鋭い音が辺り一面に広がった。

大きな槌を持った全身甲冑の漢が後方から飛んできた!着地と同時に、いや、着地と言うエネルギーすらも利用するように猿へと重い一撃をお見舞いした。


ベテランさんだ!我々の上を飛ぶように鎧付きのベテランさんが飛んでくるなんて誰が想像できる?

ベテランさん自身が後方から飛んでくるほどの脚力は持ち合わせていない!

だとすれば!いったいどうやって!?答えは!明確!


ノッシノッシっとゆったりと参上!!あんな重さを投げれる人は地上に置いてこの人以外ありえない!!

「ほぉ、噂通りじゃないか!なんてかったいやつだろうねぇ!あの一撃を受け止めて平気な顔してるんだからねぇ」


伝説の戦士!剛腕の粉砕姫!我らの胃袋も剛腕で掴んで離さない!酒場の女将だぁ!!!!




地面へと滑るように着地し即座に2足歩行から距離を取り、手に伝わってきた感触を確かめる。

「今の一撃が、片腕で塞がれるなんて、ちょっと予想外の硬さだなぁ…」


投げ飛ばされた力+重力落下エネルギー+俺の上半身の捻りが加わった一撃だぞ?鉄の壁くらいなら簡単に凹ませれる自信があったんだがなぁ…


俺の、おっと、吾輩の不安をかき消すように大きな声を出しながら進んでいく久方ぶりの戦場でテンションが上がり切ってしまっている先輩が大股で近づいてくる。


「さぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁ!!!!どきなどきなどきな!!!巻き込んじまうぞ!!!」


豪快な登場をしてきた二人から離れるように騎士達が僕の周りに集合する

あの二人が揃ったのであれば、僕たちは足手まといになる。

周囲の警戒をしてもらおうと指揮を出そうとすると


「成人男性よりも重たい武器を片手でブンブン振り回しながら猿に向かって駆けだした巨躯の肉体!!

とてつもない重量なのに、軽々と上空へと飛び上がる!!」

後ろからやってきた隠蔽部隊らしき人物が声を荒げ始める…ここは戦場なのだと戒めてあげたいが、彼の声を頼りに先輩達の動きを把握し僕らは周囲を警戒しよう。


指示を出している間も実況は続けられていく

「あのようなパワフルなエネルギーの集合体みたいな肉体が飛び掛かってくるのだ、いかな2足歩行の糞猿でも警戒し上空を見上げ、上空からくる一撃をいなすのか、避けるのか、受け止めるのか選択肢を取ろうとするだろう。

だが!その隙を見逃すような人じゃないのがベテランさんだ!」

ついつい、その実況に引っ張られてしまい多くの騎士達が視線を向けてしまう。

指揮者である僕ですら抗えない。


猿の足元からゴツンっと重い音がした。

「敵の動きを封じる為にベテランさんが敵の膝裏に強烈な一撃をお見舞いする!!」

その衝撃で膝が曲がった!僅かでも敵の軸がぶれた!!

上半身が後方へと落ち体勢が崩れていく、上空から落ちてくる巨体、圧倒的な質量が眼前へと迫るのであれば、その行動は必然!慌てるように両腕をクロスし、防御態勢を取っている!あの猿が!防御しようとしている!


「受け止めれ切れるかねぇ!!!」

勇ましい言葉と共に衝撃が地面へと振り下ろされようとしている!


「女将の重み+落下エネルギー+武器の重み+女将の剛力!!!

これの衝撃は足し算じゃねぇ!掛け算だぁ!!!1×1×1×1は!!1000倍だぁ!!」

興奮する気持ちもわかる!僕だって視線が外すことが出来なくなってしまっている!

振り下ろされた衝撃は、音となって周囲を跪かせてしまう!


