2章 154
「付いて回らなくてもいいから、それっぽいのカゴに入れて」
「えー、一緒に行こうよ」
「……分かったから、早く」
岐阜さんは私の真横を歩く。
何が楽しいのかニコニコと。
キョロキョロするだけで何かを手に取ることもないから、そう言ったのに、嫌がる。
世のお母さんの気持ちが少しだけ分かった気がした。
こんな何考えてるか分からない子供の親は大変だと、岐阜さんの家族に同情する。
そうすると、岐阜さんが家族に抱える負の物が引き合いに出さなくちゃ行けなくなって。
そうなると、少しだけ岐阜さんに同情してしまう。
楽しくない思考だ。
とりあえず歩き回って目に付いたものをどうするか考える方向に自然となって、岐阜さんは冷凍食品のコーナーで立ち止まる。
「あ、みて鈴城さん。冷凍のピザがあるよ」
「そりゃ、あるでしょ」
何も珍しい事じゃない。
どこのスーパーにも必ずあるコーナーだし、ラインナップもほとんど変わらない。
それなのに、テーマパークではしゃぐ子供のような岐阜さんは楽しそうだ。
「コレにしよう!」
マルゲリータ。別になんでもいいけど。
ちゃんと作れるものかと後ろの調理方法を見て首を捻る。
「……家、オーブンじゃない気がする」
「どういう事?」
めんどくさい。そう思いながら説明すると、レンジでも大丈夫なやつに選び変えた。そうしてようやく1つ目だ。
このペースは夜が開けるんじゃないかと思うほど遅い。
小さくため息を吐く。




