369/413
2章 25
私は部屋に入ってきた岐阜さんの持ち物を確認して、カバンの中に紙袋があることに気がついた。その紙袋は見覚えがあって、私が本を買った時も手にしたものだった。
「寄り道したの」
「しました。今日はその予定があったの」
悪びれる様子もなく、今しがた買ってきた物を私に手渡してくる。
手渡されても困るから押し返す。
岐阜さんは本を持っていつもより嬉しそうにしていて、無性にイラつく。
「岐阜さんの予定なんて知らない」
「なんと……」
岐阜さんは自分のプライベートが優先されない事実に驚き、苦笑いをする。怒らないなと思う。
酷いことを言っても受け入れてしまっている。
「それよりさ、呼び出すなんて珍しいね」




