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Journal Journey ~魔王罪として処刑する~  作者: 柚須 佳
第10章 王宮書記官の旅5 真暦1499年6月
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4.辻馬車

 馬車に揺られることで、だいぶ気持ちが落ち着いてきた。

 ワンワンと泣きながら、ジャニィ、ジャニィと喚いていたら、どうやら、迷子だと思われたらしく、女性は、優しく、色々と尋ねてくれた。

 アイソレシアは、それに対して、ポツポツと単語で返し、なんとか、市庁舎区へ向かったジャニィの後を追いたい旨が伝わった。

 すると、女性は辻馬車を止め、それにアイソレシアを乗せてくれた。

 別れ際、「ジャニィ坊ちゃまに宜しく伝えてね」と言われた。


 馬車に揺られること数分、ムン川を越えた辺りで、街の雰囲気が変わってきたことに気が付いた。

 それに伴い、辺りに人が増えてきているような気がした。

「お嬢ちゃん、この辺りでいいかね? ちょっと今日は、オークオコイの兵隊が出張っていてね。ここから先は、ちょっと面倒なんだよ」

 辻馬車の御者が、アイソレシアの答えを聞くまでもなく、馬車を路肩に止めた。

 アイソレシアは、先ほどの女性に渡された、オボステムクロンの茶色いコインを、二枚ほど御者に手渡した。

 お金までくれるなんて、なんて良い人なのかしら。ちゃんと名前を聞いておけばよかったわ、とアイソレシアは、少し後悔した。


 通りに沿って、しばらく東へ進むと、人だかりが一段と増えてきた。

 それに伴い、辺りの建物には廃墟が増えてきていた。と言うより、もはやがれきと言った方が適切なほどだ。

 アイソレシアが、そんな街の残骸たちを見回していると、遠くに知った声が聞こえたような気がした。

「ジャニィだ!」

 アイソレシアは、人だかりを縫って、声の聞こえる方へ走り出した。

 二度ほど、瓦礫に足を取られて転んでしまったが、声の元へはすぐに着いた。

 すると、そこには、ジャニィに馬乗りになり、何かを叫んでいる、青い鎧のユガレス兵の姿があった。

 ジャニィがやられている!

 アイソレシアは、ジャニィに会えた喜びよりも先に、早く助けないと! と言う思いに駆られていた。

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