4−3 帰り道③
まだちゃんと動かない左手を庇いながら、ベッドに寝転んでテレビをつけた。医者の話では、斧かナタのようなもので肩を切られており、後遺症が残るかもという話だった。
徹の声で振り向いたために、急所から外れたのだろう。右手はギプスで動かすことができなかった。あれから数日経った。医者の話では「あと一週間以上」は入院らしい。年末年始は病院で過ごすことになりそうだ。
報道では、焼け跡から発見された人骨の一部は行方不明のものと特定されたらしい。犯人は人を攫って来て、熊に餌として与えていた可能性があると言っていた。ただ、行方不明者と人骨の数が合わないので、一部は犯人のものではないかと言われている。
徹がどうなったのか、わかっていない。徹の彼女が一度訪ねてきたが、何も言えなかった。本当だったら、今日は徹とのクリスマスディナーだったはずなのに。
建物と一緒に燃えてしまったのだろうか。一致していない人骨が徹のものなのかもしれない。あの時、徹が「逃げろ」と言ってなかったら、自分は逃げきれなかった。
誰の人骨か特定には相当時間がかかる見込みらしい。熊もその後の目撃情報がないと言っていた。
夕方のニュースが淡々と流れてきた。
<つづく>




