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やたら乾く口の中。
カラカラになってたから、お茶を持ってきてくれて有難かった。
思い返すと酷いことをしている私に、おもてなしがあるとは思わなかった。
「飲んでいいの?」
念の為、実は鈴城さんが自分用に2杯持ってきてる可能性を考慮して尋ねると、しかめっ面を晒す。
「その為に持ってきた。要らないなら捨てる」
「そんな勿体ないこと言わないで」
渋々やりましたという感じを、取り繕うこともしないで言う姿勢に私は新鮮だと感じた。
嫌な顔をしても礼儀は通す。
鋭い視線を感じながら、有難く貰う。
自分の家のお茶とは味が違った。
鈴城さんはじっと、注意深く私を見ていた。




