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2 知らない天井

次に僕が意識を取り戻したときはベットの上だった。汚れ一つ無い清潔な真っ白な天井に昼間だと言うのに明るすぎる照明が起きろと言わんばかりに僕を照らしていた。この照明のせいで起きたばかりの目がチカチカする。


「知らない天井⋯⋯死んだのか僕は」


「死んではいない。まぁ生きているのも不思議なくらいだがな」


僕は初めてそこに人が立っていることに気づいた。立っていると言っても壁に寄りかかっているのだが。その人はよく刑事が着ていそうな丈が長めの黄土色のコートを着ている。それに加えて整った顔に細長い角メガネをかけているためよくドラマにいる刑事のようだ。


それによく見ればここはどうやら病院のようだった。ピッピッと心電計が音を立てている。


「あの、あなたはどちら様ですか。もしかして刑事さん?とかですか。あと読んでいる本上下逆ですよ」


その人はその言葉を聞いた途端顔が曇った。


「なんで皆刑事だと思うんだ!さっきの看護師にも、刑事さんですか?って聞かれたんだぞ。なんでだ!やっぱりコートか、このコートがいけないのか!」


「あ、あのぉ…」

                             

「おっと、すまない取り乱してしまったな。私の名前は楠ノ木 烏(くすのき  からす)。刑事ではないが秘密組織の一員だ」


ドヤ顔でカラスは自己紹介をした。


「えっ…そういうの一般人に言ってもいいの…か…?」


「ん、なんか言ったか?」


「いえ何も…」


「そうかなら続けるぞ」


そう言い、かけてあるメガネを中指でクイッと上げた。この人、案外馬鹿なのかもしれない。


「君を我々秘密組織に入らないか」


「ん?」


「大丈夫だ。宗教勧誘ではない」


この男衝撃的なことを言ったあとに間髪入れずに的はずれなことを言い始めた。宗教勧誘?それよりやばいだろこれ。秘密組織?フリーメイソン的な?


「とりあえ⋯⋯」


「ちょ、ちょっと待ってください」


カラスそう名乗った男はまた口を開き何かを言おうとしたが、流石に今度は言い始める前に止める。


「まったく理解ができないんですが」


そう理解できない。起きていきなり情報量が多すぎる。


「まぁいきなり言われてもよくわからないだろう。とりあえず我々の拠点に招待する」


するとカラスの足元から黒いモヤみたいなものが火野の体に巻き付いていった。


ナニコレまた新要素。


頭が一杯でろくに抵抗できずに影に飲み込まれていく。


「大丈夫だ。すぐに着く」


完全に飲み込まれる寸前、カラスは思い出したかのように言い放った。

そして火野が完全にモヤに飲み込まれると今度はカラスを飲み込んでいった。こうして病室から誰もいなくなった。



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