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大好きな妻と歩む道  作者: ゆき


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77日目 思い出のバイクの旅立ち


9月16日(水)

11時半頃

トラディショナルで最高にクールなバイク

カワサキ エストレヤ スペシャルエディションがこの日をもって私の元から旅立ちとなる。

思い起こせばこの子でソロキャンプに行ったり峠のワインディングを楽しんだりしたものだ。


妻を乗せて走った事もある。

妻の両手が私の胴をガッチリ抱き抱え買い物や近場に遊びに行ったあの日を思い出す。

とても懐かしいしまた乗せてあげたかった。

やっぱり側に居てもらいたいかな…

当時の私は健康では無かったが普通には生活出来ていたレベルだった。

然しその後下半身が麻痺気味になり足つりまで頻繁に起きる様になった。

大きいバイクには跨がれないし修理する技量も技術も無い。


売りたくは無いし捨てたくもない。

でもエストレヤは月日を重ねる毎に朽ちていく。

見てられなくなった私は義兄に相談する。

義兄や甥っ子に本当は乗ってもらいたかったがどうやらそれは出来ないらしい。

遊びに行けばいつでも会える。

そんな思いがあったがダメみたいだ。

だが義兄の紹介もあり近所のツーリング仲間で是非乗りたいと言う方が現れた。

本人はこのバイクを最後とし、生きている間は大事にしていきたいとの事。

ならばと言う事で引き取ってもらう。


軽バンで来た彼は何とも大柄な男だった。

義兄も同乗していた。

力自慢の二人、難なく軽バンにバイクを乗せる事が出来た。

軽バンの中でバイクをズラすのに少々手間取ったが何とかギリギリだがリアガラスには当たらなそうだ。

軽バンに積み込みが完了した。


最後、エストレヤに別れの挨拶をする。

この子に触っていたら妻を乗せた日々を思い出しウルッとする。

やっぱり何をどう切り取っても別れと言うのは辛い…特に今は特別辛い。

然しエストレヤはこれでまた幸せに過ごせるはずだ。

エストレヤの新しい主人さんはエストレヤが直ったら私の所に乗って来てくれるそうだ。

それを聞いてまた泣きそうになる。

妻との思い出が詰まったバイクはきっとまた輝いてくれる。

エストレヤ、大事に乗ってくれる主人に出会えてほんとうに良かった。

ウチの子の門出を祝う気持ちで送り出す。


さよならエストレヤ

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