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その夜は当然の様に眠れなくて、朝になったようやく眠気が来た。
体が重くて、ダルくて。
あれやこれやと理由をつけて休んでしまいたかったけど、そんな甘えはこの家に見せたくなくて、重い体を引き摺るように学校へ向かう。
肌がヒリついて、日差しの強さが季節の変わりを感じさせてくれるが、今日それを感じたくはなかった。
汗をかくと昨日を思い出すし、そうなると悪い体調の他にも何かが悪くなっていく気がする。
やっとの思いで学校に着いても他の生徒は誰も居なくて、校舎からチャイムが聞こえてくる。
1時間目から体育のクラスがワイワイと朝から元気そうにグラウンドに向かうのを横目に靴を履き替える。
鈴城鈴。その名前の記されている下駄箱を開ければ当然のように登校していて、尾を引いてないことが分かる。
その温度差に心臓がきゅうっと締め付けられて余計に苦しい。
「無理無理……」
教室じゃなくて保健室に直行する。
思えば初めて行くかもしれない。この学校でも言ってない場所が多くて、知ろうとすればできることをしてこなかった。
それは人に対してもだし、鈴城さんに対してもだ。
もっとちゃんと話す事をしないと知らず知らずにボタンが掛け違えて取り返しのつかないことになる。そう直感できる。
スタートが既にダメだからどこかで無理やり修正しないといけないんだけどね。




