束の間の休息
加筆修正完了!
誤字脱字の見逃しあれば教えてくださいませ~><;
お月様が3回ほど通り過ぎ、太陽が薄っすらと顔を覗かせ、チームメンバーは今にも意識が飛んでしまいそうな程、疲弊しきっていると
「よく持たせたわね!交代のお時間ですよ!」
どうやら、チーム交代の時間が来たようだ
もう、三日も経ったのか、前線に居ると時間が経つのが早く感じる。
交代メンバーが到着したのを見て周囲から安堵の声が溢れ出ており、周りを見回してみると私以外に二本足で立っているものは
誰も居なかった。
私以外は、みんな、四つん這いになっているか、座り込んで意識が途切れているようだ。
その意識が飛びかけの状態でも患者にしっかりと回復術式を絶やさないようにしている強者もいるようだ。
医療班のトップ、医療班の団長として、その光景が私には誇らしく感じ取れた。
素晴らしいチームだと胸を張って言える、皆がみんな為すべき事をやっている立派なことだ。
”ここには”足手まといなんて居ない。
静かに手早く、交代の手続きを済ませ、意識も絶え絶えなチームメンバーに声を掛けることなく一人一人を眠りを誘発させる術式で意識を刈り取っていく。
安らかに眠っているチーム達を最前線の街へと繋がっている転移術式を展開している陣へと流れ作業のように放り込んでいく
こんな乱雑に扱ってもいいのかって?いいの、ちゃんと連携組んでます。
転移術式の向こう側には、何時もの様に内側で待機してくれているメンバーがいる、帰還ポイントに転移されてきた医療班達が熟睡していても彼らを優しく介護してくれる。
そのチームが何事も無ければ居てるはず、なので、転移先での怪我なんて、気にせず転移術式が刻まれた陣の上に放り込んでいく。
ついでに、持って帰る荷物もポイポイっと放り込んでいく、どうせ、私物なんて持ってくる馬鹿は居ない
居たとしても自己責任だ!
さんざん、前線に上がる際の注意事項として入念に伝えているからな、私物(身体補助道具、及び、ブースター補助装備など)は身に着けることが必須で、支給される鞄には私物を入れてはいけないってね。
無くなったり破損しても知らんぞっと!!
勢いよく支給されている鞄を陣の上に放り投げていく
荷物を放り投げ終えて、確認と挨拶も兼ねて全てのテントを見回ると動かなくなっているチームメンバーがいたので、肩に担ぎ上げ運ぶ。もちろん、去り際の挨拶も忘れずに。
最後の一人を投げ終えた後、私も陣の中に入っていく
転移先では、私がチームメンバーを投げ入れるのを解っているのでしっかりと受け止める為にクッション性の高い布団が敷いてあった。
その光景を見て小さく頷いてしまう、皆しっかりと各々がやるべきことをしっかりとやってくれている。
転移ポイントで待機してくれている内勤務の隊員たちにより、一人一人、丁寧にゆっくりと眠っているチームメンバーが担がれ、少し離れた屋根の下に用意されている布団へと寝かされていく。
彼らの安らかな寝顔を見てなのか、内である、街に帰ってきたからなのか、張り詰めていた神経が一瞬で切れてしまい、意識が飛びそうになるのを必死に堪える。
さて、私も汗を流してから眠りにつくとしよう、、、
緊張が途切れた影響か、アドレナリンが途切れた影響か知らないが、歩こうとしたら膝が笑ってしまっている。
うむ、先に寝た方が良さそうだな。はぁ、今回も疲れた。
自室がある方と、仮眠室がある方、何方が近いか視線を彷徨わせ、足に視線を向けると、膝が近い方を選べと言っている。
皆が私が傍で寝ていると嫌がるかもしれないけれど、仮眠室で寝かせてもらおう。
自室方面から仮眠室へと足の向きを変え、仮眠室へ足を引きずるように歩いていると、何処からか、怒鳴り声が聞こえてくる。
何処で誰が怒っているのかと、この街の幹部として揉め事を把握する必要がある、本当は今すぐにでも眠りたいのにともめ事を起こしてる馬鹿に向けて苛立ちを募らせながら、声がした場所の近くまで行くと、また、大きな感情を顕わにした怒鳴り声が聞こえてくる。
何事でここまで激昂しているのか、こっそりと部屋を覗いてみると2名ほどの若者が正座させられて怒られている。
見ない顔なので、今研修に来ている学生たちだろう、彼らはどんな内容で説教をされているのか?
若い学生であれば些細なミスもある、医療班だってテントの中で吐かれそうになったり、ぼんやりとしていて使い物にならなかったりした、その程度でここまで怒鳴り散らすのは違う。
場合によっては仲裁もしてやらんとなってね、いかんせん、最前線騎士の部は戦士の部という方達に教育されてきているから、手荒いのが多い。折角、現場に来ている若人の心が無駄に摩り減るのはよろしくない!ただでさえこの街は!
どこの部隊も人手不足なんだぞぉ!志願者が減っちゃう!
部屋の入口付近でいつでも仲裁できるように聴力を僅かに強化し、聞き耳を立てていると
「お前たちのせいで、一つのセーフティエリアが攻め込まれたのだぞ!!ことの重大性をわかっているのか!!」
その一言、たったの一言で現状を察することが出来た。
この二人のせいで、敵に場所が割れてしまい前線基地の移動事件が発生したのか…
まぁ、緊急性があったりやんごとなき事情があるのであれば、助け船を出してやらんでもない。
定期的にセーフティエリアは襲われる、そういうものだから、現場の私たちからしたら、またかぁ、くらいの感覚だしなぁ~。
叱っているやつの言葉が途切れるまで彼らに気づかれないように様子を窺っていようと思った、が!
