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大好きな妻と歩む道  作者: ゆき


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92日目 スクーターを買う


10月1日(木)

私の家から最寄りの駅まで歩いて15分は掛かる。

働いていた頃は大した距離ではなかったが今の私には30分の長旅となる。

やはり以前の様には身体は言う事を聞いてはくれない。


この身体でどこまで出来るか分からないが、働ける所を探している。

2回の白内障手術が来月なので本格的に働くとしたら二ヶ月後となるが、今のうちに働く内容と場所の把握だけはしておきたい。

自分の身体に合う様な仕事(紹介される仕事)は埠頭の近くとか開けた工業地帯など駅、バス停から結構離れた所ばかりで健康な足でないと通うだけで大変そうだ。

やはり足(バイク)が無いと不味いな

跨げるバイクは重さと足付きの悪さから危険だし、今の私で乗れるとしたら足の自由が効くスクーターしかない。

田舎の会社なら乗用車通いも問題ないが都心からそう離れていない私の地域では無理だろう。

中古でもいいからスクーターでも買うか…


それと義姉が義父の面倒で大変らしく、そのサポートが出来ればと考えている。

元々は妻が引き受けた事だし、妻も義父が心配だと思うんだ。

妻の為に出来る事はしてやりたい。

それにはスクーターが必要となる。

先行投資と考えてスクーターを買いに行く。


何件かピックアップしたがどれも似たり寄ったりの機種、年代、値段。

一番お手頃価格の中古を見るとほんの数万円出すだけで新車が買える。

しかも錆だらけで4万キロを超す物ばかりだった。

これ、新車で買った方が断然いいだろ。

取り敢えずバイク販売大手の店に目的の中古バイクがあるので見に行った。


バイク屋に入ると展示場と言うだけあって大型バイクがズラリと並んでいた。

昔乗りたかった大型バイクもあり隅々まで見させてもらった。

それにしても今ってこんなに高い値段なの?

私が知っている当時の倍はしている。

奥にあった国産フルカウルの大型バイクは300万円を超えている。

これ、中古なんだけど…マジか

田舎なら家が建つ値段の物まであった。

世の中気が狂っているな


一番奥に目的のスクーターがあった。

んー錆が目立つな

47,000キロ…

バイク屋さんに頼んでエンジン音を聞くと普通にスクーターらしい感じで問題はなかった。

事故歴、修理歴を聞くと事故は無いが修理はそれなりにあったらしい。

訂正する様に消耗品の交換に言い直していたがとても怪しい。


ダメかな


丁寧に乗っていたと言っても信用出来ない以上買わない方が無難な気がする。

値段も8万足せば新車が買える。

やはり新車を購入しよう。

この機種で新車の見積もりを取ってもらった。


保険も入れるとやはり結構なお値段になった。

在庫を確認したところ長野店に2台程残っているとの事。

さすが大手、小売店では真似出来ない。

懐は痛いが先行投資に賭けるつもりで契約する事に決めた。

これは私の預金から賄うつもりだ。

生活費からは出せない。

頭金を払い契約を済ませる。


買ってしまった…ちょっと気落ちする。


ただでさえ家計は火の車なのにスクーターを購入するのだからやはり罪悪感が湧く。

然し、ぼんやりと家でジッとするだけで何もしないのなら意味がない。

老後の蓄えを計算し上手く資産運用していた妻はもうこの世にはいない。

後は私が体を動かして生活していくしかない。

楽な老後と考えていたが難しい様だ。


家に戻り妻に報告を入れる。

何となく文句を言っている気がするが応援もしている気もする。


〇〇ち(私の字名)、何でも考えなしに直ぐに決めすぎだょ

少しは一歩身を引いて考えがまとまってから行動しないと痛い目みるよぉ

でも今更言ってもあなたは聞かないし…もうやるからには最後まで責任持って行動するのよぉ

頑張って〇〇ち!応援しているからね


晩御飯を妻に備える際にそんな事を言っている想像をした。

やっぱり怒るよな…

暫くショボーンと項垂れる。


ごめんなぁムッチぃ〜

ちょっとだけ頑張ってみるよ

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