バゴン!!っと太い木材で出来た床を叩いたかのような音が周囲に響き渡り、その衝撃波が僕達にも届いたような気がした。


人生で一度も聞いたことの無いような重い重い、大地が裂けたんじゃないかと思うくらいの音が周囲に走ると、離れた距離まで伝わるほどに地面が揺れた。

「地面が揺れた!?なんという威力!!なんという衝撃!!」


あまりにも聞いたことの無い鈍い音が耳を通り抜けた瞬間に、猿が雄たけびをあげると。

「女将の一撃を受けた両手で女将を跳ね飛ばす!敵はあの一撃すら受け止めるというのか!?」

実況者の熱は冷めることなく猿に負けじと叫んでいる。


「おいおい、あたしをこんな軽々と吹き飛ばすのかい!硬いだけじゃないってことさぁねぇ!!!」

上空に吹き飛ばされた女将が驚いているが、我々も驚いている!今まで対峙してきて、あんな雄たけびをあげたことなんて一度も無かった!!それと同時に、我々では足りない圧倒的な力の差があるのだと突きつけられ胸の奥が痛むような気がした。


非力な自分を振り払うように周囲に視線を向け警戒を続けようとするが、自然と、二人の行動に視線が吸い込まれてしまう。

女将を跳ね飛ばした瞬間に生まれた隙をあのベテランさんが見逃すはずもなかった。

すかさず、敵の踵へと槌を振り抜こうとする、まるで、地面に置いてあるボールを打ち上げるように!激しい音を響かせながらぶつけた!!


そう!踵には毛がない!つまり!全ての衝撃や斬撃を防いでいる諸悪の根源!天然の鎧がないのだ!

我々も毛のない場所を攻撃できまいかと試行錯誤はしていた!だが、走り回り飛び回る敵のカカトを撃ち抜くなんて…そんな隙が無かった!


全員が期待を込めて見守るとゴンっと鈍く重い音が聞こえ

「Agiyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」

音同時に猿が受けた衝撃が僕達にも伝わってきそうな程の叫びがうまれた!

「今まで痛みの声を上げたことの無い猿が痛みで叫んでいる!?この光景にこの場にいる全員がこの二人なら勝てると確信を得られた!!我々の勝利は近いぞ!」

苦痛の声が騎士達の胸に染み渡ったのか全員が一斉に片腕を上げて喜びを顕わにしていると


「女将が地面に着地すると、直ぐに大地を蹴り、手に持っている大斧を全身の力を使って投げたぁ!!!」


ゴオウ!と人生で一度も聞いたことが無いような凄まじい轟音を響かせ飛んでいく斧。

凄まじい勢いで投げられた斧を避けれないと察したのか、猿が再度、両腕をクロスさせ衝撃に備えている。

跳躍力がある猿が防御の姿勢を取ると言うことは!どうやら、先のベテランさんの一撃によって、足の機能が低下しており、跳躍できないでいる!

周囲の騎士達も警戒しなければいけないのに、視線が釘付けになってしまっていた。


全員が見守り続ける中、斧が猿へと激突する瞬間にベテランさんの一撃が加わった!

そう、対角線上にいたベテランさんも斧が飛んでくることに対して予測していたのか備えていた!

綺麗に腰を回転させ、斧が当たる瞬間に合わせて猿の後ろから頭を槌でぶん殴った!!

斧の刃は両手で防がれてしまったが!斧が発生させた前方からの衝撃!ベテランさんからが生み出した後方からの一撃!

「渾身の腰の回転を聞かせた後ろからの後頭部への一撃!が炸裂する!!前後の衝撃に如何に鋼鉄の守りを持っていると言えど!クロスした腕が前からの衝撃を吸収しようにも!後ろからの一撃でおろそかになる!そして!顔面には守りが無い!!!クロスした腕が顔面にめりこんだぁ!!」


爆発音なのかと聞き間違えてしまいそうな凄まじい音が辺り一面に広がっていく。

それと、同時に猿が「地面へと前のめりに倒れようとしている!!!」実況の彼も興奮がさらに高まってしまっている。


猿は両手を地面につき、なんとか倒れないように踏ん張っている!だが、脳震盪を起こしているのか、直ぐに動こうとしない!

