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2章 118
『君はもしかしてサイン会の子かな?』
「はい……本当に葵海先生なんでしょうか」
何億分の1くらいの偶然を引き当てた様な、電話が繋がっていても信じ難い現実に戸惑いがある。
『そうだよ。たまにこうしてサイン会で泣く子が居るだけどね』
「その、すみません……」
『いいの、いいの。感情の理由を聞いてたりするんだ』
「なるほど?リスク高くないですか?」
『使い捨ての番号だから』
「聞きたいことがあるということで良かったのでしょうか」
『そうだね。泣いてた理由が知りたいな。あ、勿論無理強いはしない』
泣いていた理由。
それは人に話すにはちっぽけで、惨めな話だ。
「面白くは無いですよ」
『主観は大体そうだよ』