怒っている言葉の内容が学生たちを罵倒する内容ばかりで、一向にどうしてそういう事態になってしまったのか、経緯がわからない
ううむ、眠い、眠たくなってきちゃった。
このまま、永遠と罵声のみだと、睡魔に負けてしまう。外の感性が寝ないように頬を叩いてくれているけれど、このままじゃ、この場で眠ってしまいそう。
仕方がない(私の睡魔が限界の為)介入してやるか
「朝早くから怒鳴り声とは感心せんな、宮殿に響き渡っているぞ」
コンコンっと壁を軽くノックしながら貴族の学生たちに威厳を示すように言葉を選び説教部屋に入っていくと
「団長!?これは失礼しました!」
怒鳴り声だと分かりにくかったが、服につけられている教員バッジと顔で誰が怒っていたのか理解する。
お、よく見たら胸元に教員バッジつけてるな、ってことは、王都にある兵科の教員様じゃないか、場所が露見する多くの理由が幻術班、認識阻害の術式を行使するチームがヘマをしたのかなぁって思ったりもしてたけど…
眠たいせいか、街に戻ってきたせいか、思考が定まらず、体が浮いてしまっているような感覚で部屋の中を見回していき、教員に怒られているのが学生であるのは間違いないことだけは確信できた。
ってことは、あれらの事件を起こしたのは、学生がやらかしたのか、もしくは、学生上がりがやらかしたのかな?
どちらかになるわけだが、どっちであろうと、学院に所属する学生がやらかしたのであれば、王都にも悪評が広まってしまう、そうなると学生たちの未来が閉ざされてしまうのを恐れている、って、背景もありそうだな。
隠蔽されないように、会話内容を録音しておくかと、思ったけれど、まぁ、そんな魔道具を日頃から持ち歩いているわけじゃないから、今回は無しでもいいだろう。
どうせ不慮の事故に決まっているさ、どんな馬鹿でも故意に前線を混乱させたいなんて思わないさ。
学生による不慮の事故くらいなら、助け船が要らないような気がしてきたぞぉ、眠い…それに背景によっては、お貴族様でしたら~眠い…揉消そうとするし、けれども、経緯をしっかりと把握しないといけないねぇむい…一つの現場を取り仕切る立場として~。駄目だ欠伸がでそう。
「二度手間になるかもしれんが、現場の者として、今回の経緯を知りたいのだけれど、再度の報告よろしいか?」
あまり好きではないが姫様直伝の嘘偽りに反応する術式をこっそりと展開し、状況の聞き取りを開始する。
どうやら、まず、この二人は貴族様の学院に現時点で通っている学生諸君だ、、、
もう嫌な予感しかしないなぁこれ
最初は、しどろもどろで話がまとまっていないが、こちらの人心把握術により、会話も饒舌になり、少しずつ真実が浮き彫りになっていく
要約すると
① 面倒な課外学習なんて、早く終わってほしかった。
② やる事が無さ過ぎてつまらなかった
③ 何が最前線だ、敵なんて居ないじゃん、俺のソードがもったいねぇわ
④ こんなかっこ笑いの戦場なんて俺らで終わらしてやんよ!!
⑤ はい、認識阻害の術式おーふ!気配遮断の術式おーふ!さらに追加でおびき寄せの囮術式おーん!!
⑥ おらぁ!かかってこいやぁ!!
⑦ ひぃ!?敵の数が多いよぉ!?こわいよぉかてないよぉ
⑧ 現場に何も知らせずに帰還する
はい、ギルティ
家ごとぶっ壊されるぞ?お前ら…姫様の恐怖を知らないとでも?
「というわけでぇ、俺らは悪くないんでぇ、かえってもい」気が付けば声を出していたゴミは壁に吹っ飛んでいた。「ひぃ」状況を察したもう一つのゴミが立ち上がろうとした瞬間に膝から崩れ落ちその場に倒れ込んだ
「ぁぁ、ダメだよねぇ、上に立つものとして弁護してあげようと思っていたけれど、手が先に出てしまった、いかんなぁ、戦場帰りは脳が停止してるなぁ」
「ぃいえ、恐れながら、申し上げます。手ではなく足が出ておりました」
確かに、状況を的確に説明するとすれば、ゴミAには、前蹴りしちゃって、後方にある壁まで吹っ飛んじゃって~、立ち上がろうとしたゴミBを逃がすまいと回し蹴りで顎を的確に蹴りぬいて意識を完全に刈り取ってしまった。
うっかりうっかり、言葉よりも先に暴力はいけないことだぞ☆彡
姫様のように可愛いポーズを取りたくなるが、そこはやめておく、私がそんなポーズをしたら呆れられてしまう。
男なのにってね…
「君、なかなかに良い目をしているね」
この私の瞬発的な動きをしっかりと目で捉えることが出来るなんて良い目をした人だ。
「お、お褒めいただき恐悦至極でございますぅ!!」
足が震えてなければかっこよかったんだけど、所詮は教員どまりって感じだなぁ。
壁にぶつけたゴミAの前に立ち圧を込めて見下ろし
「おい、これは軍法会議物の内容なんだけどさぁ、こいつらの親はどこぞのもんや?」
圧どころか、殺意を込めた視線でつい問いただしてしまう。
いかんなぁ、もっと理性的にならないと、わかってはいるけれど、疲れた脳みそだと本能で動いちゃうよね☆彡
怯えた声でしどろもどろになっているのを何度か一喝すると、このゴミ共の出自を吐き始めた。
ゴミAが何処の出身なのか聞いて、納得した。
あーこれはこっちの情報を知らない田舎貴族だから知らないのも納得だわ、最前線から見て一番遠方の安全地帯に居るどうしようもない糞みたいな国からの学生だったか。王都から南部へと進んだ先にある国は白き獣からの脅威なんてほっとんど無いからね。