「おおっとぉ!糞猿は動きを止めたぞ!!」

この状態ならいけると全員が固唾をのみ自然と拳を作り見守っていた。


女将はこうなるのがわかっていたのか、全力疾走で猿に向かって走り出していて、いつの間にか手には斧が握られていた。

猿の近くにくると再度飛び上がった


「合わせなぁ!!!」「応ともさぁ!!!」

それと同時に二人の声が重なり、いや、実況者の方の声もいれると、いや、この場にいる全員が声を荒げている!会場が一体となってぶち殺せと叫んでいると

「二人の合わせ技は止まらない!余りの衝撃で空中に飛ばされた斧を女将は華麗に片手で掴み!上半身の力だけで振り下ろされる!何処に振り下ろすというのか!!殺意を込めて!斧側の方で的確にぃ!!相手の肘目掛けて大斧が振り下ろされたぁ!!」

四つん這いとなっている人型、自身の体を支え持ち上げようとしている腕、それも肘に女将の体重とあの重い斧がぶつけられた!

その衝撃は言葉に言い表せないほどに凄かった!周囲の人達が叫んでいるというのに大きなガァンっと鉄でも叩いたかのような音が聞こえるほどだった!そして!叩いた音の中にバキっと何を砕いたかのような音も聞こえてきた!


確実に肘を壊したと!だが!振り下ろされた斧は敵の肘に刺さってはいるが切断までは至っていない!

周囲の兵士達が大きな雄叫びを上げると敵の肘に刺さっている斧、その槌の部分へとベテランさんが握りしめている槌が振り下ろされ!再度、一撃を上乗せされようと!!


女将が振り下ろした斧、その形状は斧と槌が合わさったただの斧だけではない!向きを変えれば槌としても扱えれるようになっている!その槌の部分をベテランさんが渾身の一撃で叩いた!!これによって!!


全員が手に力を込め自分たちの願いを込めるように見守り続けている


この場にいる兵士達の祈りというなの殺意が一点に集中するようにベテランさんの槌が振り下ろされ獣の肘に刺さった斧へと衝撃が走り一瞬だが、火花が飛び散った!!

火花が消えゆく瞬間、音が世界を埋め尽くすようにカァァアァァンっっと、広がっていった。

激しい音すらかき消してしまいそうな歓喜の声が湧き上がる。


「今まで一度も切ることが出来なかった猿の皮膚を!毛を裂き!肘ごと切断することに成功した!!」


余りの衝撃で切断された腕は凄い勢いで飛んでいった!

それを見たティーチャーがすかさず「あの腕を回収して解析班に渡せ」と、指示を出すと飛んでいった腕を掴んだ兵士が急いで駆けて行った。


傷つけられた人型は何をするのかわからない、切り札を出すとすればこの辺りだと、全員が歓喜の叫びを止め警戒心を高めていく。

警戒心が渦巻くその渦中にいる人型は、声にならない程の悲鳴を上げ、二人から飛ぶように離れ睨みつけている。


一連の流れで息が荒くなっている戦士が二方

猿が逃げないように周りを囲み始める騎士達


その場にいる全員がこれは押し切れる!このまま押し切るのだろうと騎士達は思っていたが、二人は突然連携を止めて敵の動きに警戒している。


二人がどうして、止めを刺しに行かないのか?

警戒しているのだ、敵の切り札を過去に幾度となく幾度となく見てきた二人だからこそ、今踏み込めば死ぬ恐れがあると知っているのだ。


全員が固唾をのんでいると猿に動きが!猿が先に動いた!

切り札のカードを切るのか!?


