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2章 31
岐阜さんは立ち上がって真正面から向き合うから、何も言えなくなって、睨み合う視線だけがお互いの全てになってしまっている。
「話してよ、ね」
岐阜さんは一転ふにゃりと表情を和らげて、これ以上ない優しい声を出す。その優しさに包まれればどれだけ心地いいか。
「分かった」
岐阜さんは安堵したように力が抜けてまたベットに勢いを付けて座る。私はまだ言葉の続きがある。
「けど、待って」
「待つ?」
この場で話せるとは思えないし、色々と整理しないとまた同じことをしてしまいそうで。
呼び出したのは私だけど、次の約束の日まで頭を冷やした方がいいと思ったのだ。
「いつまで待てばいいの」
「次」
「ん、分かった」
聞き分けよくそう言って部屋を出ようとするから、裾を咄嗟に摘んでしまった。




