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ボーナスステージの異世界冒険録  作者: 椰子獅子


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第45話

なかなか楽しい夜だった。


翌日、朝ご飯はカフェでメガアイスコーヒーとメガアイスクリームとトーストを、午前中いっぱいを使って5人で食べた。

凄い量なのは変わらないのだが少しクセになりつつ……ってのは流石に無理があるな。


美味しいのは変わらないのだけど多いのも変わらない。


今日はトラブルはやってこなかったが……

昨日トラブルを運んできたお姉さんはお客としてやってきててヨハン達に改めてお礼を言っていた。

俺は気配を薄くしてやり過ごす。

アイスクリームも美味しい。

今日もアイスコーヒーの上にアイスクリームを乗せて溶かしながらコーヒーを飲む。

今日は朝から天気が良くてアイスコーヒーとアイスクリームの組み合わせが最高。


旧デバッケルフラート教国の家畜は全てアーリンドル王国が吸収したんだけど、ラハティカンナス獣人国は前の大陸から市民と一緒に家畜も移動してきてるので、乳製品等は需要と供給にあまり差がないようでうまく経済が回っているようだ。

経済に混乱があると情勢不安で殺伐とした街の空気になるんだけど、ラハティカンナス獣人国はこの大陸に移動したことでうまく回りはじめてる。


子供達は元気に街中を遊び回っている事からも、街中に規律があって安心できるからだろう。

乱暴者の冒険者も昨日のようにいるにはいるが、警備隊がすぐに飛んでくるしそれを止める冒険者も沢山いるようだし。

そもそも今回の戦争で犯罪者や乱暴者の冒険者は最前線に送り込まれていて……既に大半が亡くなっている。


窓から外を眺めてると小型のワイバーンを使ったアーリンドル王国との定期便も開始されてる。

小型とは言うものの翼を広げると6メートルぐらいはある。

ワイバーンの中では小型という意味でしかない。

なので魔法で補助すれば馬車の箱ぐらいは運べる。

今通っていった小型ワイバーン定期便も馬車の箱を運んでいて、窓ガラスから人影が見えていたので誰かがやってきたか戻ってきたか。

建設中の庁舎とは違う方向にワイバーンは飛んで行った。

政府関係の建物は建設中だけど臨時政府が立ち上がっているので、すでに仮庁舎として何かの建物を使用しているんだろう。


今頃、エイス・フーロー・ライチの2頭と1羽は、キャンプを楽しんでるユーとミー達のサポート役として……一緒に遊んでいるんだろうな……などと、街中にテイム魔獣が多いのを見ながら考えてた。


ラハティカンナス獣人国は獣人国家。

獣人はテイマーの素質を持つ者が少なくない。

だからこの国にはテイマーが沢山いる。

昨日も街行く人々を見て思ったけど、何らかのテイム魔獣を引き連れている人達は多い。

トロールやオークやミノタウロス等の人型魔獣も多いし、狐・狼・猿・虎等の魔獣もあちこちにいる。

ヨハン達から聞いたけどラハティカンナス獣人国は冒険者ギルドと同じぐらいかそれ以上にテイマーギルドは力を持っている。


街の外にいる魔獣をテイムしようとしているテイマーも多くいるから、街の周辺の魔獣狩りは注意が必要なんだと。


俺が窓の外を見ていると、カフェの外の道を通る魔獣から必ず見られている事に気付いたエルマから教えてもらった。


「でも何で道行くテイム魔獣の皆がホープラーを見ていくの?」

「テイマーのスキルマスターだからね。テイムされている魔獣には魔道具では誤魔化しきれないんだよ。」

「マジか。ホープラーの万能さがエグいわ。」

「まぁ、できる事は沢山あるけど、出来ない事も沢山あるよ。」

「でも……出来る事が少なくて出来ない事がむちゃくちゃ沢山あるってのが普通なんだけどね。」

「俺は普通とはかけ離れた存在だし仕方がないよ。でも、こうやってあまり訪れてない場所では、変装しないとおちおちカフェでメガジョッキサイズのアイスコーヒーやアイスクリームと格闘できないよ。」

「確かにそうね。」

「まぁ、わざわざ変装してるといっても……これはこれで楽しんでるんだけどね。」


横から急にヨハンが質問を投げ掛けてきた。


「ホープラー、テイマーのスキルマスターからテイムされた魔獣達は何かを感じとっているの?」

「たぶんね。ハッキリこれだとはわからないけど、テイムされた魔獣達は怯えてる訳じゃないから、俺が何者かは気付いていない。テイマーのスキルマスターの何かに反応してるんだと思う。」