「今回のはさ~、相手の国には悪いけれど~、軍法会議に上げさせてもらいますね。流石に、内容が、見過ごすわけにはいかない内容なのでね」
軍法会議は学生にしては重過ぎるから、生徒を守るために、食い下がってくるだろうなっと、思っていたら、思いのほか乗り気で、先ほどの証言が保存された録音する道具を渡された。
流石だね~、曲者揃いの学生共を束ねる教員だね~。用意周到じゃないか!君~いいね~!君みたいな人じゃないとやっていけないんだろうね。
あの糞ゴミ学院で教員をして尚且つ、最前線の都市まで学生達の引率をするなんて、胃がいくつあっても足りないよな、図太く生きるくらいじゃないと
さくっと、心労で倒れちゃうよね☆彡
っは!何回も、学院で講師してくれって頼まれてるけど断り続けて正解だよ。
ゴミ共に時間を割くなんてもったいねぇわ。ってね、姫様なら言うだろうし私もその意見に同意。
ゴミAと気絶しているBに軽く回復を施してると、段々と、この学生たちの未来なんてどうでもいいかって思ってしまい、後は教員の裁量に任せるっと肩を叩き、仮眠室に向かって歩いていく眠い、私って偉いよね眠い
あんな低能にもちゃんと手加減出来て!うっかり殺さなくてよかったよかった!ちゃんと後遺症が残らないように回復もしたし!
私って偉い!できる人!眠い!
さぁ寝るか!
目が覚めたら夜だった、少しだけベッドの上で、危険な香りがしない場所だからこそ、のんびりと意識をふやかすようにぼーっとしてられる。
窓から覗かせてくれる真ん丸なお月様を見ていると、段々と思考もクリアになってくる。
目が覚めてきた、目が覚めてくると
私の体からとてもじゃないが、人として終わっている匂いが込みあがってくるのが解ってしまった。
思考もクリアになってきたし、お風呂に入ろう汗臭い。
あと、着替えたい、隊服の替えくらいなら入浴上に常備されてるだろうし
お風呂入って、隊服を洗濯に出して、適当に…この時間なら食堂は、おばちゃんに迷惑かな。
女将の店以外にも誰かお店あけてくれるだろうから、そこでご飯でも食べに行こう。
ベッドから起き上がると机に置手紙が置いてあるのに気が付いたけれど、特に報告することなんてないし、たぶん、自分宛ではないだろう
そうそう、休日に仕事なんてしたくないない!まずは風呂!その後は、飯!それからで良し!
臭い体からおさらばするために急ぎ足で大浴場へと小走りで向かう、幸いにして誰ともすれ違わなかった。
脱衣所で、服を脱ぎ、隊服を洗濯コーナーに放り込んで、予備の隊服や新品の肌着を確保して、幹部としての特権で用意してある自分のロッカーに放り込んでから
大好きなお風呂を堪能する。
廊下を歩いていた時に思ったけれど、それよりも、思っていたよりも深夜なのかな?
珍しく浴場には誰も居なかった、いつもなら、医療チームや他のみんなが死んだ顔して浴槽で溶けているのに
見当たらないってことは、それよりも遅いってことになる。
特に、時刻とか確認していなかったから、もしかしたらスンゴイ深夜の可能性もあるのかぁ
そうなると、ご飯処なんてどこも開いてないかもしれないなぁ、その時は面倒だけど、自宅に帰って、備えてある非常食を食べるとしますか、ね~
・・・・いつ作ったかどうか覚えていない非常食だけどね、丸薬なら日持ちするからきっと大丈夫。
あの不味い非常食を内で食べるような馬鹿は私くらいだろなぁっと
「はぁぁあああぁぁっぁぁあああ」
様々な感情を乗せて時が零れ出ていく。
最前線の街とはいえ、この街の設備はとても素晴らしいものが多い。
この大浴場だってそう!王都にもこれ程までに綺麗で立派な大浴場は無い!
この大浴場は姫様が我ら下々の事を思い、前線隊の皆が自由に使えるように用意してくださったって先輩から伝え聞いている。
これに関しても心の底から感謝しかない。
大浴場は基本的に何時だって自由に使っていいことになっている。ダメなのは清掃してるときくらいだけど、清掃していても利用してはいけない決まりはない。
だからね、昼間は、早朝訓練に明け暮れた新兵たちが湯船に溶けているし、夕暮れ時は職務を終えた財務官等のそういった業務を担当してくれている官僚達がさっと汗を流してたりもする、夜になったら前線から帰還した兵士達でごった返す。
今日みたいに誰も居ないのは本当に稀。
この広い空間を独り占めできるってのは…喜ばしいと感じるべきなのだろうけれど、活気が無くてさみしい部分もある
でも、これはこれで、気持ちが良いものだ。
っま、お風呂に浸かってても誰も声何て滅多にかけてくれないから、ずっと独りみたいなもんだけどね。
珍しく周りに誰もいないからこそ、普段なら、団長として幹部として、先ほどの様な情けない声を出すことなんてしない。
いくらプライベートな時間とはいえ、ある程度の威厳は保たないといけないってね。
団を纏める者として綻びは見せすぎてはいけないと常日頃、思っており、意識もしている。
うん、意識はしているさ、意識はね、、、守れるときは守るさ、、、うん、、、
誰も居ない時くらい良いよね?全力で緩んでも良いよね~?
