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「明日学校なんだけど」
「知ってる」
じっと噛まれた腕を見て困ったように言う。
困らせたかったので私は満足だ。
「跡消えるよね」
「消えなくてもいいんじゃない」
噛み跡を摩って明日のことを考えてるらしい。
最近よく人と話すから、その時の会話のネタにしてしまえと思う。
どうやって説明しても私の事を言うことになりそうだけど。
「鈴城さんが良くても私が……」
「岐阜さん、これは命令なんだよ。後から言わないで。それとも私と離れる?」
「……それは狡い」
岐阜さんは文句が多い。
元々は岐阜さんがなんでも命令していいって話だし、それに付き合ってあげてるのは私。なのに、それはおかしいと指摘すれば、本人もその通りと思うのか、拗ねたように呟いた。
「少しは私の事分かったんじゃない」
「ますます分からなくなった」
岐阜さんが私にどんな幻想を抱いていたか知らないけど、私はこんな人間だと理解出来たんじゃないかと思う。
岐阜さんと顔を合わせて胃がムカムカする関係には成りたくないけど、嫌がる事をさせるって。
けど、岐阜さんは真逆なことを言う。
なら、どうしようもないんじゃないかな。
交わることは、きっとない。……「ご褒美」に同じことをされても仕方ないかもしれないけれど、少し気にはなる。
「そう。……お腹空いた」
これ以上会話が弾むことは無い。
だからどう考えても夕ご飯には早いし、お腹も空いては無いけどそう言った。
「……そう?まだ時間早くない?」
「作る気はある?」
「それは?」
岐阜さんはパッと表情を切り替えて尋ねる。
「……お願い、かな」
私の答えにニコリと笑う岐阜さんはやっぱり理解できない。




