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無職は正義  作者: 半半人
稼げる無職×→捨て身の無職○
23/69

家を担ぎつつ…

勝つ方法は思い付いた。


後は道具や細工を整えるだけだ。


朝になってから城を出て自動車もどきを飛ばして家に向かった。

家に着いてすぐに地下にある物や使えそうな物を居間に集め夜になるまで待った。

夜の暗がりを利用して、張れるだけ罠をはるろう。


外に出て、


「はぁぁぁあっ!!」


地面に手刀を突き刺し、家を担ぎ上げた。

ユユは戦争のその時までサラヴィスに留まっている。多分大丈夫のはず……。


自宅守衛者(ホームガーディアン)始動。


さすがに家を担ぎ行動するのは目立つので、隠蔽・隠密・潜伏などのスキルや魔法を発動させサラヴィスへ向かった。



実際に見るとかなり大きい。城壁もそうだが、思ったより広い……。

集落とは一キロ以上開いているから、大体中間地点に…。


「よっ、っと」


片膝を着き、空いている手も地面に着けた。そして、無敵状態の土魔法を発動した。フルプレートの屈強な騎士を思い浮かべ、人形を形成していく。さらに、地下から持ってきた銀色の金属を使い、錬金術で薄く人形を覆っていった。

近くで見ると不自然な気もするが、もし、これが大勢で遠くに待機していたら軍隊と勘違いするだろう。それを狙っているわけだし、成功しないと困る。


城壁を囲む用に作った人形を配置し、地中に埋め、次の作成に移る。を繰り返した。無敵状態のためその作業は一夜のうちに終わった。順調だと思う。



二日目。


囲む人形とは違う()()()()()な人形を整備していた。この作戦の六割が関わっていると言っても過言でもない。一切の手抜きも許されない作業を午前中に終わらせた。

午後は別の作業が待っている。前に作ったビニールハウスを覚えているだろうか?あれを応用した道具を作った。ただ、この作業は初めてのことが多くて苦戦した。結局夜まで掛かってしまった。先日と同じように家を隠し、空を飛んだ。夜の作業と並行して道具の作成をなんとか終わらせた。

夜の作業は城壁の内部の視察であった。月が出ていない日に実行したかった作業が早めに済むのは助かることだ。

あぁ、戦争なんかなければこの空中散歩も良いものなったかもしれないのに……。


正門が南(ノヴァイルの方向)にあり、その近くに歩兵の兵舎、中心に近いところに策略部隊の兵舎、一番遠い北側に魔法部隊の兵舎がある。

どこから攻められても対応できるようにバランス良く配置されている。

だが、それを利用できないこともない。


三日目


家をサラヴィスに近く、かつ、見付かりにくい場所に置き、一日中地下を掘り続けた。これが難しく、上手く調整する必要があった。結果はその時にならないと分からないがなんとかなるだろう。



四日目


細工は整った。あとは、道具の仕上げのみだ。気味の悪い衣装を作り、地下に向かった。そこで記録用の水晶を使い一方的なことを言う動画を録画した。それと、前に撮ったひたすら敵を切る動画が入った水晶を封筒に入れ、全ての作業を終わらせた。



五日目


前に言ったように俺のモットーは「限界の前の前の前でやめること」だ。何事も無茶はいけない。決戦のギリギリ前まで体を鍛えるよりは、体調を整えることに専念した方がいいだろう。

事態を思い通りに運ぶイメージトレーニングをしながら心身ともに休息をとった。



六日目


朝早くに起き、トースト、ベーコンエッグ、ヨーグルトといかにも朝を想像させる物を食べた。これからのことを考えると緊張で胃が痛むこともあるし、冷や汗もふとしたときに流れていることもある。何より、俺の失敗はノヴァイルの滅亡に関わるかもしれないということが大きい。


相手も本気なんだ。油断はできない。


強い意志を持ち、奇襲の第一手を打つ準備をした。水晶の入った封筒を右手に持ち、何重もの結界でそれを覆った。


そして、外に出て


それをサラヴィスの方向へぶん投げた。

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