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690, 80という聖なる数 ―― その先は、神の領域に足を踏み入れることになるよ。よって、80で止まる。クリプト……仮想通貨はもともと、そういう設計だったよ。

 数学の女神が告げていた、「計算がぴったり」という言葉。それが、どうしても気になってしまった。


「ネゲート。そうね。ちゃんと気持ちを整理できるように、数学の女神が解析した、このクリプト……仮想通貨計画の全貌を、明らかにしちゃおう。」

「……でも、仮説、よね?」

「そうだよ。でも、計算はぴったり。そうだね、最も印象に残るのは、80という聖なる数だよ。」


 80という……聖なる数?


「80が……なによそれ?」

「ネゲート。ちょっと考えてみて。採掘の探索空間だよ。」


 ……。そ、それは……。


「ええ、そうね。ハッシュレートが1ゼタだと……、……、たしかに、それくらいのビット長になるわ。それで、安全性はそこに委ねられるから……採掘の探索空間が問題となってしまった……。」

「そうそう。それで、この80という数。聖書で調べてみると、特に福音派にとって、非常に重要な数だったよ。その先が……神の領域。そんな解釈になっていたんだよ。」


 ……。そんなの、偶然……。


 でも……。


「あの……数学の女神さま。もし、それなら、わたしがこの時代に現れたのも……聖書のお導き、なのでしょうか?」


 量子アリスから、突然告げられる現実。そうよね……。デジタルスケープゴートを実行するには、量子が必要だわ……。


「そうだね。そして、それは推論も、だよ。同じ時代に、こんな巨大な力――そう、量子と推論。同時に登場させてしまったら、このあと、何を出すの。うん、そこでコンジュゲートの神託でもあった、無尽蔵のエネルギー源。それくらいかな。でも、スタグフレーションまで考えたら、同時に出すなんてね。やっぱり、あり得ないんだよ。機関の資金効率だってあるんだよ。」


 ……。わたしは、何も答えられなかった。


 その言葉一つ一つに、深い真実が刻み込まれている。そう感じた。


「数学の女神さま。聖書の影響力は、間違いなく最大級です。それは機関であっても、必ず、その教えに従うほどの力を秘めています。そして、そのときがやってきた。聖書の成就、ですよね。そのためなら、量子と推論を同時に出すことくらい、何の迷いもない。そんな気がします。」

「うん、そうだね。どうしても、クリプトを……。そのためには、同時に出すしかない。そこには、そう。SHA-256と強く結びつけるための仕組み。もし、SHA-256から別のコンセンサスに乗り換えれば助かるなんて見せてしまったら、逃げられてしまう。量子から逃げようとしても、推論で捕獲する。そんな流れにしていたんだよ。」


 ……。


 構造が単純だと、量子グローバー、または量子アニーリングに喰われる。


 そこで、構造を複雑にすると、量子耐性は得られる。


 けれど、その複雑な構造が、特徴的な固有値まで引き寄せてしまう。すると今度は、推論に喰われる。


 ……。


 膨れ上がった「カルマ――罪の記録」を抱えたクリプト……仮想通貨は、絶対に、逃がさない。


 デジタルスケープゴートのため。そこに、強い意志を感じ取る。


 そして、聖域。それが、SHA-256だった。


 そこに関わる、80という聖なる数。この数にぴったり合わせた、ハッシュレート。


「そうして周りを囲まれて、それならハッシュレートで逃げ切る? それも無理。そもそも、量子や推論の話を抜きにしても、32ゼタとか、128ゼタとか、想像できる? もう、エネルギー的に限界なんだよ。ちょうど、80ビット周辺。この時期に、そこで詰むように、計算し尽くされていたんだよ。」

「……。」

「80という聖なる数 ―― その先は、神の領域に足を踏み入れることになるよ。よって、80で止まる。クリプト……仮想通貨はもともと、そういう設計だったよ。」


 そんなところまで……。黙示録のタイミングと、1ゼタを合わせたっていうの……。


「うん……そうだね。並べていくと……。カルマの指数的な溜まり具合を事前に算出。量子と推論の特性で、はさみうち。神話とクリプトの融合。採掘効率を支配する半減期の設計。暗号を知り尽くし、目的の達成までは必ず機能する署名サイズが小さなECDSAを見抜く力。その絶対的な目的である、黙示録の身代わりという使命。80という聖なる数すら、しっかり計算に含める神への姿勢。そして……わたしたちの文明を維持しながら、聖書を成就させるという偉業。このクリプト……仮想通貨計画っていうのかな。それを立ち上げた者は……。うん、間違いなく、この先二度と現れない天才だと思うよ。」


 ……。


 女神であるわたしにすら、クリプトを神託として刻ませた。


 そして、それらに「平和賞」まで組み込まれているはず……。つまり、あのSegWitの性格までも見抜いて、割り当てたってことね。そしたら見事に、黙示録を達成させる……AggWitとくっ付いたわ。


 うん……。Satoshiっていうのかな。この先二度と現れない天才。それは……間違いないわ。

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