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2章 98
身構えて、次に来る事を想像して、目まで瞑って。
でも、私への岐阜さんの感触は頬だった。
軽く音が鳴って頬にキスされたんだと分かる。
え、と思った。
目を開けた時、岐阜さんは照れくさそうに笑ってて。嬉しそうだったんだ。私に少し触れただけでどうしてそこまでと思う。
容姿だって誰もが惹かれるような見た目じゃないと思う。
「これでも我慢してるんだから」
「……知らないよ」
岐阜さんは普段通りに、能天気を演じる様にしててくれないと調子が狂うし、空気感もおかしくなる。それは不味いものだって本能的に分かるから少し距離をとる。
岐阜さんは名残惜しそうにしたけれど、再び近づいて触れ合うなんて事にはならなかった。