はぁ、こういう視線を感じない時間ってさいこぅかも~…集団生活ってのは子供のころからずっとしてたから、そっちの方が好きだけど、こういう時間も良いモノだよね。
「ぱっはぁあ!うんんんんんまい!最高!超COOOOOOOOOOOOL!!!!」
つい、誰も居ないのでテンション最大で姫様のように感じたことを思いのまま吐き出してしまう。
それも!団長としてあるまじき行為をしてるから!
浴槽を出て、ろくに体も拭かず、床に水を撒き散らしながら!
全裸で!脱衣所をつっきり、脱衣所の奥に備え付けられている、冷蔵庫っていう魔道具から冷やされた水が入った瓶を取りだして!全裸のまま一気に飲み干す!!これが最高に気持ちが良い!!
たまらん!!ここでしか摂取出来ない特殊な栄養素だ!!明日への活力という栄養素に違いない!美味い最高!最強!まぁべらぁぁす!!
誰も居ないからこそ男だというのに女性のような仕草で空っぽになった瓶片手に踊ってしまう。
この瞬間を隊員が見たら、どう思うのだろうか?
っふ、たぶん、見慣れた光景だから、いつものと思うことだろうって思われる気もする。
これでも気を付けている、いるけど、内にいる時、プライベートな時間は気が緩みっぱなしなのは仕方がない、仕方がないけれど、他の幹部のように威厳を保つように行動するべきなのだろう。
だから、この街では気軽に気さくに話変えてくれる友達がいないのかもしれない
いいんだ、幹部として威厳もって胸張って偉そうにすればいいんだ…そうすれば、No2…彼女みたいに慕ってくれて話しかけてくれるよね?威厳って大事だからね。
解放された心のりびどーが落ち着いてくると鏡に映った自分の姿を見て悲しくなる。
溜息をついてから、濡れた体をタオルでしっかりとふき取り、髪の毛は水が滴らない程度に拭く、後はどうせ、姫様が作った…えっと、一部ではあの街並みのことを、この姫様がいる建物を城と見立てるのなら、城下町!うん、そんな感じで呼んでいる人もいたよね、そこをうろうろしている間に乾くさ
今日ぐらいの気温であれば、体温低下によって発生する、代謝低下による免疫力低下等からくる、病気などすることもない、生乾きで皮膚病になることも無い!
さて、っと、ロッカーからある程度のお金を入れて置いてある財布も取りだしたし、ロッカーに放り込んである私服にも着替えたし~城下町に行って遅めのでぃな~へと洒落こもうじゃないか!
出来れば、酒場以外が宜しいが、他の食事処は開いているのだろうか?ちらっと時計を見ると、0時を過ぎていた、酒場以外に開いている店は無いだろうね。っていっても、あの辺りのお店ってやってたりやってなかったりが多いから、開いてたらラッキーって感じかな?女将のお店は何時だって開いてるのはわかってる。わかってるけど…
う~ん、しょうがないか、ご飯が美味い酒場っとなると、あそこに行くのが最善であるのは解っているんだけれど~
気が進まないなぁ~
あそこは我がチーム達もお気に入りのお店でもあるからさ、べろっべろに酔ったチームメンバーが居る可能性が極めて高いんだよね、この時間だと尚更。
ほら?私って親しみやすい隊長でしょ?絡まれやすいの、くすん。なんてね…
こんな深夜に一人で出歩くのは危険じゃないかって?そんな心配なんていらないよ。
この街は非常に治安が良い、何故なら、目の前に明確な敵がいるし、何よりも全員が使命を持って日々を生活している。職が無くて明日を生きるのも辛いような人間はこの街には誰一人として居ない。
世界中でもっとも死が近い街、争う暇があれば、前に出て戦ってこいがこの街の常套句。
お陰で、犯罪者も居ない、見回りの兵士も居ない~わけではない。見回りの兵士は居る。主に、敵の隠者が紛れ込んで居ないのか探す為でもあるし、昔からの風習でしゅうかんづいているっていうのを、この街に古くからいる先輩方から教えてもらった。
こう見えて、私は学ぶことが好きだ、体を動かすのも好きだし、本を読むのも好き。
だから、色んな本を読んでるし、周りの人達の話し声も静かに聞いてる。
だから、この街の有名な常套句を知っている!ほかにも有名なのだと。
祈りを捧げる暇があれば、魔力が空っぽになるまで医療班で杖を握れ!
体力が余っているのなら前線で戦う兵士達の為に鍬を振れ!
飯を作るために包丁を握れ!食材の下処理を担当しろ!
脳が疲れて居ないのなら本を読め!医学書、魔導書、戦闘指南書、生きる為に必要な書物は全てここにある!誰でも閲覧可能!
学べ!強くなれ!明日を生きる為に!明日を勝ち取る為に!
我々が崩壊した時は世界が崩壊するときだ!守れ世界を!人類を!それが城塞都市である最前線ある街の役割だ!
ってね、誰が言ったのかは知らないが、古くからある常套句。
確か~、人類を脅かす脅威が王都を襲い、それを防ぐためにこの城塞を作り上げた人が鼓舞するために歌ったってのが有力な説、だったかな?忘れちゃった。
城塞都市?この街の名前?名前はないのかって?無いさ
元々どこどこの国に所属している土地じゃない、各国が力を合わせて築いた城塞都市、故に、名前は最前線としか呼ばれていない。あ、他にも良くない名前で呼ばれてるけどね、それをカウントして良いのなら、名前はあることはあるけど、その名前を呼ぶと姫様が悲しそうな顔をする。
だから、この街にいる人達はそんな姫様の悲しい顔を見たくないから、奮闘している!ってのもあるのかも?
