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耳元で吐息が聞こえる。
息を吸って固いものが首筋に当てられる。
経験のない感覚に体が跳ねる。
触れただけ。まだ噛まれてない。
ぬるりとした感触。
「噛むって話でしょ」
舌で舐められる。
生暖かい物が肌を撫でる。
あまり気持ちのいいものではなくて声を上げる。
岐阜さんは何も言わず、今度こそ噛んできた。
グッグッと肌に押し込まれていく。
「痛い」
顔が険しい表情になってると思う。
痛みがまた思考を岐阜さんで埋めつくそうとする。
人と触れ合った時の燃えそうな程に熱くなること。
まあ、顔も良い事が分かってしまったこと。
表面上の事ばかりで、内心が分からない。
少しだけ、ほんの少しだけ知りたいと思ってしまった。
耐えられる痛みは色々と考えてしまって、染まってしまいそうだったけど、より強く噛まれて、ピリピリと頭まで痛くなる。
「岐阜さんっ」
痛みに耐えかねて頭を押しやる。
ズキズキと痛む首筋を手で抑えると湿っていて、生暖かい。
ここに岐阜さんの痕跡がある。
まるで、
「私の所有物みたい」




