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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第75話

ルーベンソンのフルネームが抜けていたので第24話に追加しました。

すみません。

全員でバーキット郊外までぞろぞろ歩いていく。

軍事行動ではないし道もない草原を歩いているから、結構散開して各自バラバラに行動している。


龍の森の外縁部の肉食恐竜達が河を渡って、トルベッケトラース通商衛星国側の森の魔獣を狩りにきている今は、バーキット近郊まであれだけ溢れ出ていたオークや森林狼は姿を消している。

エサの為に無理して草原に出てこないでも、森の恵みだけでオークや森林狼が暮らしていけるんだろう。


騎士団の連中は武器を抜いて素振りしたり、草を斬ったりしてウォーミングアップをしている。


グレタと笑顔で笑いながら雑談して草原を歩く。

エイス・フーロー・ライチの2頭と1羽は本来の大きさに戻って俺とグレタの回りで遊んでいる。

騎士団の団員がエイスとフーローの動きに合わせて剣や盾を動かしている。

イメージトレーニング中なんだろうな。


ライチはかなりの上空を飛んでいる。

ライチと俺の気配を感じたワイバーン達は遠回りしている。

俺やエイス達の気配を感じて周囲の魔獣達は3キロメートル以上離れているので、半径3キロの魔獣の空白地帯が出来上がっている。


いつも演習や模擬戦をしている場所に到着した。

草が刈ってあり踏み固めたかのような整地をしてある。

ここでいつも遊んでいる。


まずはレオンとスパーリング。


盾職のレオンが自分の身長とあまり変わらない180センチ程ある巨大なタワーシールドを左手一本で構えてる。

右手に持つロングソードを右肩に担ぐように構えるいつもの戦闘体勢。


これで左手一本で持つタワーシールドで、シールドバッシュを片手で行い、敵の体勢を崩してから右手に構えるロングソードを上から叩き付ける、パワー系獣人のお手本のような盾職の変則スタイル。


新たな武器を手にしたレオンはどうかえてくるかな。


『始めぃ!』


バーキット正騎士団団長のルーベンソンのバカデカい開始の声と同時にレオンが突っ込んでくる。


レオンはいつものように真正面からシールドバッシュを当てるような仕草を見せてから、一度手元にシールドを引いてから盾を水平にして、左側から水平に薙ぎ払ってきた。

俺はレオンがどう動いてくるのかと注視していて対応が遅れてしまい、居合斬りの構えからただ攻撃を受けるしか出来なくなっている。

『バン!』

と大きな音が鳴ってレオンのタワーシールドが俺に当たる。

居合斬りの小さく低くなった構えの俺の右肩にシールドバッシュがブチ当たるが低く構えた体勢が崩される事はない。


まぁ、ハイエルフだしな。


だがレオンも俺が動かない事を予想済みで、右手のロングソードも水平斬りにして横から叩き付けてきた。


これは良いコンビネーションだな。


それでもハイエルフ。

右肩をシールドバッシュで押されたまま左側からやってくるレオンのロングソードを、居合斬りで抜き打った木刀で下からカチ上げて、ロングソードの軌道を上にずらして避ける。

レオンは俺が斜めにずらすようにとか、受け止めると考えていたのか……

俺の力任せなカチ上げに体勢が崩れてしまいスッ転んでしまった。


膝立ちで起き上がるレオンの面前に木刀の剣先を突きつけて終了。


『止め!』


ルーベンソンがニヤつきながら終了の合図を出すが……周囲を見渡してレオンと同じような顔で愕然とする。


騎士団団員達は既に3チームに別れてエイス達といつものように模擬戦を開始していたからだ。

出遅れたと愕然とした表情を見せるルーベンソンだが、諦めて俺とレオンに向き直る。


「左右からの挟みうちの攻撃は発想は良かったけどまだまだ甘いね。レオンの両足のスタンスの広さが不十分で腰が浮いて見えたから、下からカチ上げてみたけど……予想通りにそのまま腰まで浮かされたな。」