全員がどんな攻撃が飛んでくるのか予想が出来ないので防御態勢を取り警戒高める。


脳裏に過るのが、大地に大きなクレーターを作った爆裂魔法、もしかしたら、こいつは切り札として一度くらいは依り代抜きで爆発を起こせるのでは?っと全員が警戒していた。

ティーチャーも当然それを警戒している、無論、それ以外の攻撃方法も警戒していた。

彼もまた、敵との闘いを長く経験してきているからこそ知っている、過去に起きた切り札がとてつもない一撃ばっかりだったからである


防御態勢を取っているが、一向に衝撃がこない…


「そうきたかぁ」「厄介極まるなぁ」


伝説の二人組から零れ出る言葉で何かが起こったのかは確実だった。

何事かと注視すると、目の錯覚かと思った、一瞬理解が出来なかった

脳が誤解しているのでは?ありえない…ありえないが、これがこいつの切り札なのだろう。



吹き飛ばしたはずの猿の腕がゆっくりと復元されてしまった。

僅かな時間で、完全に元通りになっている!厄介な毛もしっかりと再生されて復元されている!


だが、これで敵の切り札は露見した、ただただ、再生されるだけだったら無限の苦痛を与え続ければいい。

復元されたのであれば、先ほどと同じ様に連撃で落とせばよいのでは?っと周りが全員、思っていた、厄介ではない、こいつには永遠の苦しみを与えることだってできる、そう思った人もいただろう。


だが、歴戦の二人が下した決断はその場にいる全員の予想とは違っていた。


「逃げるよ!」「応!すまないがみんな!一時離脱する!」


伝説の二人組はあっさりと戦線から離脱するようにその場から離れようとした。

それを察した騎士部隊が二人の後退を手助けするために全力で猿を攻撃し、注意を引き付ける


騎士達が隙間なく連撃で攻撃している間に、脱兎のごとく、一目散に走り抜ける女将とベテランさんの姿があった。ティーチャーは瞬時に現場を指揮し、その二人の後を追って、どうして戦線離脱を選択したのか理由を聞いて来いと使いを出した。


実況者も戦況と空気を読み二人の後を追いかけるように持ち場へと戻っていった。

セーフティエリアに入ったとしても二人の足は止まることなくかけ続け、その勢いのまま、女将とベテランさんが全力疾走で転送陣に駆け込んでいった。


転送先で二人が息も絶え絶えで、その場で仰向けで横になり、天を見上げてしまっていた。



「はぁはぁはぁ、くっそ、はぁはぁ、筋肉は仕上がっても、はぁ、ぁ、ふぅ…スタミナは落ちてるねぇ」

肩で息をしてる先輩の声が震えている、現役から退いていたのに、あそこまで動ける貴女が凄すぎますよ。

俺も、いや、吾輩もであるな、もっと動けると思ったいたのであるが、あの頃に比べて全力を出せる時間が短すぎると感じてしまったのであるなぁ…


息を整え終えるとダン!っと大地を叩く音が聞こえてくる

「くやしいねぇ!くやしいったらありゃしないよ!!私の大好きなあの子を!!!あの子を!!!傷つけやがった糞猿を殺せないのが!!!なんってくやしいんだい!!」

ダンダンダンっと何度も何度も大地を叩く音が聞こえる。

振動が伝わってくるたび、貴女の苛立ちを感じる。悔しいが吾輩としては上々の結果だと思っている。


どうして、もう戦場には出ないと言っていた先輩が奮起したのか、予想はしていた…

団長の惨状を知ってしまったからだろう


団長と女将はとても仲が良い。

よく姫も含めて三人でお酒を呑んでいる、三人で呑むのが今は一番楽しいと仰っていた。

その友達が、娘の様に甘えてくる大事な大事な友達が、ずっとずっと、一生懸命に努力してきたあの子の努力を踏みにじった糞猿をこの手で制裁したかったのだと、予想はしていたよ。

そして、その言葉を聞いて納得だ、貴女は誰よりも努力する人が大好きだから。


大粒の涙を流してるのか、お~いおいおいと泣いている声が聞こえるので顔を横に向け視線を女将に向けると、いつの間にか旦那さんが女将のそばに居て、旦那さんの膝の上で泣いていた。


背中を丸くして、泣き叫んでいた。


旦那は女将の頭を撫でながらも背中をさすってあげていた。

…吾輩から見たら牧師が大きな牛を宥めているようにしか見えぬ…


その光景を見た、伝令係の若き騎士が声をどうかけたらいいのか悩んでいた。

困った顔でこちらをチラチラと見るでない!

