169/511
169
まさか色よい返事が返ってくるなんて思わなくて、鈴城さんを凝視してしまう。
私の妄想の鈴城さんが、渋々私の要求を飲み込んだ。そういう夢は何度か見た事はある。
似たり寄ったりなことが起きて、信じられない。
「なに」
しかし、この目の前の鈴城さんは本物だ。
ジロリと睨み、不機嫌そうにしているから。
下手なことを言うと前言撤回されることは何となくわかる。
ここで聞き返すのは悪手中の悪手、恐らくぎこちなくなってる笑顔を浮かべながら、
「何がいいかなって考えてたの」
「夜ご飯?」
「そう」




