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「ちょっと!」
かなりキツめの言い方をしたけど、何処吹く風。
下駄箱での出来事という事は、当然周りにも人は居て、私の声で、一瞬静まりかえる。
私と岐阜さんを囲む様に人だかりが出来そうなのを察知して、急いでローファーを履いて岐阜さんの手を取って歩き出す。
すぐ脇の桜の木まで来て、問い詰める。
「何がしたいの」
「ただ恩を返したいの」
「付きまとわないで、それが恩返しだよ」
言い捨てて岐阜さんの隣を掠めて歩くと、腕を掴まれた。
まだだよ。
ギリギリと音がしそうな程に強く掴まれて顔をゆが混ぜながら腕を振りほどく。
「いい加減にしなよ」
「これ、みて?」
岐阜さんはスマホをかざすけど、外が明るすぎて画面が真っ暗に見てる。なにか脅迫まがいな事をされているんだろうけど、見えない。
「なんなもみえないよ」
「あ、明るさ調整しないと」




