170/510
170
「あ、作って欲しいヤツを命令して作らせてもいいんだよ?」
名案とばかりに提案したのだけど、シラっとした目で見られる。
気に食わないことなら言ったくれればいいのに、鈴城さんは言わない。それどころか目すら合わせてくれない。
「命令」
鈴城さんは空になったカップ麺の容器を重ねてゴミ箱にすてる。
振り向いて、俯いて、言う。
「泊まっていったら?」
命令を2連続で言うんだ。とか、鈴城さんの家に?とか、咄嗟に出てきそうな言葉を何とか飲み込んで、頷く。
けど、鈴城さんは私の方を見てないから意思が伝わってない。
だから、近付いて手を取った。
強ばった手が和らいで繋いだ手の柔らかさが心地いい。
視線があって、私はニコリと微笑む。
「いいよ」
「生意気」