吾輩でもこれはどうしたらいいのか、何が正解なのか皆目見当がつかぬのである!!こんな光景初めてすぎてわからぬ!


どうしたらいいのかわからない状況で吾輩は伝令係の若き騎士を見ていると

「ょ、よろしいでしょうか?」

遠目で見ていた騎士の者が踏み込んでくる、うむ、良い空気読みだ良きタイミングに吾輩に声をかけてくれた、これぞ渡りに船!


上半身を起き上がらせ、旦那さんに目配せをした後、先輩に内容を聞かれると、どやされるのがわかっているので、離れた場所で説明するために若手の騎士を連れていく。


少し離れた場所で先の状況の説明をする


女将は確実に敵を殲滅するつもりであったが、吾輩は無理だと判断していた。

可能であれば首を落とすつもりであった、だが、敵の切り札が解らぬ以上、下手を打てばあの場にいる全員が吹き飛び全滅する可能性があったので、踏み込めなかった。


「首を落としてもですか?」

お主、過去の戦歴や戦況を教えてもらっていないのであるか?勉強しておらんな?ティーチャーめ、今度捕まえて、教えるように小言を言わねばならんな。

話が長くなると悟り、甲冑の兜を脱ぎ床に置き、過去の経緯を軽く説明してやることに、長話になるので床によっこいしょっと言いながら腰を下ろす、吾輩の動きにならって若き騎士も腰を下げるが蹲踞の姿勢でなくても…大地に直接座れば良かろうに、礼儀正しいやつだな。


経験若き騎士に先達者として過去の事件を伝えてやるとするか。


ある二足歩行を仕留めた時の話だ…

敵の首を落とし、勝利を確信し、勝どきを上げているときだった。

首を掲げている人物の両足が突如何かに捕まれたのだよ、視線を向けると死んだはずの二足歩行が急に動きだし、首を掲げている人物の足を掴んだと思ったら一瞬で胴体が膨れ上がって大爆発をおこしたのだ。

威力は先ほどのクレーターを遥かに超える大穴を開ける程の爆発、そいつも同じ魔力タンク型で依り代さえあれば、先の敵と同等の事は軽くやってのける型でな…過去に大惨事が起きたことがある。


その光景を女将と吾輩は見ていたからな…師匠が間に入って助けてくれなかったら吾輩たちも無事ではなかった、その恐怖が未だにこびり付いていてな、敵の切り札が判明するまでは迂闊に止めを刺したくないのだ。

出来るのであれば一撃離脱が正解だ。


吾輩の過去の体験を聞いた若いのは顔が青ざめている、


っでだ、その過去の経験を知っているからこそ、首を落とせなかったていうのもあるのであるが、あの体勢から首を落とそうにも首を固定出来ていなかったので落とせそうにもなかったのである。


っであればだ、まだ腕であれば大地に固定できる位置にあったのでな、それを叩き落として連携で砕く!上手くいけば腕を落とせるとも思ってな、アヤツの長い腕を片方でも落とすことが出来れば、今後かなり有利に戦況を進めれるとの判断だ。


腕を落として、敵が焦りを感じ、切り札を切って防ぎきれればこちらの完勝!っとなるはずであった、あと少しくらいは女将も動けると吾輩も思っていたのであるが


予想外過ぎてな、まさかの再生型だ。


女将と一番相性の悪いタイプであってな。

女将の体を見てわかる通り耐久力が無くてな、その代わり、歴代最強と謡っても誰も文句を言う人が現れぬくらいの瞬間火力の持ち主でな、恐らく、先ほどの一連の流れであれば、あともう一度くらいは無理をすれば動けたはずである。

