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2章 86
私は傘を閉じて走った。年濡れるのもお構い無しに走って鈴城さんの傘の中に飛び込んだ。
「わっ」
体を押し込むように密着させて1つの傘に2人が入る。相合傘。
人生で初めての事だけど、なんか楽しくなってくる。
鈴城さんは立ち止まってなにか言おうとして目をつぶって眉間に皺を寄せて、目を開いて、ため息を吐いて。
「自分の傘使ってよ……」
「少しでも一緒がいいから」
「……ならせめて岐阜さんが持ってて」
「うん、分かった。楽しいね」
「楽しくない」
「楽しいって言いなよ」
「楽しくない!」




