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宇宙の忘れ物
銀河系を旅する高度な知性体たちが、地球の近くでキャンプを楽しんだ。彼らが去った後、軌道上には一つの小さなカプセルが取り残されていた。
地球の科学者エム氏がそれを回収し、解析した。中に入っていたのは、目に見えないほど微細な「死」という名のウイルスだった。それまで、地球の生命体は細胞が無限に再生し、事故以外で滅びることはなかった。しかし、カプセルが開いた瞬間、それは大気中に広がり、すべての生物に「死」というプログラムを書き込んでしまった。
数万年後、再び地球を訪れた知性体の一人が、カプセルがないことに気づいて仲間に言った。「しまった、あそこに『ゴミ箱』を忘れてきた。今さら回収に行くのも面倒だし、まあいいか。どうせあんな不潔なもの、誰も開けやしないだろうからね」




