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「あの、さ」
1歩近寄って話始める鈴城さん。
ぎこちない話し始めに遠くへ行きかけていた意識が体に戻る。
「ご飯作るの、手伝っ……手伝いなさい」
照れた様に、恥ずかしそうに。
小さな子が親に何かをねだる時にそうだったように、ぎこち無く、それでいて自分一人でできないということに変なプライドが触れて素直になれない様に、鈴城さんは命令口調で誤魔化しながら私に手伝わせる。
「いいよ」
出来ないからやらないと言っていた事を目の前でやっていて、それでもつまづいて。だから諦めるのではなくて、きっと、好きとはほど遠いところにいるだろう私に助けを求められたなら、喜んで引き受ける。
引き受けるけど。
「もうちょっとどうにかならなかった?」
私もこの家で、鈴城さんがやってと言う時以外に料理はしないけから経験値で言えば鈴城さんとそう変わらないけど、おもちゃ箱をひっくり返したようなこのキッチンには文句は言いたくなる。
「ならなかった!」




