61.やらかした2人
(1)0歳編
光の原初の精霊Side
姫たち家族が食事を摂りながら、王都行きの話をしている頃ーーー。
無の精霊に呼ばれた他の精霊たちが、風と土の精霊にしっかりとお説教をしている。
普段宙に浮いて生活していた私たちだが、ここ1年は姫の生活に合わせ足で歩き生活していた。
そんな彼らでも、さすがに正座はきついのだろう。
泣きながら正座をし、しっかりと怒られている。
無の精霊に防音結界を張ってもらい、姫たちには聞こえていないが、私たちの耳には声が聞こえるようにしてもらっているので、何が行われているかもバッチリ聞こえる。
まあ当然といえば当然のことが言われている。
『闇:なぜ威圧なんぞ使ったのじゃ!姫様に何かあったらどうする!!』
ごもっともだ。
『水:ありえないわ。2人もいてどうしてそんな事態になったのよ!』
確かに。
『火:お前らに愛し子の守護精霊を名乗る資格はねーよ』
あーあ。
『時:最低』
『雷:ないわ』
『氷:ないな』
とどめ刺されたな。
普段あまり口数の多くない雷のと氷のにまでくどくど言われている姿は、さすがに堪えますね……。
話もあることですし、そろそろ終わりにしてあげましょう。
『光:そろそろいいですか?風のと土のは反省てしばらくは姫に接近禁止を言い渡します。これに懲りて、馬鹿なことはしないように。皆んなにも話があります』
罰を言い渡し、絶望の顔をする2人。
かわいそうと言い放つ氷の精霊。
全然可哀想と思ってはいなさそうですがね?
『無:姫たちが王都に行く。今後気をつけることとか話したい』
特に、目と髪の色を変えねば、外には出ずらいだろう。
一番の懸念点だ。
何か対策はあるのだろうか?
こちらできちんと話し合い、父君たちとも話を詰め、不測の事態からも姫を守れるように対策を立てねばならない。
そのためにも、風のと土のには早く復活してもらわなければ。
王都行きまで後2週間。
時間はあまりないだろう。
早めに今後の動きと対策を話したいものだ。
何を差し置いても姫のためーーー。
これは私たちにとって譲れないこと。
姫の家族からしても家族の安全は最優先だろう。
利害が一致しているのだから助力はやぶさかでは無い。