うん、全てが決着し、平和になった時に、この街は何かしらの名前を得ることになるだろうね。
その時が来るように私達は命を削って戦い続けるのさ~
まぁ、一応、街ではあるから、他の街とかと連携したりそういったことを任されている責任者はいるけれどね。
王都と違ってこの街は、世襲制ってわけじゃなくて幹部は誰にするのかって、民主主義で決めるから上のほとんどが、貴族ではない平民が実は多い、私も平民だし。
幹部の人達の名前と出自を思い浮かべると、貴族という肩書を持っている人物はかなり少なかった。
平民が幹部として、いや、違うか、領主の業務を代行としてこの街を取り仕切っていたとしても、他の国から舐めた態度を取られることは一切ない。そう聞いている。
理由も単純、何故なら、私達が居なくなれば
滅ぶからね、多くの国が!
故に、私達に強く出れない逆らえないのだろう。
かといって、幹部となれば自分の望んだままに要望が通るのかと言われれば答えはNO。
幹部だからと言って要望を叶えてくれるわけじゃない、仕事が増えるだけお給料は…変わってる、のかな?私が無頓着すぎてその辺りは詳しくない。後…今いる幹部達と肩を並べて意見を言うなんて度胸が無いのだろう、だから、みんな上に立ちたく無いっと小耳に挟んでる。私だって、無駄に仕事が増えるだけだったら幹部の座に座りたくないけど、私は私として幹部として座らないといけないから、違うな、幹部としていたいからいる。
え?当然、上の者だろうが、自身の仕事があれば、兵士としの部署であれば、前線に立つけど?
この街のトップは一人だけじゃないからね、各部署の長が必要に応じて色々と持ち回ってフォローしてたりするからね。
当然、私もこの街の会議…予算とかそういうのを決める時の交渉の場に立つことがある!けど、私が前に出る前にある程度、すんなりと通っていることが多い。
なんでも、医療班の中では、私は切り札扱いされてて、本当にねじ込みたいときくらいじゃないと、滅多に交渉の場に出なくてもいいって感じ、かな?団長だけど、さ、その辺りはNo2が上手い事やってくれてる。私としても助かっているけど、もう少し、そういう部分を頼って欲しい、一人前として見て欲しいって思ったりもしているけど…
No2からしたら、その辺りよりも医療人として高めていけって言いたいのだろう。
一応、この街として問題にしている人手不足に関しては
何度も何度も応援を要請してはいるのだけれど、各国からは渋い反応ばっかり!
好き好んで死の街、死の大地に命を捧げに行くような酔狂な人は数少ない、これを口に出すと怒られるからあまり言わないけど、皆思ってる、自分たちは変わり者だって。
各国が全然応援を寄こしてくれないから!お陰様でこの都市は万年人手不足。
常に兵士が足りていない、だからこそ、兵士の死亡率を下げる為に医療特化チームを複数用意し前線で兵士の部署である彼らが傷ついたとしても絶対に死なせない!どんな場所であれ!常に治療を続け命を紡ぐ!そうしてきているわけ、そうしないと人が足りなくなる。
兵士が足りてないのなら、ここで育てたらいい?この街で子供は生まれないのかって?
残念ながら、子供が出来たら、みんな自国に帰る様になっているのさ、理由は単純、この街が子供を育てれる環境ではない。
食料も兵士優先だから、子供たちに満足な食事は用意できない可能性もあるっていう法弁もある。
本当の所は、危険が無い豊かな自国で安全に育てて欲しいって皆が思っている、子供が出来たら街全員で祝福するようにこの街から追い出そうとする。
そんなわけだから、下手に乙女部隊とか、研究塔、医療班、支援部隊に所属する人達に手を出してさ妊娠させてしまうと~…周りの視線がきついこときついこと、私もその光景を何度か目撃しているけれどいたたまれなかった。
本当は、子供が産まれるって凄くめでたいのだけれど、男の部分、いや、違うな、この街を預かる幹部の一人として何しとんねんお前っていう負の感情の方が強くなっちまうか、皆、使命感に燃えて燃えまくっているからね。っは、どんな理由であれな。
己の使命を全うできないようなやつはこの街から自然と消えていく、それで人が減るのは構わない、志し無い奴にこの街を、いや、傍にいる資格はない。
熱く使命に燃えている人だっているさ、熱量が弱い奴だと、周りとの熱量の差に負けてしまってねこの街から離れて行くやつだっている。
この街、この大地に流れていく風…肌に合わない奴は自然と出て行ってしまうのさ。
それでもね、そんな熱量がたまに明後日の方向にいっちゃって~…できちゃった、ってのはよくある事!男女が共に生きる街なんだから起きて当たり前!恋バナとかあちこちである!…私も混ぜて欲しいなぁ。
え?そういうのを受け止めるための、娼婦とか、そういう場所は無いのかって?
