326/406
326
「私に興味出た?」
「あなたにじゃない。本に、よ」
岐阜さんは自然な笑顔を咲かせて嬉しそうに言うから、その反応に微かだけど、嬉しさが混じってしまった事を隠したかった。
慌てて言い訳をするけど、岐阜さんは疑い深く私を見てくる。
本に興味があったのは本当だし、その為に買ったんだし。
そこから色んなことを紐付けることは簡単に出来るだろうけど、それは意味が無いことだ。
注意しなければならないのは岐阜さんを調子づかせない事。
「えぇ、私に興味あるって言いなよー」
「し、知らない!返して!」
そう思ってるのに、既に調子に乗って甘えた様な声を出すから本をひったくる。