だが、やはり歳には勝てぬさ、体力が物凄く落ちているのである、筋力は現役と大きな変化が無かったのが驚愕に値するのではあるが。

一連の動きを見ていて、息が上がっているのが見えたのでな、吾輩としてもあの辺りが引き際だと感じていたのである。


なので、悔しくて引きたくないと女将は思っていたであろうが、流石は、吾輩の先輩である女将である。

長い事、戦場にいたわけではない、引き際を心得ている。


それに、手柄は十二分に立てたから吾輩としては此度の出撃は良しとしている、相手を落としきれなかったのは致し方ないのであるが、先に繋がる結果を残せたのである。


一つが、相手の切り札が判明した


二つが、相手の細胞を入手したので、解析班の仕事が進む


これ以上ない成果であり、あの糞猿に終止符を打つ手立ての算段が生まれると手ごたえを吾輩は感じているのである。


「ぁ、あの、後学の為に、その二つの詳しい説明をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

っむ、察しが悪いというか、しょうがないのであるなぁ…

若手を育てることは間違いないのであるが、まぁ、説明している間くらい激昂した猿の相手をティーチャー達で耐えれるであろう、切り札も再生型と判明すれば対処の仕方なぞ造作もないのである。

であれば、多少のロスタイムくらいわけもないのである。


若手にわかりやすく説明をしてやることに


再生型の特徴は、

第一に、耐久力が群を抜いて高い。

己が内に、内蔵してある魔力を体力や傷の回復に、全力で回すので傷つけても傷つけても痛みを感じる前に回復するので粘り強く立ちふさがる。

敵の戦法だと、こちら側がスタミナ切れで隙を見せた瞬間に強烈な一撃を放つことが多いのである。


ああ~成程…今気が付いたのであるが、それであの猿は執拗に一人の敵と判断したやつに固執するのであるか、今での2足歩行に…おっと、今は人型と呼称するのであったな、人型に比べて異様なほど、固執していたのは、確実に一人一人殺すためであったか。固執した相手のスタミナを減らし続けダウンさせるために、執拗に追いかけようとしたのであるな。


己の手の内をしっかりと理解している知恵ある者の動きであるな、厄介極まれりである。


なので、再生型と対峙するときのセオリーであるが、徹底的にどんな手段でも良いので相手の魔力切れを狙うか、敵が回復する以上の攻撃を当て続けて回復量を上回る攻撃によって殺しきる!それしかないのである。

今までの回復型だと、総じて近距離肉弾戦特化タイプで己の剛力を頼りに突っ込んでくる馬鹿しかいなかったのであるが、魔道具持ちであれ程の威力はそうそうなかったのである。


総じて、回復型だと、陣形を組んで、交代制で対処取れば別段厄介な特性ではないのである。

回復魔力も直ぐに底をつくのである。


それがまさかまさかの、魔力タンク型に、防御力特化型が複合して尚且つ、切り札が回復だとは想像をはるかに超えたタイプが出てきたのである。


今までここまで、厄介な性質を複合させてきた敵が現れたことが、いや、あることはあるのであるな、その度、こちらも多大な被害が出ているであるが、それはまた今度、機会があれば説明するのである…


何が厄介なのかというとであるが、まず、魔力総量が、あの相当な魔力を消費する爆裂魔術を連発出来る無尽蔵と見紛うレベルの魔力タンク量であるな。

それだけではなく、あの爆裂魔法を近距離で受けても自身がダメージを負わない為の豪質で尚且つ衝撃を吸収する毛皮。

それだけじゃなく腕を再生させるほどの急速回復が実現可能な出鱈目な魔力量とそれを制御する能力。


「では、なぜアヤツは指を再生させなかったのですか?」

説明の途中で間髪入れず飛んでくる質問、ふむ、こやつは生き延びそうであるな。


それは簡潔にいうとな、単純に手の内を見せたくなかっただけであろう。

指が多少なくても拳は握れるのでな、杖を持つのも片方の手があれば問題はない、それよりも、爆裂を放ち殲滅を優先したのであろうな。

得物を奪われる愚を犯すなんて思ってもいなかったのであろう、挙句の果てに、再生させようにも敵が周りに大量に居て目撃されたくなかったと判断したのであろうな。あくまでも吾輩の経験則からくる推察であるがな。


「・・・敵って」

わかっておる、今まで低脳だと嘲笑っていたのであろう?