「あぁ、なるほどね。ホープラーの正体に気付いていたら怯えているか固まるはずだよね。」

「そういう事。」


雑談していたら食べ終わったので一度クラブハウスに皆で戻る。

門から出入りできないのでクラブハウスから直接転移する。

俺が昨日草原で魔獣狩りをした周辺で、まだ攻略していない魔獣の巣へ転移魔法で移動する。

今日は俺の狩りじゃない。


ヨハンとベルが俺が調整した武器の確認作業。

エルマは昨日俺が教えた付与魔法の練習。

マルセラは俺が貸した弓の練習。


これらの調整作業と考えると動きが鈍くて群れの数が少ないトロールの方がやりやすそう。

なので……昨日巣を発見していたけど見逃していたトロールの巣に転移。


エルマが俺以外で自身を含めた4人に防御力・攻撃力・スピードの強化魔法を付与。

ベルが先頭になってトロール3頭に突撃する。

肩に担いだ大剣を一番先頭にいたトロールの頭の上から叩きつける。

頭を割られてトロールが後ろに仰け反り、後ろにいたトロールに当たって一緒に倒れる。

2番目にヨハンが続き一番後ろから回り込もうとして左側に動いたトロールの膝と太ももに槍の2段突き。

トロールが崩れ落ちた頭部にヨハンがもう一度槍を突き刺して(とど)めを刺した。

トロールの下敷きになってジタバタと暴れるトロールの頭にマルセラが放った矢が突き刺さり戦闘終了。


マルセラの一撃でトロールを倒した事に感心して声を出す4人。

思ってた以上の威力だったみたい。

簡単に終了し過ぎてエルマの補助魔法維持訓練にはならなかった。

それからはトロールのみでなく様々な魔獣をターゲットにして魔獣狩りをする。


時々エルマの訓練の為に連続して戦闘になるように俺が魔獣達を誘導したり、アイテムボックスから取り出した魔獣寄せの笛を吹いたりして、更に魔獣を集めて4人から怒られる事もあった。

怒られても俺が手伝うまでもなく狩られていく魔獣。

連携やエルマの付与魔法やマルセラの弓の訓練。

ヨハン達4人の高レベル冒険者にとってここのフィールドの魔獣は雑魚でしかない。


休憩をいれる度に反省会をしている。

俺が渡した麦茶を皆でガブガブ飲みながら連携がミスった時の声かけを徹底するようにとヨハンが声をだす。


俺は見てるだけ。

暇潰しで上空を飛ぶ鳥魔獣を装備していた弓で打ち落とすぐらいしかすることがない。


ヨハン達のチームが倒した魔獣はエルマが師匠から預かっているリュック型収納袋に詰めていく。

トロールなら200頭以上は入れられる国宝級の収納袋らしい。

俺がトルベッケトラース通商衛星国の港町バーキット領主『レオンチェヴィッチ・フォン・ハルマリノフ』通称レオンに貸している収納袋に比べると収納量はかなり少ないサイズ。

エルマが師匠から借りている収納袋はもう1つあって……そっちはもう少し小さいらしい。

捌いた後の食材や拾った武器や防具や魔道具類等が収納されてると言ってた。


ヨハン達に俺の手作り収納袋を貸そうかと思って……やめた。

別に必要無さそうだし。


俺がアイテムボックス持ちだというのは、さっきからアイテムボックスから全員分の麦茶取り出したり、アイテムボックスに打ち落とした鳥魔獣を収納したりと何度も見せてるのであまり気にしてないようだ。

アイテムボックスの空間魔法はそこまでレアな魔法ではない、


まさか無限レベルのアイテムボックスとは思ってないだろうけど。


俺は何もしてないけどヨハン達の連携はどんどん上手くなっていってる。

エルマの付与魔法の習得は上手くいっている。

慣れる事で効果時間が少しずつ伸びているのは後ろから見ててもわかる。

エルマ本人も慣れていっているのがわかるのか、休憩の度に嬉しそうにしている。


マルセラも弓の威力がかなり増した事で、今までのように牽制や足止め程度ではなくて明らかに仕留めにいっている。


後、俺が渡した蔦縛りの矢の扱いに少し時間が掛かったが、これも慣れてくると使い勝手の良さに重宝していた。

ヨハン達も蔦縛り込みの戦略を立てて色んなパターンを模索中だ。

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