第70話
ラハティカンナス獣人公国は戦争の賠償金として多額の金額を要求。
分割払いと物納を認めた事と4国同盟の代表者が戦争継続するならと席を立ちかけた事で2つの国の代表者は折れて休戦協定に盛り込まれた。
2つの国は鉱山が有名なので色んな種類の鉱石を100年掛けて賠償していくことになる。
元ラハティカンナス獣人公国の土地は農業で有名だった。
だから豊富な農地と農産物を得るために2つの国は共同して攻め込んだのに、退却戦で農地は爆破され当分の間使えなくなっているし、河川もひどい損害があっていつ再開出来るのか目処も絶たない。
外国への主要輸出品目の鉱石は4国同盟に吸い取られて、100年も外貨が稼げなくなることは休戦協定によって決定されてしまった。
土地以外に得たもので外貨を稼げそうなものは何もない。
その上、今後の見通しも暗い。
今までは犯罪者奴隷として賃金を払わずにで取り扱ってきた獣人と、正規の料金の何分の1の料金しか支払わないで迫害されていた獣人にテイムされた魔獣使っていたので破格のコストで採掘していた。
奴隷も獣人もテイムされた魔獣も解放されて海を渡りこの大陸を去っので、今後は一切使えないからコストが増大するのが明白だからだ。
4国同盟へと物納される鉱石は金額ではなく今現在の鉱石の価格で計算されてる物量となるので、コストが上がったからと量を減らす事が出来ない。
今回の戦争での罰は100年続く事になると気付くのは、彼ら代表者達が本国に帰ってからしばらくたってからだろう。
もしかしたら他人に指摘されるまで気付かないかもしれない。
金品を免れて物納が出来るからとほくそ笑む代表者がいたことも今後の見通しの暗さを表している。
新たに占領した旧ラハティカンナス獣人公国の農地の再興にも獣人やテイム魔獣が使えないことにも気付いてなさそうだしね。
2つの国を脱出した獣人とテイム魔獣は新ラハティカンナス獣人公国に所属して土地の再興に精を出す。
ラハティカンナス獣人公国では正規の料金が支払われ搾取される事からも解放される。
真面目な労働人員が増えて好景気に拍車をかけるだろう。
2つの国のテイマーギルドには既にハイエルフの監視がはいっている。
今まで獣人のテイマーから搾取していたから貯まりに貯まっていたギルドの内部留保は取り上げられた後だ。
またテイマーギルドの幹部は軒並み全財産没収されてる。
私腹を肥やすってレベルが馬鹿馬鹿しくなるほど横領しまくっていて、代々に渡り莫大な財産を築いていたヤツラばかりだったから。
こんだけ複数の幹部が横領していても内部留保の金額は凄かったから、過去の獣人テイマーからどれだけ搾取していたのか計り知れない。
彼らも全員テイマーなので全財産没収の上で、本物の犯罪者奴隷として今後は鉱山で死ぬまで働く事になる。
出来るだけ長く鉱山で働いてもらう為に、凄く健康的な生活と体調を調べながらきっちりと管理された労働をしてもらう。
テイム魔獣だけでなく本人にも鉱山で労働させることまで決定してる。
今回の侵略戦争を企てたグループも労働人員に仲間入りするだろう。
農作物は外国から買い付けるしかない状態が数年続くのに、外貨を稼ぐ手段がなくなるので税金を上げて対応するしかない。
全ての原因である侵略戦争を企てたグループが権力を失っているから、一般市民に対してのガス抜きとして糾弾されるだろうし。
4国同盟とハイエルフで話し合った計画は順調に動いている。
『獣人の奴隷状態からの解放』
『獣人テイマーの解放』
『獣人から搾取していた人々からの損害賠償請求』
『侵略戦争を企てたグループへの責任追及と権力剥奪』
『獣人の移民を阻む人間至上主義者達の権力剥奪』
等々、侵略戦争を引き起こした2つの国だけでなく世界中にいる人間至上主義者達にも権力の中枢から引き摺り下ろす計画は順調に進んでいる。
俺はアニーやパシーの指示に従い情報を集めたりしてるだけの『使いっぱしり』ぐらいしか働いてないけど、ハイエルフの経験が少なすぎるのでこればかりは仕方がない。
アニーに教えてもらって学んでる最中だから。
ハイエルフとしてどう圧力を掛けるのかとか勉強になるし面白い。
