育成期間0年7ヵ月2週間
・・・やりすぎた。ああ、まただ。
前にも似たような事があった。
それで知ったはずなのに、何も学んでいなかったのか?
俺の魔獣。最弱の魔物コッコ。
能力「発火」による
ダメージを薬草で誤魔化しつつ、能力慣熟のために発動を繰り返した結果、
魔獣は自身の限界を越え、地に伏した。
現在は、ボロボロの体を俺のベッドに横たえている。
火傷のためか、体には熱が籠りまるで焼石のようだ。
そんな魔獣を見つめ、俺は思う。
遠からずガタがくることくらい予想できたはずだろう、と。
・・・・いや、違うか。
都合の悪いことから目を背け、あと少しと。もう少し、と。
俺はコッコへ押し付け続けた。結果を、求め続けた。
自分の中で日に日に膨らむモノを押さえ付けるために。
なぜだろうな。
こいつに求める結果は、1つだけだったはず。
いつからだろう。
それ以外を求めるようになっていたのは。
・・・・・・。
そろそろ薬の時間か。
収納ボックスから、フラスコに収められた回復薬を取り出す。
紺藍色の透明な液体は輝水晶製ランプの光に照らされ、淡い光彩を放っている。
その液体ををコッコは嚥下する。
そして、空になったフラスコを見つめながら、残った財布の中身を思い浮かべる。
自業自得とは言え、余計な出費を出してしまったのだ。
また、稼ぎに行かねば。
全く・・・・こういう要領の悪い自分は、嫌いだ。
コッコは能力【限界突破】を取得。




