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2章 46
「言いたくないことだってある」
岐阜さんをドンッと押して私は立ち上がった。
少しでも優位性があると思っていないと、丸め込まれそうで、岐阜さんを見下ろす。
「ならなんであの日、呼び出したりなんてしたの?」
「それはっ……」
岐阜さんは後ろ手に姿勢を直して、それでも視線はそらさない。
あの日の誤ち。気持ちの早とちり。消してしまいたい事。
でも、既にことが起きてしまって、取り返しのつかない事。
ずっと叫んでやりたい事だ。それが日が経つとどんどん原型がなくなっていく。
「言いなよ」
「うるさい」
岐阜さんが立ち上がる。いつもより大きく感じてたじろぐ。
1歩引くと詰めてくる。
「鈴城さん」
ただ、真摯に名前を呼ばれただけ。
それだけなのに。
固く目をつぶって、その後にため息を吐く。
「……ほんと勝手」
「鈴城さんの前だけだよ」
「いい迷惑なんだけど」