「・・・はい」

お主もしかして人型と対峙するのは此度が初か?


「・・・恐れながら新兵でありまして、まさか、あそこまで・・・」

うむ、お主を伝令に出したティーチャーの判断は正しいのである。初めて人型と対峙するのであれば、まずは『見』が必然である。此度の戦いは先輩達に任せて自分だったらどのように立ち回るか、戦術としてどのように采配しているのか大いに学ぶがよいぞ、後学に備えるが良い良いっである。


「超長期戦を確定したので、引き下がったという事ですね」

うむ、あんなのをいくら傷つけても何処で魔力タンクが尽きるのかわからぬのでな、それを待っていては女将のスタミナが持たないのが必定である。

であれば何処かで綻びが生まれて、死の危険性が上がるのである、切り札が回復だとわかっていても、敵の一撃をまともに貰ってしまったら死は免れない、女将や吾輩と言えどな…

即死は流石に団長でも匙を投げるのである。

まぁ、団長が女将の死を知ったら激昂して、大量の爆弾でも持って自爆しに特攻しかねないので、絶対にそのような事はさせるわけにはいかぬのでな。


ガハハっと冗談をいって少し場を和ませようとするが失敗である「・・・」若き騎士も苦笑いで団長であればやりそうだと思っているのである。


次に、解析班から敵の細胞をもっと欲しいという催促を受けていたのでな、吾輩としては何処でも良いので部位を採取できれば重畳と考えていたのでな、

女将の性格を考えれば一撃で敵を殺せれる個所を狙えるのであれば狙うし、今後の為に敵の戦力を削ぎ落すのが出来るのであればする!何を優先的に攻めればいいのか、粉砕姫というのはだな、歴戦の経験で瞬時に判断される直感タイプの人だからな、アレと呼吸を合わせて連撃を行うのは至難の業であるぞ?


「・・・それはもう、戦慄でした、あのスピードで全ての攻撃に意味があって、相手の動きに即座に反応して相方がして欲しい動きを完ぺきに阿吽の呼吸で、タイミングも神がかっていて戦いの神がいるなんて・・・あれが伝説の!?と名に違わぬ素晴らしき連撃でした」

目をキラキラと輝かせおってからに…憧れか、若くて未熟だからこそ己が想い描く理想がある、その理想に近い動きをするものが目の前に現れでもしようものなら自然と憧れるものである。

吾輩だって若輩者の時は師匠の動きを見て戦慄し憧れ、教えを乞うたものである。


「・・・みっともないとこを見せたねぇ」

声がしたので後ろを振り返ると、女将が目を真っ赤にしながら、少し恥ずかしそうに頬を赤らめているのである、たまに、乙女な部分が滲み出るので、ぁぁ、こいつはそういえば、雌だったなと思うのである・・・・


ッゴ


失礼な事を考えてるのがばれたのか、唐突に吾輩の脳天に拳が突き刺さるのである、衝撃がお尻まで抜ける程の重みである・・・兜を脱がなければよかったのであるぅ…


「ったく!若い子に変なことを吹き込んでいたんじゃないだろうね?」

女将の睨みに若き騎士が震えているのである、殺気が漏れているであるぞー?若き騎士が卒倒する前に猛き気配を治めるのである。


「まぁまぁそんなに殺気立たないの恥ずかしいからって周りを威圧しないの」っと宥める旦那・・・

この光景は獰猛な闘牛を諫める飼育員さん!?

恐る恐る闘牛へと視線を向けると

「・・・」照れた顔でムスっとしているだとぉ!?