これがまた王都にもあるのにこの大きな街では無い、わかっている、そういうのが男の人にとって大事だというのは需要が確実にある!のも幹部全員が把握している!けれど!この街で非戦闘員を増やす余裕はないし、そもそも、この街でそういう仕事がしたい人の方が稀。
っていうか、そんなにしたいのなら、休暇の間に近くの町までいってこいってこと。
別に、ここが最前線ってだけで他の街へと移動する移動手段は豊富にある。
後方は道もバッチリ綺麗に舗装されているし、野盗なんて居ないからな~。
安全っていうか、野党達が仮にいたとしてもこの街の連中に勝てる奴は居ないし、金品を持ってるやつも少ない
襲うメリットよりも、デメリットの方が高すぎる。
私達を襲うくらいなら地面に向かって刃を突き立てて耕した方がお金になる。
そもそも、外にお楽しみに行けるくらい心も財布も余裕があるやつなんてこの街の中でも猛者しかいないわけでさ、そんなを襲えば返り討ちにあうのは必定。
過去には、馬鹿が襲い掛かってあっさり捕縛されて、最前線に放り込まれて返ってこなくなったケースもあるって、聞いたことがある。装備も無しに死の大地に捨てられたらどう足掻いても死ぬしかない。最悪の刑罰。
それにさー兵士達の部署は人手が足りてなくても安全性を考慮して英気を養ってもらう為に、休暇は最低でも三日は絶対に貰えるようにしているから、姫様の進言でね。
三日もあれば、外の街や王都で豪遊して帰ってくる連中もそこら中に居る、してそういう人達は同好の士というわけさ、纏まって行動することが多いから、尚更だとも。
死の大地に住まう獣共を相手取る強者達だぞ?そんな連中が集まって集団行動をするのだ、並大抵の野党では勝てるわけがない。
しかも、そういう場所へ遊びに行こうとする連中だ、当然、全員、滾っている状態だ。
興奮が爆発しかねん状態だからな、襲った側の貞操の危機もありえるわけだ!はは、尊厳全てを失いかねないな。
はは、想像するだけでごめん願いたいね。
そうだな、仮にだ、仮に、野党がいれば私達を襲う理由を考えてみるのもどうだ?
お腹が空いてきているのを我慢するために考え事をするのにちょうどいい
うん、面白そう。そう、うん…
歩いていると閃くこともある、野党が私達を襲うメリット!
あることはある!襲い掛かるメリットは一応、あることは、ある!
それはターゲットが学生に限りだ!私達っと言う括りなのかどうか幾ばくか怪しい所は目を瞑るとして、身代金をたんまりいただくぜぇっという考え!これなら野党たちとしてもメリットはあるよね?
いや、甘いな。
学生達をこの街に送るさい、護衛が付かないわけが無い、なんせ貴族様達のお子だぞ?
護衛としての一団は国の騎士団長クラスが(暇だから)行っている、お爺様が教えてくれただろう?長い間、お会いしていないから貴族の仕来りなどは、忘れてしまいがちだけどな、なので、まぁ、仮に野党が襲い掛かったとしても勝てるわけがない。
最前線程ではないにしろしっかりと練武を行っている国のエース達だ、そこら辺に居る野盗どもに負けるわけはないわな。っと、お爺様なら言うであろう。
そして、ほとんどの学生たちがこの街から帰るころには胆が据わる。
死の大地で鍛えられた丹力があれば、みんな歴戦の猛者くらいには性根は鍛え上げられているさ、有象無象の野党なんぞ塵芥というわけさ。
今朝のゴミ二人もきっと、他の人達なら緩やかに無理をせず少しずつ死の大地を経験してもらうのが私達の習わしだが、その様な道理、馬鹿にくれてやるなんてばからしい、反省させるために前線で戦わされることが決まっているだろうからな、生きていれば性根を正し猛者となって帰るさ、命のありがたさ、己を育ててくれた安全な大地や両親に感謝するようになるだろう。
学生だから安全に返せ?そんなのは知ったことではない、生きるも死ぬも学生の努力次第だ、っと突き放すくらいであの大地は丁度いい、それを超えて、それでもあの街に目的をもって足を踏み込めるものでなければ傍にいる資格なぞ無い。
そもだ、今いる兵士たちのほとんどがみな、大元は学生だからな、甘やかしたところで何もうまれん、数が欲しいのは正直に言えばほしいが有象無象はいらない。
野心をもってこの大地に覚悟をもって踏み込んでくる方が長続きもする!やる気に満ちると言うことだ!
一攫千金!お家の名誉の為!成り上りたい!様々な思惑や思想をもって前線に挑め!そう、私のように、目的をもってこの街に来なければ、長くは働けんよ。
この特殊な戦場に長い間いることによって自ずと責任感が芽生え、最初の思惑なんて忘れるくらい使命感に燃え滾るそんな人物しか、この、最前線の街には残らなくなっていくのさ。
だから、中途半端な覚悟しか無い奴は気が付けば居なくなる、その後は、死んだのか、どこぞの故郷にでも帰ったのか、消息を知ろうと思わない。
無論、長くとどまっている人もいれば、目的を達したら帰る者もいる。去る者は追わない、それがこの街の鉄則。
目的を達した後、この街から一歩引いて、王都や自国で私達を支えようと動いてくれる人たちもいると聞いている
一定の武勲を上げたら即座に故郷へと帰って自国の領地で任されている仕事に生涯を捧げる者も、もちろんいるさ。
この街に来た人物、全員が全員死んでたら、さすがに、人類は滅んでいる。
そんなことを考えていたら、鼻の奥を擽る肉の焼けたいい匂いがお腹の底が目を覚ましてくる。
いつもの酒場に到着したっということさ、兵士を支える為に!ご飯処は必須!美味い飯は明日への活力!
