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2章 141
「本当に凄いと思う、頑張ったね」
「う、うるさい」
岐阜さんがまるで自分の事のように嬉しそうにそう言って、私の頭を撫でてくるものだから、びっくりして仰け反ってしまった。
頑張ったねなんて言われたのはいつ以来か。
褒められたのはいつ以来か。もう思い出せないほど昔かもしれないし、そもそも無かったかもしれない。
だから、私はキスをされるよりも余っ程恥ずかしく感じる。
「素直に受け止めなよ」
「……ありがとう」
岐阜さんは行き場の無くなった、私を撫でていた右手をもう一度私の頭へ持ってきて優しく優しく撫でる。
体が縮こまる気がする。
甘ったるくて心地よくなる。
変だ。
そう思うのに、岐阜さんに逆らえなかった。
「私も頑張ったんだけど?」
「知ってる。学年1位だったでしょ」
一通り撫でると岐阜さんは自身の答案用紙を見せてくる。
見たけど。見せてくる。
期待する様に言ってくるけど、私は岐阜さんみたいな事を岐阜さんにするつもりは無い。
素っ気なく岐阜さんの順位を言えば驚かれる。
「知ってたんだ」
「たまたま」
なんか調子の狂う日だと思う。




