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2章 32
「いいの」
何に対してか、どう言う意味か。それは私が決める事で無かったことにしてもいい。私は離す。
ずっとだ。あの日からずっと私は私じゃないみたいだと思う。
驚いた顔と嬉しそうな顔が半々の様な顔で、私の次の言葉をじっと待つ。
私は言葉じゃなくて、首を縦に振る。
岐阜さんは一瞬、壊れたロボットが再び動いた時のようなぎこちない動きをしたけれど、
「鈴城さん」
私の名前を呼ぶ。
「なに」
私は自分の拗ねたような声に驚いた。
「嬉しい」
単純で素直な言葉が今は1番聞きたくないなと思った。




