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2章 26
「別に」
「もう、別にじゃ分からないよ」
岐阜さんはしつこく食い下がってくる。
やっぱり最近の私はどこかおかしくて、それを言語化できない。
正直なんで呼んだかなんて理由は無い。無いはずなのに、聞きたいことと言いたいことは明確になっていく。
岐阜さんの態度を、動きを、顔を見ているとそれはより強くなっていく。私に不満気な顔をしないで欲しい。
「岐阜さんが分からなくたって困らないから」
「私が困るよ」
結露で何処を触っても濡れてしまうコップを持って一口だけ飲む。
岐阜さんはしつこい。
私は全部言うつもりは無いのに、それだと困るという。
もう勝手に困ってて欲しい。それでずっと私に悩めばいい。
「なんで」
「知りたいから」
「……知らない」
ずっと私に悩めばいい。そう思っても、知りたがる理由も知りたい。
私達はお互いを知らなさすぎていて、怖いんだと思う。
私が岐阜さんの事を少しは気にしているのと同等の気持ちで、岐阜さんは私の事を知ろうとしている。
どうしてか分からないけれど、その気持ちに素直な所や、愚直な言葉の数々は重くのしかかる様で、素直に受け止めることは出来ない。




