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2章 95
脱衣所の扉に背を預けて座っている。
何してるんだと何回目か。
雨は強くなってきていて、世界の音がそれだけならばどれだけ良かっただろうか。1つ扉を隔てたその向こう、小さく服が擦れるような弟がする。足を上げて、下ろした瞬間。
上を着て髪を書きあげたあとの一息。
音から全てイメージ出来てしまう。一瞬だけのあの姿から服を着た姿へのイメージが。
「いた」
「あ、ごめん」
湿った髪、温まった体。
タオルを肩にかけた岐阜さんが私を見下ろしていた。
今度はちゃんと服を着ている。当たり前だけど。
「入るからどいて」
「え、着替えは?」
「……取ってくる」