俺が龍の森クラブの顧問に就任したことを知ったアニーとパシーも、龍の森クラブハウスに出入りするようになり、暇な時には臨時コーチもするようになったので、龍の森クラブに所属したいという冒険者や冒険者チームは倍増してる。
俺もジョルの要請で面接には時々顔を出しているから嘘をついてる輩は即排除。
なんかちょっと胡散臭い輩がいる時に俺の面談参加要請してると教えてもらった。
龍の森クラブが抱える秘密は大きいので胡散臭い輩は入れられない。
秘密って言っても……アーリンドル王国の王族私塾のグループが知っているような『食文化』の秘密なんだけどね。
外で吹聴するような輩が入ると困るし。
今のところどこにも漏れてないから、ジョルの人間性を見る目は確かで間違いないようだ。
元々の知人を優先しているみたいだし。
それと新年明けて1番のニュースは……
『グレタとの結婚』
プロポーズして正式に結婚することが決まった。
アーリンドル王国の現国王『ラーファエル・フェリクス・アーリンドル』とアーリンドル王国の現宰相『ミクラーシュ・ゾンマーフェルト』侯爵に報告。
グレタは龍の森に居を構え、妊娠・出産等で領主の仕事を離れる場合に、貴族の寄り親であるエッシェンバッハ辺境伯家から領主代行が送られてくる事が決まった矢先の吉報だった。
各方面に報告後に……吉報があった。
『グレタの妊娠発覚』
妊娠とはいえまだステータスカードに『妊娠状態』と記載されただけで体調の変化も訪れてない状態。
ユーとミーは嫉妬して何か変化があるかと考えたが、2人共にとても喜んでいるので大丈夫そうだ。
ビックリするほど喜んだのはリッチさん。
報告した時に嬉しくて踊り出したので俺とグレタもビックリした。
龍王や古龍の長老達も喜んでくれた。
龍王から思念が送られてきた。
『寿命のないホープラーとは違いグレタと子供には寿命が存在する。子供を看取る覚悟を持っておかないと辛くなるよ』
というアドバイスをもらった。
なるほど……とはいえハーフのハイエルフは千年ぐらいは余裕で生きるので、グレタを看取る方が早いけどねとも教えてもらった。
アニーとパシーからも同じように覚悟を準備しておく事を進められている。
寿命がないというのはそういう覚悟が必要になるんだと勉強。
ユーとミーを引き取り龍の森で育てると決めた時にも同じような事を言われている。
俺の場合は輪廻転生で子供とあまり関われない状況か、子供達と骨肉の争いをして攻め滅ぼしたり、逆にクーデターで攻め滅ぼされたりという特殊な親子関係が多くて、平和な家庭経験が極僅かしかない。
父親初心者として頑張ろうと思う。
俺の父親としての覚悟も決まった。
結婚式はやらない事になった。
結婚式を行う場合、俺の関係者がハイエルフ複数と龍王や古龍の長老達とリッチさん……メンツがヤバ過ぎてラーフィーに勘弁して欲しいとお願いされたから。
国を相手に喧嘩を売って余裕で勝っちゃうメンバーしかいない。
身内だけで龍の森でパーティーを開いたり、龍の森クラブハウスでパーティーぐらいはやるけどね。
俺が結婚を決意してから何ヵ月も経過しているが、龍の森の岩山頂上でグレタと日の出を拝んでいる時にプロポーズした。
OKの返事をもらい、その足で貴族としての初めに報告しなきゃいけない王と宰相に報告した。
龍王や古龍達やリッチさんにも同じ日に報告してる。
ジョルやヨハン達には次の日に報告して祝福してもらってるし、トルベッケトラース通商衛星国の港町バーキット領主『レオンチェヴィッチ・フォン・ハルマリノフ』男爵、通称レオンには更に次の日に報告して祝福されている。
ラーフィーとミクリーは龍の森に招いて、俺の龍の森の住処で結婚記念バーベキューパーティーをした。
2人共に正妃を連れてきてくれたので自己紹介しあってからのパーティー。
夜は俺のとっておきの場所に行って池に写る満月を見ながらの談笑。
朝は龍の森の岩山の頂上で日の出を拝む。
日の出と共に見下ろす世界樹に感動していた。
上から見下ろす世界に日が当たり、世界に色が付いていく美しさにも感動していた。
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