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大好きな妻と歩む道  作者: ゆき


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105日目 鉄壁の銀行と鍋物の思い出


10月14日(水)

午前9時半

大手銀行へ歩いて向かう。

スクーターで行く予定だったが午後から雨になるらしく仕方なく歩きにする。

駅から離れた銀行なら駐車場もあるだろうが駅前の銀行は大概駐輪場も無いので不便だ。


午前10時5分

約束は11時、あまりにも早過ぎるので仕方なく駅地下ショップで時間を潰す。 


午前10時45分

目的の大手銀行に入る。

窓口で〇〇さんと約束している旨を伝え、暫く待った。

先週は妻と私の戸籍謄本と住民票に印鑑証明書を渡したが、今日は義父母と兄それから養母の戸籍謄本、義父、義兄の印鑑証明を渡す予定だ。

その後審査に1週間〜1ヶ月近くを掛け、やっと口座凍結と貸金庫開錠となる。

普通、半年近くも掛かるとは思わない。

ここは「鉄壁の銀行」だね

攻略するのに随分と精神と労力をすり減らした。

あまりにも用意する物が多く、無理難題ばかり言ってきた。

遺産分割協議書を提出したにも関わらず、他と比べても書類の多さは異常だ。

もう二度と経験したくはないし、この銀行とは取り引きはしたくはない。


担当者がやっと来た。

何でも審査の結果、まだ足りない物があれば審査が長引くとの事…マジですか?

問題無ければ1週間で貸金庫開錠となる。

そして口座凍結解除となりめでたく他の銀行へ振り込みが可能となる。

さて今回は上手く切り抜けられるかな

とにかく問題あれば連絡してくれるそうだ。

連絡がない事を祈る。


生前、妻も言っていたんだよね

この銀行は何かと面倒くさいから止めたいと、何となく分かるよ

この事務的な面倒ごとの多さは異常だ。


銀行を出て最寄駅まで帰る。


午後0時頃

最寄り駅のスーパーで買い物をする。

今日は鍋物がしたい。

先日見つけた小鍋を使ってみたいと言う簡単な理由で鍋物の具材を買う。

何とも単純な思考だが今はそれで十分だ。


白菜の値段が高い。

しかも1/8カットって何?

まぁ〜お一人鍋には丁度良いかね

後はえのきだけで購入する。

鶏肉、豆腐、にんじん、ネギ(家庭菜園)は家にある。

問題は初めて買うキューブ状の鍋の素だ。

妻がいた時は大袋で買っていたが、今は食べきれないだろうな

「鶏だしうま塩」君に決定だ!

通常7個販売に+1個増量に惹きつけられる。

他に唐揚げも買ってみる。

それと今日は酒が飲みたい。

早速家に帰って下拵えをしよう。


午後2時

お昼を食べてないのでお腹が空いた。

鍋の下拵えを終え、夕食まで冷蔵庫で待機。

糠漬けを出し、代わりの物をセットする。

今日は「こくうまキムチ」も買ったので珍しく4品も並ぶ贅沢な食卓になりそうだ。

妻がいた時はもっと豪勢だったが、今の私には十分これで満足出来る。

4時半になったら鍋を火にかけよう。


午後4時

ある坊さまの動画が流れてくる。

私と同じ様に妻に先立たれた夫の話だ。

そういった方の相談に対して坊さまが答える形で進行するらしい。

思わずもらい泣きしてしまっまた。

この坊さま話しが上手いな


午後4時半

鍋を火にかけると直ぐに出来上がった。

先ずは妻に味見してもらおうと仏前に置く。

「ムッチぃ〜鍋だよ〜お食べよ」

その間に缶ビールの開けグビッと飲む。

ぷはーっ、うん、美味い。

が、楽しくない。

やはり妻がいた時に飲むビールとは違う。

妻に「いただきます」を言いテーブルに並べる。

少し冷めてしまったね

でも美味しくいただけた。

一人鍋は器が小さいからか直ぐ冷める様だ。


生前の妻と鍋をする時は必ずその鍋が美味いか不味いかとその味についてよく語った。

良ければ次も買うし、不味ければそこで終わる味談義をしたものだ。

今日の鍋キューブは中々良かった。

まだキューブは7個もある。


ここ1、2年は私が鍋奉行をやる事が多かった。

妻に少しでも休んでもらおうと私から率先してやっていたものだ。

去年の冬は味変にも趣向を凝らし、妻の評価も中々だったと思う。

然し、もうそんな事する必要が無くなった。

褒めてくれる妻はもうこの世にはいない。

そして微笑みも消えた。

笑って食べるがウチの食卓だったが、妻が亡くなって以来笑えなくなった。


そう言えば鍋奉行と言っておきながら具材の並べ方は妻に習ったんだよな

焦げ付かない様に鍋下は肉ではなく白菜又はキャベツを敷き、その上に肉を放射状に並べその時季の好きな野菜も乗せる。

静かに鍋の素を注ぎ入れる。

口当たりの良いシャウエッセンを放射状に並べ、一番上に十字に切った椎茸とミツバを綺麗に並べ彩に人参を置く。

グツグツとした頃合いで鍋を開くとパァーっと花が開いた様に食欲をそそる彩り鍋が出来上がる。


私「わぁー美味しそうだよ〜」

と妻に言うと微笑みながら妻が

妻「ほんとーふふんっ」

って感じで喜ぶ妻の顔があった。


あぁ懐かしいな…

あの日に帰りたい。

やっぱり目頭が熱くなった。

何処にでも思い出があり、何処

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