小さな夢
このまま定年まで勤めて、賞与を全額貯金し、65歳までに貯めれる預金は2,000万円。
夫婦2人であればなんとかなる金額だ。
毎月の給与ではNISAで、投資信託の積立も行なっている。
シングルでは、預金は多い方だと思うが、今の物価水準で年金と貯金で暮らせるのは80歳程度まで。
病気になったり、大幅に物価が上がれば、危うい。
そして、定年まで働ける保証もない。
今の節約生活をずっと続けて一生を終えるしかない。
ふと、やりたいことを考える。
美味しそうと思ったものを躊躇なく買う。
そんな小さな夢。
大きな夢。
できることなら、旅行を楽しみたい。
年に1度、いや3年に1度でいい、セコセコした日常から離れて、いいホテルに泊まって、非日常を楽しみたい。
綺麗な景色を見て、普段は食べないようなものを贅沢に味わう。
北海道や沖縄にも行ってみたい。
いや、夢は大きくモン・サン・ミシェル。
日々節約しても、そういったことでお金を使うなら、節約も苦ではない。
人生を振り返った時、楽しい思い出の一つとなる。
しかし、私にそんな旅行ができるだろうか。
常に節約することばかりを考えている私が、思い切って旅行を計画しようとしても、安いプランを探し、現地での食事も、安く抑えようとして、楽しめないかもしれない。
それどころか、行く前に、掛かる費用を計算して、もったいないと思い、計画だけで終わるかもしれない。
今の私は、趣味もない。
映画に行くこともなければ、推しもいない。
映画は、ネットの無料視聴にとどめている。
サブスク契約など一つもしていない。
年々、体力の低下を感じるから、スポーツジムに通いたい。
健康な体は、医療費を抑える。
しかし、ジムに通うお金を考えると踏み出せず、交通費節約も兼ねて、とにかく歩く。
公共交通機関でさえもったいない。
5キロ程度なら、自転車で向かい、無料の駐輪場に停める。
無趣味で、何も楽しんでいない今を過ごしている。
私は、何が楽しくて生きているのだろうか。
老後のためにと、いろんなことを我慢して、その老後も小さな夢でさえ危うい。
ただ、死を迎えるその日まで、ひっそり生きるだけなのだろうか。