ありがたい話さ、こんな場所で美味いご飯にありつけるなんてさ。
ドアを開けて中に入ると、予想通りこの時間ともなれば、酒におぼれ死屍累々だな、疲れた体に流し込む様に酒で満たしてしまえばそうなる、すきっ腹にお酒はダメだ。
店の奥へと視線を向けると、机に突っ伏して寝ている者もいれば、堂々と部屋の片隅で横になって寝ている者もいる。ここの女将はその程度では絶対に怒らない、女将もこの街の一員だから。
他には…まだまだ飲み足りないのか目が据わって永遠と何も語らず周りを気にせず酒を飲み続けている者もいる。
戦場から帰ってきた英雄達の憩いの場所、規律だとかそういうのは無しでいこう。たとえ、医療班が寝転がっていても私は見ていません。お好きにどうぞ~。
お気に入りのいつもの席に座ると
「遅くに珍しいね」
この店を切り盛りしている女将が水を出してくれたので水を受け取りながら
「今日の日替わりディナーはあるかい?」
慣れた態度でたずねると
「残念、今日の日替わりディナーはまだ仕込んで無いさ、昨日の日替わりディナーならあるよ」
にかっと笑いながら小粋なジョークを言ってくれる。
「ふふ、そうだったね、気が付けば日付なんて変わっている物さ、昨日のを、いただいてもよろしいかな?マダム」女将のノリに合わせてあげるのも慣れたもの
「あいよ、まってな急ぎで作ってやるよ」
腕をまくりながらキッチンと通じてあるカウンターの奥へと戻っていく。
あの逞しい二の腕は衰えは知らなさそうだ、まだまだ現役で戦えるんじゃないのか?
そう、あの逞しく筋骨隆々、身長はゆうに2メートルを超えてい、るはず、測ったことがないので自身が無いがたぶん、ある。
何処からどう見ても男性にしか見えない屈強な肉体を持った女性、お察しの通りさ、女将は昔、ここで、この街で、あの死の大地で戦っていた猛者の一人。
私としても大先輩となる人物で…私の父と背中合わせで前線の日々を戦い抜いた仲らしく、父とはちょっとした間柄らしい
詳しくは、聞いていない。
女将も父の事は話そうとはしてくれないし、私も正直、父の恋愛話なんて聞きたくもない。
安心して欲しい、私は!女将と!血は繋がっていない、私にはちゃんと故郷に母がいる!安心してほしい。
私の母はムキムキで腹筋が割れてはいない。綺麗で華奢で細く、とても女性的な女性だ!
父が理性的で良かったと女将を見て思う、女将が母上だったら、私はきっと、ムキムキのマッチョボディだったのは間違いないだろう。これ以上、筋肉つけたくないもん…
水を片手に、もう一度、誰がいるのか把握する為っというよりも、料理が来るまで暇なので、周囲をぐるっと見回す。
うん、見知った顔が多い事、医療チームも数人いるな。
周囲を見回してしまえば、自然と目が合ってしまう。
こちらに気が付いたみたいで、そそくさと寝ている者を抱えながら帰路へと向かっていった。
女将が怒らないのであれば私が咎めることなんて無いのに…遠慮しなくてもいいのにさ、相手が寝てるのなら、話し相手になってくれてもいいのになぁって、思ったけれど、時間が時間だよね。
そもそも~、店のことを考えたらさ、ここで一晩を過ごすよりかは、ちゃんと自室に連れて帰ってあげるのが仲間意識というやつだよね。
私が来たから気を使って帰ったってわけではなさそうだ、よね?
無いと思いたいなぁ・・・・
見送った後は、片手に持った、透き通ったグラスを回すように傾ける。
そうするとグラスの中を透明な液体が回り始める、そんな水面をぼんやりと寂しさを紛らわせるために眺めていると
「はいよお待たせ」
豪快にテーブルを叩くにどんっと音を出し、豪快に焼かれた骨付き肉が乗ったお皿が置かれる
「今日はブーメランさ」
誰が命名したのか知らないが、肋骨の骨に肉がついた状態がブーメランに見えるからってことで、ブーメラン焼きって名前が付いた女将の得意料理の一つ
「今日は?”いつも”ブーメランの間違いじゃないの?」
なんて言うと軽く頭を小突かれてしまった。
日替わりという名ではあるけれど、出てくる料理は何時だって同じ、それを突っ込んではいけない、口は災いの元さ、ちゃんと閉めないと漏れてしまうのも考えものだね。
お上品に、ナイフを使い、骨から肉を外して小さな口に入るように小さく切ってから待ちに待ったご馳走を今か今かと待ち続けている口の中へと放り込む
「美味い!!」
香辛料がたっぷりと使われていて女将特性のソースが絶妙な味わいを演出してくれる
最高だ!これは酒が欲しくなる!皆もそう思って酒を頼む!
だから、基本的にこの日替わりを頼んだら自動でお酒もついてくるのだけど
残念なことに、私はお酒が得意ではない。
飲めないことはないのだが、明日のことを考えると飲めない。
明日に響いてしまうのでね、今日は飲まない、女将もそれを察してくれている、私が飲むときはオーダーするからだ。
ちなみにお酒の弱さは父親譲りなので、それも相まって女将は私に酒を進めてこない。気遣いの出来る素晴らしき女性だ。
母は…そういえば、両親ともにお酒を飲んでいる姿を見たことが無い、だから、お酒は弱いのだと思っていたが…もしかしたら、違うのかもしれないな。私の家は純粋に豊かな家庭ではない、幼き頃は、お金が無かったから買えなかったのかもしれないね。
こうやって私の事をしっかりと気遣ってくれる目の前の女将はとても良い女性だといえる。
これで筋肉によってエプロンがはち切れそうな程にムッキムキじゃなかったら惚れていただろうね、私の父が!!