「うーん、まだまだ改良の余地はあるわけだ。」

「わざと今のままの体勢を敵に見せて足元から上に攻撃するパターンとか、逆に正面からロングソードを突き込むとかの変化も出来るのではないのか?」

「あぁ、ルーベンソンの言うとおり様々な攻撃パターンへの変化が出来る攻撃ってのは相手にとっては厄介だな。」

「なるほど……変化しやすくさせるって事か。」

「まっ、四の五の言わずにやってみよう。」


俺が実際に練習しながらやろうと提案するとレオンも立ち上がってまたいつもの体勢で構える。

それからは15分ほどレオンの動きを指導する。

俺がレオンを指導してる間はルーベンソンとグレタが横で模擬戦を繰り返している。


グレタとの模擬戦でやっと動く事が出来るようになったルーベンソンは凄く嬉しそう。

ルーベンソンは両手斧使いのマスタークラス。

ブン回すようにして突撃するスタイル。

グレタは槍スタイルだと接近戦だと何も出来なくなるし、遠距離攻撃アリだとルーベンソンが何も出来なくなり、相性が両極端になるので練習にならない。


なのでショートソードとラウンドシールドというオーソドックスな剣闘士スタイルで模擬戦をしている。


グレタは剣闘士スタイルは俺の勧めで始めたが、俺とリッチさんのツーマンセル英才教育のおかげでめきめきと力を付けてきている。

自分でも自分の成長が自覚できているからこそ更に楽しくなってくる。

ラウンドシールドとショートソードは俺からのプレゼント。

加護やらてんこ盛りになっているが、グレタが危機的状況にならない限り表面には出てこないような細工がしてある。

同じようにユーとミーに渡したショートソードも同じような細工が施してあり、危機的状況に陥った時にだけ浮き出てくる。


3人にはもちろん説明してない。

3人の装備を見たリッチさんだけは見抜いたけどね。

流石は魔法に特化した種族『不死(ノーライフ)(キング)』のリッチさん。

しかもリッチさんは暇を持て余して格闘戦闘に目覚め、友人の龍王に格闘を習い免許皆伝となっている変人……人じゃないな。

変なリッチ。


俺の過保護っぷりを知ったリッチさんは苦笑していたけど。

最終的には俺に連絡が入る事まで知ったら苦笑するしかないわな。


グレタとルーベンソンがスパーリングと言うよりも……

攻守を交代で変えながら動きの確認をしている。

型にはまった動きで攻めと守りの動きを互いが確認してるみたいだ。

守ってからの攻め、攻めからの守り。


こうして見るとレオンとルーベンソンは両人共、俺達と模擬戦をするようになってからめきめきと力を付けている。

もちろん今、エイス達と模擬戦をしている騎士団の団員達は目に見えて強くなった。

エイス達も始めの頃に比べたら、あまり手加減せずに魔法を撃ち込んでるし。

エイス達の種族特性魔法は強力過ぎるので使ってないけど、それなりの魔法は撃ち込んでいるから彼等の防御力は格段にレベルアップしているだろう。


防御からの反撃の練習をしているみたいで、繰り返し繰り返し攻撃を行っているようだが、軽くかわされてばかりでほとんど成果があがってないようにしか見えないけど。

集まってミーティングしてるようだけど……

エイス達は基本、俺と俺の家族以外にはほとんど気を使わないから、空気を読んで当たってあげるようなことはほとんどやらないしなぁ……

先は遠そうだ。


レオンは新しい武器になかなか慣れないみたい。

オリハルコンは素材として強度や柔軟性など目を見張るものがあるけど、ハイエルフが膨大な魔力を注ぎ込んで制作すると、ミスリルよりも軽い素材になるので今まで振り回してきたロングソードとの重さの違い、切れ味の違いのギャップがありすぎてなかなかつかみきれないようだ。


地面すら軽々と切り裂く切れ味は想像以上らしい。

重さを利用して振り回すことが出来なくなったぶん、回転力がいきなりトップスピードになる感覚は……慣れてもらうしかないが。

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