・・・飼育員さん凄いのである!小言を言おうと思っていたが、尊敬の念しか出てこないのである…


「こんな場所で座って長話もなんだし、ほら立ちな!向こうで飯でも食べながら話そうじゃないか!」

お腹をさすっているとぐおるるるっと女将の中にいる飢えた獣が咆哮を上げている


「相変わらずの燃費の悪さですね先輩」

立ち上がって、床に座っている若い騎士に手を差し伸べ立ち上がらせる…ん?男にしては手が小さいような、そういえば、声も高かったような、声変わりはしている年齢であると思うが

「あんた、また戦乙女に手をだして石を投げられても知らないよ、ほんっとに」

女将が呆れた顔をしている・・・・


・・・・蹲踞の姿勢、地面にお尻をつけて座るのはお行儀が悪い、声が高い、よくよく見ると大柄ではない・・・これは数え役満であるな、吾輩の失態である。

お化粧してない乙女で甲冑を着ていてはわかりにくいのであるよぉ・・・


「これで手を出す判定されてしまうのであれば、俺は嫁さんに刺されるは!」っと軽く口答えをすると「・・・」威圧がこもった笑顔…

ぁ、これ、色々と吾輩のやらかしを知ってる顔であるな、叱られる前に逃げよう


「では!吾輩はこれにて!」

物理的に逃げようとしたら甲冑の襟を掴まれ

「あんたには一度、説教をしないといけないっておもってたところだったんだよねぇ!!」

怒気が伝わってくるのである、吾輩の鎧がメキメキとひしゃげる音がするのである、工匠に直してもらわないといけない予感がするのであるぅ・・・


吾輩の襟元を尋常じゃない握力で握られながらズルズルと炊き出しの有る方向へと引きずっていくのである。

些細な抵抗も空しくあの剛力には無意味である。

吾輩の鎧と体重あわせると軽く100キロ超えているのであるが・・・それを軽々と投げることが出来る人であるぞ?


「ほれ!アンタもおいで!まだまだ、聞きたいことがあるんだろ?」

若き騎士を手招きしているのである、吾輩の失態を後輩に見せたくないのであるぅ・・・

「ぇっとでも、伝令が」

転移陣を指さして行かないとっと真面目な返事が返ってくるのであるが、貴重な話を聞けるチャンスに付いていきたいと顔と全身が物語っているのである、どうしてかって?口角があがって、足がソワソワとしているのである。


「多少、遅れたってかまやしないよ!坊だってあれくらいの相手くらいなら2時間くらいノンストップで相手取れるさ!かまやしないさ!ほれついといで!」

女将の豪快な笑顔に屈託のない笑顔ではいっと元気に返事をしてついてくる若き騎士…


吾輩も観念して、お説教を受けるとするのである、旦那がいれば多少は宥めてくれるはずであるの、、だ、、が?あれ?吾輩の救世主は何処に?

「旦那様は娘のとこの手伝いに走っていったよ」

・・・・先輩は俺の思考を読むの得意ですよね、そりゃ、長い長い付き合いですからね、お互いの考えていることなんてすぐにわかってしまうものよな!



…腹を決めてお説教を受けるのである、受けるが反省すると思うなよ!!!っと些細に感情だけでも抵抗しながら連行されていくのであった。



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追記:

完結してから、一度、見直して修正するところとか、読みにくい所があれば修正してます。

当時の目標が完結優先で、急ぎ足で書いていたので見直していなかったのです。

完結後に見直し訂正する予定でしたので!

ゆっくりと修正して行こうと思います。



実は、没にしたのですが、おまけで麻雀回もありました。

この世界では姫様が地球の色んなゲームを販売していたりしまして。

トランプや、将棋、チェス、麻雀といった品々を製造し販売しています。


この街でも、そういった手軽に遊べる道具も用意されていて非番の人達が遊んでいたりもします。

また、隣町とかでもギャンブルを楽しめる場が用意されていて、そこでも遊ばれていたりもします。

没にしましたが、そういった設定もありました。




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