筋骨隆々の父を知る人物である女将と他愛も無い会話をしながら食事を堪能していく。
さて、お腹も膨れたし、彼女との対話で心も満たされた。
夜も深くなってきている、私達を導く月は傾いてきた頃合いかな、邪魔にならないうちに帰ろうかと立ち上がると
「悪いけれど、その辺に転がってるの何人か連れて帰ってもらっても~、いいかい?」
女将は箒を片手に掃除がしたいとジェスチャーで伝えてくる。
確かに…幹部として、転がっているやつらの上に立つものとして!
下の者の不始末くらいは助けてやらんとな~如何にプライベートとはいえ、助けてやるのが義理人情っと姫様ならおっしゃられるだろう。
まぁ、帰るついでだし数人くらいなら担げるから毛ほども辛くはない、けど、根の部分で正直に言うと筋肉が大きくなりそうで嫌だなぁ…
「任されよ」
姫様の口癖で安請け合いをする。といっても、運べるのは二人が限界だな。
どれとどれを運んでやろうか…選別をしていると「ほい」女将が両脇に抱えてきた、成程、これを運べと
運ぶやつのご尊顔はっと
顔を覗き込むと見慣れない顔だった
ああ、成程、新顔か。
ということは考えるまでもない、今の期間だと学生諸君だな。
女将が何が言いたいのか何となく察したがつきました。
学生を放置するのは店的に面倒臭いってところでしょ?
だってさ、最初に甘やかすとついつい次もそうなってしまいかねないからね、毎回、寝られるのも困りものってこと、寛容な女将でも邪魔なものは邪魔なんだろう。
っていうか、学生諸君をここに連れてきた馬鹿者がしっかりと最後まで介抱して面倒を見てやるのが年長者としての矜持ではないのか?誰だ連れてきたの?
どいつがこの酒場に連れてきたのかと訝しんでいると
「こいつらは、新顔だろ?誰かに連れられてきたって感じじゃなくてな、ふらっと入ってきたんだよ」
ほう、初手でこの店に辿り着けるとは運が良いな。
この店なら潰れても医療チームが良く来る店だからね、介抱してくれたりと助けに船っとなることが多いからね。
当然、助けてもらったやつはしっかりと、謝礼を医療チームに持ってこないといけない暗黙のルールがあるが、新顔は知らないだろうから、後で、人伝で教えてやるとしましょう。
両脇にわっぱを抱えながら店を出ていく。
出る際に「またおいでー」と女将の声が聞こえてきた、もちろんさ、何度でも、死ぬまでは通ってやるさ~ね。
長生きしてくれよ?筋肉レディ、なんてね、彼女であれば何も問題なんて無い、寧ろ、私の方が危険な場所に赴くことが多い。
そう考えるともっと時間を作って女将の店に食べに行くべきなのだろうけれど…食事内容につい、理由が無いと行く気分にならない。
…ちなみに女将のやつはあまり自身の事を語ってくれないから、独身かどうかは知らない。
風の噂だと、子供がいるらしい、アレを抱ける猛者が居るっということに、私の脳みそはそこから先の思考を拒否している。
月明りの下、この過酷な大地を何とか乗り切ったわっぱを担ぎながら歩き続ける。
幸いにして、私は身体能力を強化する術を身につけているので細身の体とは思えれないほどに力が強い。
この程度であれば軽々と運べるが…それはそれこれはこれは…太ももが太いももになるのは嫌だなぁ…
お前たちのせいで気を付けている拘りが崩れたら怒ってやるからなっと、恨みの念を込め乍らわっぱを適当な仮眠室のベッドに放り投げる
さてっと、後は…気になる事があるから、それの中身を確認しないとね。
仮眠室に置かれていた手紙を確認する、なんだ、姫様からのお便りだった、それはそれは、新しい発明でも出来たのかな?手伝いだったらいくらでもしますよ~姫様。
未開封の手紙を片手に、仮眠室を出て月明かりに照らされふと見えたガラスに映った自分の黒い髪が青みを帯びていた。
お腹も膨れ、慕っている人からの手紙の中身が何だろうかと、そう思うだけで嫌な出来事を忘れてしまいそうになる。
彼女の文字と同じように綺麗に整っている兵舎の近くにある街灯の下に設置されているベンチに座る。
さぁ、夜も更けてきたけれど、月の輝きはまだ天にある、ゆったりと夜を堪能しますか
明日もまた、色々と激務がまっているしな、、、心の平穏は明日への活力さ。
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追記:
完結してから、一度、見直して修正するところとか、読みにくい所があれば修正してます。
当時の目標が完結優先で、急ぎ足で書いていたので見直していなかったのです。
完結後に見直し訂正する予定でしたので!
ゆっくりと修正して行こうと思います。
─※ 完結まで読んでから見てね ※─
伏線などのコーナー
実はこの当時も書いている時に様々な部分をカットしていたせいで文章や文脈が凄いことになっておりました
色々と修正することが多いです。
この当時から、団長の中には複数の魂が宿っているっと構想は練っておりました。
なので、男性の思考と、女性の思考が入り混じるように書こうと思って色々と試行錯誤をしていました。
その結果、なんか、変な感じになって女性の部分を大きくカットしていました。
やっぱり、その部分を消すのは違うなぁっと書き足し修正しました~
どれだけ、テンポよくいけるのか!ってのを主軸にして書いていたので引き算の美学が活かされていませんでしたと、反省しております。




