育成期間0年7ヵ月1週間
平原に広がる新緑の絨毯。
一面を一色に染めていた大地は、最近になって新たな色を加えた。
色の名前は黒。その色はさながら虫食いのように緑を蝕んでいる。
大量の魔石を投じてコッコが修得した能力の1つ「発火」
対象に対して、文字通り火を発現させる能力。
いざ使ってみると、その威力は想像を遥かに上回っていた。
草木は一瞬で炭となり。
岩は燃え尽きて灰になり。
鉄に至っては、形を失い液体に変わった。
在り得ない火力を瞬時に叩き出し、尚且つ消費する体力値もそれほど多くない。
能力自体は十二分。そう、能力自体は。
問題は、やはり能力を行使する魔獣だったりする。
現在、コッコの全身を包んでいるのは純白の羽毛ではなく、薬草臭い包帯だ。
理由は言わずもがな。能力を使いこなせていないツケである。
・・・何が駄目ってこのニワトリモドキ、
よりにもよって「発火」の発動条件が自分自身なのだ。
つまり、現状の「発火」は自爆と同義である。
爆心地にいればどうなるか、考えなくとも想像に難くない。
普通なら消し炭になってもおかしくない話だ。
それが丸焼きで済んでいるのは能力「火性耐性:弱」の恩恵に他ならないだろう。
「発火」は耐性持ちにはその威力を大きく減衰させるからだ。
はあ・・・・・。
能力は使わなければ熟知できない。
だが能力を使えば丸焼き。
なんというジレンマ。
これがコッコ固有の能力であれば、決して悩む必要の無い悩みの種と言うやつか。
個人的には、一文にもならない種など願い下げなんだがな。




