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2章 75
「いや、教室に居なかったじゃん」
「それだけで?」
他の誰が居ようと居まいと分からなかったと思う。鈴城さんだからこそ私は探したんだから。
帰ってしまう事も考えたけど、何となく居座っているような気がしたからね。探す理由にはこれで十分だ。
「朝見かけて教室来なかったから」
嘘、会いたかったから。
取ってつけた理由を言えば、鈴城さんは調子を取り戻したみたいで、いつも通りの不機嫌顔だ。
「だからか……」
「ん?」
「なんでもないよ」
鈴城さんは何事かを小さく呟いたけれど、私には聞こえなかった。それは蝉の鳴き声が掻き消してしまうくらいの声だったから。
まあ、いいやと思う。汗が垂れそうだ。
「よくこんな暑いところにいたね、出ない?」
「嫌だ。だって秘密基地なんだから」
ハンカチで顔に付いた汗を拭いて外の方が涼しそうだと思うも、意固地になってる。さっき言った冗談でへそを曲げたらしい。
「そっか、じゃあ仕方ない」
付き合うだけだ。




