3.市庁舎跡
ジャニィが小1時間ほど歩き、市庁舎跡に辿り着くと、そこには既に人だかりが出来ていた。
その人だかりを制していたのはユガレス軍ではなく、なぜかオークオコイ軍だった。
オレンジ色のローブをベースとした軍服姿の兵士たちが押し寄せる群衆と対峙していた。
その人だかりの中に身を屈めて這い出してくるユガレス兵の姿が見えた。
ジャニィは人だかりを縫って、ユガレス兵に近づいて行った。
「おい、ちょっと聞いていいかい?」ジャニィはそう言ってユガレス兵を呼び止めた。
しかし、ユガレス兵の耳には届かなかったのか、ジャニィの目の前を通り過ぎていった。
「なあ」ジャニィがユガレス兵の肩に手を掛けると、一瞬体をビクンとさせたが、その後、ゆっくりと振り向いた。
すると、どうしたものか、急に驚いた表情になり、大声を出して突っかかってきた。
突然のことに、ジャニィは成す術なく、ユガレス兵に押し倒されてしまった。
「この野郎、やっぱり、お前の仕業だったのか! 新聞社め!」ユガレス兵が、鬼の形相でジャニィを押さえつける。
「なっ、なんだよ? いきなり!」ジャニィが手足をバタつかせて抵抗するも、まったく歯が立たない。
頭髪だけではなく、顎髭まで白く染まっているため、見た感じは、だいぶ年配のようだが、想像以上に力が強い。
相変わらず、大きな声でまくし立てているようだが、首元を押さえつけられているせいか、意識が混濁してきて、何を言っているのか、よく分からない。
視界の端からは、薄暗い闇が迫ってくる。
このままでは、まずいぞ! と思っていると、頭の上の方に、赤黒く光るものが見えた気がした。




